イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ブルーノ・ギマランイスのアーセナル移籍の舞台裏。メロドラマの結末は最初から決まっていた…!

「私が入団した当時、クラブは厳しい状況にありました。われわれがともに成し遂げたことを、心から誇りに思っています。私はこの場所に心を奪われました。加入した初日から、サポーターのみなさん、チームメイト、エディ(・ハウ)、スタッフ、クラブに関わるすべての方々が、私と家族を自宅にいるかのように温かく迎えてくれました」

「ニューカッスルは私にとって特別な場所で、移籍は本当につらい決断でした。それでも、人生における新しい経験をしたいと思ったのです。自分自身と家族のために、チャレンジする準備ができていました。マティアス・ヤイスレとは、とても前向きに話し合えました。信頼できる人々にクラブが委ねられていると確信して、ここを去ります」

濃密な4年半を過ごしたニューカッスルに別れを告げると決めたキャプテンは、一度もためらうことなく思いを遂げました。彼の強い意思に触れた指揮官は、クラブは何もできないと悟り、退団したいと告げました。70年ぶりのトロフィー獲得に欠かせなかった2人を失おうとしていたクラブにできることは、移籍金のボトムラインを死守するのみでした。

ブルーノ・ギマランイス、アーセナル入団決定。ノースロンドンで契約書にサインした28歳のブラジル代表MFは、自らの移籍について、プレミアリーグを制した監督とクラブの未来を語ってくれたスポーツディレクターの存在が大きかったと振り返っています。移籍の舞台裏を窺うと、2025-26シーズンを12位で終えたクラブに引き留められる可能性はなかったと断言できます。

「最高の気分。とても素晴らしい気分です。この機会をうれしく感じています。(アンドレア・)ベルタやミケル(・アルテタ)と初めて話をした時から、ワクワクしていました。心の奥底で、新たなチャレンジが必要と感じていたのでしょう。アーセナルの選手になることは、私の人生にとって刺激的なチャレンジになると思います」

「2度のワールドカップを経験した今、人生のこの段階において必要なチャレンジです。タイトルを勝ち取りたい。歴史に名を残したい。それを実現するには、最適な場所だと思います。シーズンが始まるのがとても楽しみです。タフな試合が待っているので、チーム全体の結束が極めて重要になります。われわれの夢を叶えられることを願っています」

2022年1月、エドゥ・ガスパールとティム・ルイスからブルーノ・ギマランイスの獲得を進言されたミケル・アルテタは、自らの戦術にふさわしいプレーヤーではないと返したそうです。その後、ニューカッスルに加わったセントラルMFのパフォーマンスは、ガナーズの指揮官の評価を覆しました。タインウェアの関係者が「メロドラマ」と表現した新たな物語の始まりは、6月でした。

今回のディールのプロセスを追跡した「アスレティック」の4人の記者によると、当初はサンドロ・トナーリを狙っていたアーセナルは、ノースロンドンのライバルが高額の移籍金を支払うと知ってレーダーの向きを変えたそうです。最初の話し合いで相思相愛となった彼らは、お互いの強い思いを理解しており、最後まで迷いはありませんでした。

オープニングオファーの速報に触れたときの衝撃を、今でも覚えています。「『アーセナルがブルーノ・ギマランイス獲得で5500万ポンドのオファー』は、ガセネタかドッキリか?」と題したレポートを書いたのは、理詰めのアプローチでターゲットを手中に収めてきた近年のアーセナルらしからぬミスキックに見えたからです。5500万は、どこからどう見てもありえない額です。

アーセナルが激安オファーでノックしたのは、「獲るため」ではなく「知るため」だったようです。1億ポンドを主張し、絶対に売らないといっていたニューカッスルに対して、アーセナルは時間が経てば彼らの態度は軟化すると見切っていました。アンドレア・ベルタSDは、タインウェアと直接話そうとせず、選手の代理人のキア・ジョーラブチアンを介したやりとりを続けました。

ブルーノ・ギマランイスをほしがっているのは明らかなのに、何もいってこないガナーズに対して、マグパイズの経営ボードは苛立ちを募らせていたそうです。憶測が渦巻いていた7月中旬に、決定的な事件が起こってしまいました。自らが巻き込まれる未来を予見したエディ・ハウの退任の申し出も、もはや引き留めるのは無理とすぐにわかる強い意思が込められていました。

7月が終わりに近づいても、アーセナルから具体的な話はありません。ニューカッスルにできることは2つだけでした。ひとつは、売却に積極的と見られないようにすること。もうひとつは、指揮官の退任発表を最悪のタイミングで行わないこと。正式にアナウンスされた7月31日は、ワールドカップで4アシストを記録したMFがトレーニングに合流する予定だった日です。

残留の望みがなくなっていたキャプテンをノースロンドンに直行させず、スペインで行っていたトレーニングに向かわせたのは、せめてもの抵抗だったのかもしれません。6500万ポンドのオファーに対して、ボトムラインと定めていた7500万ポンドを守ったのは収穫といえるでしょう。早々に諦めたくなかった、しかしこれ以上引っ張れなかった…。

中盤のキーマンを手離したニューカッスルは、もう我慢する必要はありません。後釜の獲得を検討中と報じられて、相手に足元を見られる懸念はなくなりました。イサクの騒動で得た教訓を活かすことを強いられた苦悶の夏。レジェンドといえる存在をキャッシュに換えるしかなかった絶望的な状況を知ると、誠実であろうとした元キャプテンの言葉は残酷に見えてきます。

入団が発表された直後、彼の元にデクラン・ライスからメッセージが届いたそうです。「こっちに来てくれ。もうケンカはやめよう。われわれはトモダチだから」。メロドラマはせつない結末を迎え、それぞれの次なるチャプターが始まっています。ノースロンドンもタインウェアも、ハッピーエンドが待っていると信じて動くのみです。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ブルーノ・ギマランイスのアーセナル移籍の舞台裏。メロドラマの結末は最初から決まっていた…!” への1件のフィードバック

  1. minus zero より:

    アーセナル、めちゃくちゃのんびり補強しているように見えますけど、そもそも昨シーズン、オフェンスはスランプと言わないまでも、ディフェンスにだいぶ見劣りする感じで、PL優勝しちゃってる(CLも決勝まで行ってる)わけで、オフェンス力は元通り復元できれば、とくにサカの稼働とウーデゴールの復調すれば、補強の一環(ちょっと往年のベンゲルさんっぽい・笑)ぐらいの認識で、新規戦力で狙ってるのは、それこそブルーノ・ギマランイスとかトップ・オブ・トップだけなのかもですね。

    ヴィシニウスのチェイスも「他、行ったほうがいいのでは?」と思ったんですけど、この文脈だと理解できる。

コメントを残す