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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

シャビ・アロンソ、マレスカ…プレミアリーグのビッグクラブが若い監督にシフトした理由を考える。

ロベルト・デ・ゼルビとエンツォ・マレスカは46歳。ミケル・アルテタ、マイケル・キャリック、シャビ・アロンソは揃って44歳です。プレミアリーグのビッグ6の監督は、一気に若返った感があります。47歳のアルネ・スロットを解任したリヴァプールは、43歳のアンドニ・イラオラを招聘すると報じられています。

プレミアリーグのビッグ6は、「デロイトフットボールマネーリーグ2026」で、欧州の売上ランキングのTOP10に入っています。5大リーグで実績があるビッグネームや、新進気鋭の監督を招聘するのは難しい話ではありません。バルセロナはハンジ・フリック、アトレティコ・マドリードはシメオネ、レアル・マドリードはジョゼ・モウリーニョと契約間近と報じられています。

コンパニ、セスク、パッラディーノ、セヴァスティアン・ヘーネスなど、世界的に次世代の監督が頭角を現しているという状況はあるものの、プレミアリーグのビッグクラブは極端です。ミケル・アルテタは監督経験なきままアーセナルに戻り、チェルシーと契約を結んだときのマレスカはトップリーグの実績がありませんでした。

マイケル・キャリックは、古巣の暫定監督とミドルズブラのみ。セリエAの下位クラブとシャフタール・ドネツク、ブライトン、マルセイユで指揮を執ったデ・ゼルビと、ラルナカ、ビランデス、ラージョ、ボーンマスのイラオラは、リーグで頂点に立ったことがありません。履歴書でOKといえるのは、ブンデスリーガを無敗で制したシャビ・アロンソだけです。

ペップ・グアルディオラがプレミアリーグに参入した10年前は、錚々たる顔ぶれでした。アーセン・ヴェンゲル、ユルゲン・クロップ、アントニオ・コンテ、マウリシオ・ポチェッティーノ、ジョゼ・モウリーニョ。国内と欧州で優勝をめざすクラブが若手にシフトした理由について、いくつか仮説を並べてみましょう。

ひとつは「ペップブランド」。アルテタとマレスカは、いわば門下生で、本人が無理なら弟子を連れてこようという魂胆のように見えます。アルテタとキャリックが就任したときはチームが混乱しており、「クラブをよく知るレジェンド」というアドバンテージを重視した抜擢でした。さらにもうひとつ、「イングランド人監督のガラパゴス化」もあるのではないでしょうか。

欧州主要リーグといわれるスペイン、ドイツ、フランス、イタリア、イングランドのなかで、2000年以降の代表チームに外国人監督を据えているのは、エリクセン、カペッロ、トゥヘルのイングランドだけです。フットボールの母国出身のベテラン勢は、クラシックなスタイルをキープしている監督が多く、代表の主軸として活躍したレジェンドたちは伸び悩んでいます。

4つめの理由として、「イングランド人選手の移籍金の高騰」も挙げられそうです。新戦力の獲得にお金がかかるため、「監督とスタッフのサラリーを抑えたい」「解任時の違約金リスクを軽減したい」と考えるクラブが増えたのではないかと思われます。背景には、スパーズが引き入れたモウリーニョとコンテなど「ビッグネームの失敗」があるのかもしれません。

最後の仮説は「アルテタの成功」。アカデミー出身の選手と若手中心のリクルーティングで、長期的な強化を推進するモデルで成果が出たことで、チェルシーやスパーズが20代前半に特化し始めた感があります。デ・ゼルビ、ヒュルツェラー、イラオラの抜擢で成功したボーンマスやブライトンも、ビッグクラブの参考資料になっているのかもしれません。

ペップ、クロップ、アルテタのせめぎ合いが全体のレベルアップにつながった感があり、過去10年で7度のCLファイナル進出を果たしたプレミアリーグは、次世代の人材にリニューアルされてからも欧州でトップレベルのクラブを輩出し続けるのでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドも、そろそろ優勝争いに食い込んでほしいのですが…。


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