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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

デヴィッド・モイーズは今季限り?現地メディアが「ウェストハムがアモリムと交渉開始」と報道!

レヴァークーゼンに2-0、1-1でヨーロッパリーグを終えた後、クリスタル・パレス戦で5-2の惨敗。バイ・アレーナとセルハースト・パークのゲームは、ウェストハムがデヴィッド・モイーズと契約を更新しない理由を説明するプレゼン映像のようでした。公式戦無敗のドイツ王者とのアウェイゲームはシュート数33対1。プレミアリーグ14位との一戦は、前半だけで4失点です。

ハマーズを3年連続で欧州に導いた功労者は、クラブと袂を分かつのでしょうか。ウェストハムに復帰したのは、2019年12月。アーセナルがアルテタ監督の就任を発表した8日後です。初年度のプレミアリーグは5勝5分9敗と振るわず、17位だったチームを残留させただけでしたが、ラスト4戦の2勝2分が評価されたのか、2020-21シーズンも指揮を執ることになりました。

ここからの3年は、エヴァートンで長期政権を築いたマネージャーの面目躍如でした。ソウチェク、ツォウファル、ベンラーマが加わった2020-21シーズンは6位にジャンプアップし、ヨーロッパリーグ出場権を獲得。クル・ズマ以外に目を引く補強がなかった2021-22シーズンは7位をキープし、ヨーロッパリーグでは準決勝進出を果たしました。

暗雲が垂れ込めたのは、2年連続の欧州チャレンジとなった2022-23シーズン。アレオラ、ナイフ・アゲール、ケーラー、エメルソン・パルミエリ、コルネ、ルーカス・パケタという全方位の大型補強で、3シーズン連続の欧州出場権をめざしたのですが、ボーウェンとマイケル・アントニオが揃ってスランプに陥り、前半戦は18位という低空飛行でした。

1月に獲得したダニー・イングスも救世主にはなれず。4月の3勝1分1敗で残留争いから脱出し、14位に上がるのが精一杯でした。一方、ヨーロッパカンファレンスリーグは、14勝1分という圧倒的な強さでトロフィーを獲得。こちらのために国内を犠牲にしたわけではないはずですが、恍惚と苦悩を同時に味わった不思議なシーズンとなりました。

3シーズン連続となる欧州のチケット獲得で、自らの仕事を何とか守ったモイーズにとって、次なる悩みの種はオフシーズンに就任した新たなディレクターでした。ティム・シュタイテンTDとの確執が伝えられた夏。開幕まで補強ゼロと出遅れながら、エドソン・アルバレス、ウォード=プラウズ、クドゥス、マヴロパノスといった新戦力を押さえ、序盤は順調でした。

前半戦は10勝3分6敗で6位。フライブルク、オリンピアコス、バチュカ・トポラと戦ったELは5勝1敗でTOP通過でした。新戦力をうまく活用し、年末には契約延長交渉スタートといわれていたのですが、指揮官を取り巻く空気は年が明けると激変します。プレミアリーグで6戦連続勝利なし。その後も3勝3分3敗という微妙な戦績で、またもや職を失う可能性ありと報じられています。

「アスレティック」は昨日、スポルティングCPで指揮を執るルベン・アモリムがロンドンに入ったとレポート。デヴィッド・オーンスタイン記者とダン・シェルドン記者は、「アモリム監督は木曜日のトレーニング再開までリスボンには戻らず、ウェストハムの経営ボードと話し合う予定」と伝えています。

2020-21シーズンにプリメイラ・リーガを制し、国内カップも3回勝っているアムリム監督がイエスといえば、デヴィッド・サリバン会長とシュタイテンTDは迷わずモイーズに別れを告げるでしょう。夏にウルヴスとの契約を解消したフレン・ロペテギも候補者のひとりといわれており、現指揮官を留任させる動きはありません。

モイーズ監督の一縷の望みは、ニューカッスルとマンチェスター・ユナイテッドをまくってヨーロッパリーグの出場権を奪取すること。しかし残り4試合がリヴァプール、チェルシー、ルートン、マンチェスター・シティでは、3つ勝つのも難しいでしょう。アモリムとロペテギに断られ、それなら契約延長と風向きが変わる可能性は低そうですが…。

ハマーズを3度も欧州に導き、43年ぶりにトロフィーをもたらした監督は、レジェンドとして称えられるべきでしょう。経営ボードは、「持ち駒を活かして戦い抜いてくれた」と評価しているはずです。ただし、こうも思っているのではないでしょうか。「もっと上をめざすためには、新たな戦い方が必要だ」と。


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