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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Liverpool】最後のマージーサイドダービーは、セットピースで負け続けて痛恨の敗戦。

ユルゲン・クロップ、最後のマージーサイドダービー。プレスカンファレンスで「グディソンパークはいつも難しい」と語った指揮官は、前節のフラム戦から前線と中盤を全員入れ替えています。アーセナルがチェルシーを下して3ポイントを積み上げており、絶対に負けられない一戦。立ち上がりのアーノルドのロングフィードは、GKの前に走り込んだルイス・ディアスに届きません。

GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン、MFマック・アリスター、ショボスライ、カーティス・ジョーンズ、FWサラー、ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス。3分のエヴァートンのアタックは迫力十分です。ブランスウェイトが右のジャック・ハリソンに展開すると、ファーに上がったクロスにコナテが触り、マクニールが足元に収めました。

左足のシュートはアーノルドがブロック。中央にこぼれたボールにインサイドで合わせたドゥクレは、左に外しました。ルイス・ディアスが左から仕掛けた4分の速攻は、ニアでクロスを受けたダルウィン・ヌニェスのスライディングボレーがうまく当たらず。直後、アリソンがカルヴァート=ルーウィンを倒してPKを取られますが、VARはドゥクレのオフサイドを指摘しています。

アーノルドがボックス右に縦の浮き球を入れたのは10分。フリーのサラーが自ら打たず、ダイレクトで中に入れると、必死に戻ったゴドフリーがダルウィン・ヌニェスとカーティス・ジョーンズの前でクリアしました。13分、左からファーに上げたマクニールのFKを叩いたゴドフリーのヘッドは、ニアポストの脇を抜けていきました。

17分の右からのFKも、キッカーはマクニール。ファーで競り勝ったタルコフスキが右のポスト際に浮かすと、カルヴァート=ルーウィンの決定的なヘッダーはアリソンのビッグセーブに阻まれました。20分にも、ハーフライン付近からマクニールがFKをボックス右に送りますが、ノーマークだったタルコフスキーのヘディングはアリソンの正面です。

押しているエヴァートンは、セットピースでことごとく競り勝っています。27分のFKでもブランスウェイトが先に触り、クリアを拾ったマイコレンコがタルコフスキーに預けます。右に上がったボールを、ジャック・ハリソンが中のゴドフリーへ。右足のシュートのこぼれ球をマック・アリスターがクリアし切れず、ボールは左のブランスウェイトの前に流れてきました。

ダイレクトショットに反応したアリソンは足で触るのが精一杯で、ボールはポストに当たって枠に転がりました。前半にリードされる展開は、今季のレッズにとっては通常運転。ハーフコートマッチを展開し、35分に決定機を創りました。マック・アリスターの縦パスをサラーがダイレクトでつなぎ、右から抜けたダルウィン・ヌニェスはピックフォードと1対1です。

右足で打った強烈な一撃は、GKが左足でセーブ。ピッチの外に飛び出した9番は、腕を振って悔しがっています。アーノルドの浮き球がボックス手前のサラーに入った44分のチャンスも、ダルウィン・ヌニェスが頭で右に落としたボールに走り込んだルイス・ディアスがピックフォードにぶつけてしまいました。

前半終了間際の波状攻撃も、サラーのダイレクトショットがジェームズ・ガーナーにブロックされ、ボックス左から抜けたロバートソンの左足シュートもピックフォードにセーブされました。ハーフタイムは1-0。直近の30戦を15勝13分2敗と圧倒的にリードしているリヴァプールは、後半に入っても攻勢を続けています。

48分のCKを叩いたファン・ダイクのヘッドはピックフォードがキャッチ。アーノルドが中央に絞ると、右サイドのサラーが孤立し、パスをもらっても後ろに戻すシーンが目立っています。マック・アリスターとショボスライはフロントスリーと近い位置に張っており、中盤と最終ラインの間にスペースが生じています。

