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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

遅すぎたウーデゴーア、間に合ったシェルキ…?絶賛と批判は紙一重だった日曜日の決戦を振り返る。

アーセナルは残り5試合、マンチェスター・シティは6試合。両者ともにすべて勝ってシーズンを終えると、85ポイントで並びます。「得失点差で決まる」と考えると、試合が多いほうが有利ですが、「多くのポイントを落としたほうが負ける」という観点では、少ないほうがリスクが低いといえます。いずれにしても、アルテタもペップも全勝あるのみです。

エティハドの激戦は、2-1でマン・シティが勝利。中盤の主導権を明け渡したアーセナルは、決定機の数では負けていませんでした。ドンナルンマのキックをカイ・ハヴェルツがカットして同点に追いついた後、ウーデゴーアのラストパスでGKと対峙したカイ・ハヴェルツが止められ、エゼのシュートはポストにヒットし、ガブリエウのヘッドも逆サイドのポストに阻まれました。

95分にトロサールのクロスをフリーで叩いたカイ・ハヴェルツの渾身のヘッダーが決まっていれば、試合後のSNSは犯人探しの場にはならなかったでしょう。チャンスを逃したカイ・ハヴェルツや、シェルキとハーランドのゴールに絡んだガブリエウとともにウーデゴーアも槍玉に上がっているようですが、スタッツを見たら評価を変えるグーナーもいるのではないでしょうか。

パス成功41本、チャンスクリエイト4回、ファイナルサードへのパス15本、xA(アシスト期待値)0.33、リカバー7回はすべてチーム1位。キャプテンが牽引するプレスは、これぞアーセナルで、左サイドから中央に入ってくるエゼとの連携は可能性が感じられました。カウンターの重要度が高まった後半の攻防を見て、「ギョケレスがいたらどうなっていたのか」と思いました。

アーセナルが4年連続でプレミアリーグのトロフィーに届かなかったら、「キャプテンの復活が遅すぎた」と書き留めるでしょう。エゼとの共存は、わずか4試合。最前線にラインブレーカーのギョケレスが入り、狭いスペースを使えるエゼ、自在にラストパスを通せるウーデゴーア、単独で決めにいけるサカが揃ったら、いくつかのドローを勝利に変えられたのではないか…。

一方、決戦を勝利で終えたペップは、「シェルキが間に合った」といえます。アーセナルの背中を追い続けた今季は、ベストの布陣を求めて試行錯誤し続けたシーズンでした。開幕当初は4-3-3。ロドリの代役としてニコ・ゴンサレスをアンカーに配し、ベルナルド・シウヴァ、レインダース、フォーデン、シェルキをインサイドで起用する戦い方は、守備力が課題でした。

スパーズとブライトンに足をすくわれ、スロースタートとなったチームは、ハーランドの後ろにドクとフォーデンを配する4-3-2-1にトライした後、4-3-3に戻してマンチェスターダービーを落としています。絶対的エースとセメンヨやマルムシュを組ませる4-3-1-2は、レアル・マドリードには通用しませんでした。現在の4-2-3-1は、4-1-4-1にも見える流動的なシステムです。

ペップがめざしたのは、ウインガーの突破力を活かしつつ、2人のプレーメイカーを共存させる戦術でした。今でこそ欠かせないプレーメイカーに見えるシェルキは、2-1で敗れたニューカッスル戦や、チェルシー戦とスパーズ戦のドローの後に先発から外されています。プレミアリーグで10アシストの10番は、強力な飛び道具であるとともに悩みの種でもあったのです。

遅すぎたウーデゴーアは目に見える結果を残せず、間に合ったシェルキは勝利につながる先制ゴールをゲットしました。彼らの差は紙一重で、ドンナルンマと対峙したカイ・ハヴェルツが決めていれば、違う結末と評価になっていたかもしれません。それでも、「エゼとウーデゴーアがもっと一緒にプレイしていれば」「コンディションが万全なら」という思いは残ります。

ベースの戦術の完成度で勝っていたアルテタは、プラスアルファの戦い方をインストールする機会を得られず(あるいは活かせず)、実証実験に時間を費やしたペップの追撃を許してしまいました。「シーズンが始まってから、戦術をコロコロ変えたら優勝できない」と名将を咎めるためには、サンダーランドやウルヴス、ボーンマスには勝たなければならなかったともいえます。

現地メディアは、ペップに鞍替えしようとする論調が目立っていますが、「スカイスポーツ」のサム・ブリッツ記者はこういっています。「シティの勝利とアーセナルの敗北は、確かに印象的な出来事だが、グアルディオラが得たのはタイトル争いを互角に持ち込む権利だけだ。レースあるいはショットアウトは、始まったばかりだ」。そうです。勝負はこれからです。

マン・シティ戦を切り取ると、「遅すぎたウーデゴーア」といいたくなりますが、残り5試合を勝ち続けてトロフィーを手に入れれば、「間に合ったウーデゴーア」に変貌を遂げます。次なるステージは、ミッドウイークのバーンリーVSマン・シティ。ゴールラッシュで首位が入れ替わっても、ニューカッスル戦に臨むアーセナルの目標は変わりません。ゴール、ゴール、ゴール…!


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