マック・アリスター、カーティス・ジョーンズ、ショボスライのシュートはことごとくブロックされ、エヴァートンの速攻を受ける時間が増え始めました。57分、マクニールが右から放ったミドルはアリソンがセーブ。マクニールの右からのCKがファーに上がると、カルヴァート=ルーウィンの完璧なヘディングがニアに決まりました。

上がりすぎる中盤は、攻撃の流動性を欠く原因になっているように見えます。クロップ監督が3枚代えを敢行したのは63分。カーティス・ジョーンズ、ショボスライ、コナテが下がり、遠藤航、エリオット、クアンサーです。遠藤航のコントロールミスから、ジャック・ハリソンに奪われた64分のピンチは、マクニールの左足シュートをロバートソンが体に当てて難を逃れました。

セットピースで負け続けるリヴァプール。65分のCKも、タルコフスキーに先に触られています。残り時間は20分。アーセナルと肩を並べるためには、3点が必要です。69分に左からカットインしたルイス・ディアスは、右足のコントロールショットをファーポストに阻まれました。ルイス・ディアスとロバートソンは連携していますが、右サイドからの崩しはありません。

79分、遠藤のスルーパスからアーノルドがグラウンダー。タルコフスキーのクリアのこぼれ球に反応したサラーは、右足で打ち上げてしまいました。84分にアーノルドとロバートソンが下がり、ジョー・ゴメスとツィミカス。これは、攻撃力が高まる交代策ではないでしょう。90分のCKのクリアから、ボックスの外でエリオットが放ったボレーは、好調のGKが上に弾き出しました。

追加タイムは5分。リヴァプールの優勝争いが終わろうとしています。カラバオカップ、ヨーロッパリーグ、FAカップで勝ち進んだため、「ヨーロッパで最も試合の間隔が短いクラブ」となってしまったことが、最終盤の失速につながったのでしょうか。95分、エリオットのロングフィードをルイス・ディアスが頭でサラーに送り、左足のボレーがニアポスト際に向かいますが…。

またもやピックフォードがセーブし、やがてタイムアップ。総入れ替えの中盤はバランスが悪く、エヴァートンの守備陣を密集させてしまったようです。74ポイントでステイしたリヴァプールは、アーセナルが3勝1敗、マン・シティが5勝1敗なら彼らの下で終わります。負傷者が多発し、ベストメンバーを組めなかったシーズン。ここまで粘ったことを称えるべきでしょう。

PSR違反で8ポイント剥奪となり、残留争いに巻き込まれていたエヴァートンは、18位ルートンに8ポイント差。マクニールの素晴らしいプレースキックと、カルヴァート=ルーウィン、タルコフスキー、ブランスウェイト、ゴドフリーの奮闘がライバルに完勝する原動力となりました。これなら来季も、プレミアリーグで戦えるでしょう。

ウェストハム、トッテナム、アストン・ヴィラ、ウルヴス。ユルゲン・クロップのプレミアリーグは、残り4試合となりました。国内のすべてのタイトルと、チャンピオンズリーグ、クラブワールドカップ、UEFAスーパーカップを制したクラブ史に残る名将のバトルを、最後の瞬間までしっかり見届けたいと思います。


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“【Everton×Liverpool】最後のマージーサイドダービーは、セットピースで負け続けて痛恨の敗戦。” への1件のコメント

  1. アイク より:

    更新ありがとうございます。悔しいですが、失点無くさないと優勝はできないですね。
    ファンダイクとアリソンの加入で一度は強みに変わったセットピース、ロバートソンとアーノルドが同時に上がる飛び道具。全員揃えばまた勝ち始めるんじゃないかと淡い期待を抱いていましたが、これが現実ですか…
    前半に誤審が無ければ得られたかもしれない3ポイントのことが頭の隅でずっと引っかかっていたシーズンですが、アーセナル、ユナイテッド、エバートンと何としても勝ちたい相手に敗れ続けむしろスッキリしました。
    ボスの花道をトロフィーでは飾れないかもしれませんが、凄惨なオフシーズンと怪我人続出のトラブルを即興で埋め合わせ、終盤までワクワクさせてくれているミラクルなチームマネジメントに、いつまでも拍手をおくりたいです。

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