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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

勝つのはどっち?「矛・盾対決」マンチェスターダービー、勝負を左右する3つのポイント!

今季プレミアリーグでホーム7連勝のマンチェスター・ユナイテッドと、アウェイ7連勝のマンチェスター・シティの激突は、まさに「矛・盾対決」。チェルシー時代もスタンフォード・ブリッジで無類の強さを見せたモウリーニョ監督は、オールド・トラフォードでも40戦連続無敗のクラブ記録を更新し続けています。最後に敗れたのは、1年3ヵ月前のプレミアリーグ2016-17シーズン4節、やはりペップのマンチェスター・シティ。アグエロが欠場していたアウェイチームが、デブライネとイヘアナチョのゴールでリードを広げ、反撃をイブラヒモヴィッチのボレー1発に抑えて逃げ切った一戦でした。

この夏、両者とも的確な補強で弱点を埋めており、ゴール数はペップのチームが46でプレミアリーグ最多、モウリーニョは35で2位。失点はモウリーニョのチームが9で最少、ペップの10は2位。過去40試合はマンチェスター・ユナイテッドが20勝8分12敗、59ゴール51失点と優位に立っていますが、ペップ就任後の数字を見るとマンチェスター・シティが圧倒的に有利に見えます。

全20クラブで唯一5ケタのパス本数10972本を記録しているペップのマン・シティは、シュートブロック20はリーグ最少、GKエデルソンのセーブ数20も最少、ロングボール655本もプレミアリーグ最下位と「敵陣でパスをまわして過ごす」チームです。一方のマン・ユナイテッドは、デ・ヘアのショットストップ53本はリーグ2位、タックル数205は19位、走行距離はプレミアリーグ最短。最後方で相手の攻撃を受け止めてカウンターやクロス、セットピースでゴールを奪う戦い方を好みます。これらの数字からも、マン・シティがポゼッションを取ってマン・ユナイテッドがカウンター狙いに徹する展開になるのは間違いないと思われます。勝負を左右するポイントとして、「Wプレーメイカーを巡る攻防」「サイドのマッチアップ」「カウンターの成否」の3点をピックアップ。それぞれについて、妄想を広げてみたいと思います。

エミレーツでポール・ポグバがレッドカードを突きつけられ、マンチェスターダービーの欠場が決まった瞬間、モウリーニョ監督はシックスポインターを5-4-1で戦うと決めたのではないでしょうか。リンデロフ、スモーリング、ロホの3バックにマティッチが加わってボックスとミドルレンジを埋め、バレンシアとリンガード、マルシアルとアシュリー・ヤングがサイドで強力なアタッカーをケアする形です。マティッチの相棒は、おそらくアンデル・エレーラ。昨季プレミアリーグのチェルシー戦で、エレーラにアザールをマンマークさせた指揮官が、同じ戦術でデブライネを殺しにかかっても何の不思議もありません。

「われわれは問題があるときは問題があるといい、選手が負傷していればそう話す。私が話すのは常に真実だ。ラカゼットやダヴィド・シルヴァのような話はしない」と語ったモウリーニョ監督は、欠場が噂されるダヴィド・シルヴァは出てくると踏んでいるようですが、ペップが21番の起用を自重するようであれば密着マークはより効果的になるでしょう。デブライネとダヴィド・シルヴァが8アシスト、サネが6アシストとどこからでもキラーパスが入るチームを抑えるのは簡単ではありませんが、ベルギー代表MFをゲームから消せれば接戦に持ち込めるはずです。

デ・ヘアがプレミアリーグタイ記録の14セーブを積み上げたアーセナル戦で、マンチェスター・ユナイテッドが33本のシュートを許したのは、アレクシス・サンチェス、エジル、ベジェリン、コラシナツにサイドを蹂躙されたからです。スターリングとカイル・ウォーカー、サネとデルフに対して、元々は守備のスペシャリストではないバレンシアとアシュリー・ヤングが優位に立つ展開はイメージできません。攻防の焦点は、ボックス脇のエリアです。スターリングやサネがフリーでここに侵入して高速グラウンダーが入るようであればマン・シティの勝ち。両脇のCBとSBで止められるなら、マン・ユナイテッドに勝機が生まれます。

マンチェスター・シティがボールを持つ7割の時間は、プレーメイカーのチェックとサイドでのせめぎ合いに費やされそうですが、残りの3割についても考えてみたいと思います。15試合で失点10、GKのセーブが20しかない堅守マンチェスター・シティを崩すには、「ルカクがフェルナンジーニョを脇に引っ張り、空いたスペースにマルシアル(あるいはラシュフォード)やリンガードが入り込む」「ルカクにロングボールを当て、落としたボールをアタッカーが拾う」、いずれかの形を創るのが最も可能性が高いと思われます。

多くの時間を引かされると想定すれば、速攻に関われるのは基本3人。うまく4人めが入ってこられれば、数的にイーブンとなりフィニッシュの確度が上がります。キーマンは、やはりエレーラ。マティッチとコンビを組むセントラルMFが相手のプレーメイカーを自由にさせず、攻撃時に起点あるいはクロスの受け手として機能できれば、上位5クラブが一緒に喜べる結果で着地することができるのではないかと思います。ルカク、スモーリングなど長身を揃えたセットプレーもうまく活かしたいところですが、191センチのポグバの不在はここでも激痛です。

ブックメーカーでベットするなら1-3でマンチェスター・シティ、願望予想ならマンチェスター・ユナイテッドの3-1。いずれにしても、レフェリーのジャッジや負傷などのアクシデントに左右されない爽快な決着を期待します。ここで完敗なら、今季プレミアリーグ制覇は諦めざるをえません。野党第1党としては、優勝チームを巡る議論を白熱させるためにも勝ちたいのですが、目を閉じると脳裏をよぎるのは、カイル・ウォーカーのオーバーラップ、サネの切り返し、ニアで巧みにボレーを放つガブリエウ・ジェズスなどアウェイチームが躍動するシーンばかり。いやー、心臓に悪い試合になりそうです。どんな決着となるにしても、デ・ヘアが2週続けて相当忙しくなるのは間違いありません。

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“勝つのはどっち?「矛・盾対決」マンチェスターダービー、勝負を左右する3つのポイント!” への4件のフィードバック

  1. ユナイテッド より:

    ダービーはシティ有利な気はしますが、ダービー当日のマンチェスターの天気は大雪の予報。

    ピッチコンディションが悪いことが予想されシティの得意なパスサッカーを封じれるチャンスなのではないかと思います。

    オールドトラフォードでシティに新記録を作られるのは見たくないのでユナイテッドにはがんばってほしいです。

  2. Scholes より:

    ユナイテッドさんの情報、大雪ですか。インテル時代バルサ戦でピッチに水をまかなかったモウリーニョ監督は今度は大雪を・・・!はさておき、ポグバの代わりにはいるであろうエレーラが守備をより固くしてくれることを願います。そこからカウンターの起点となる決定的なパスまで出せれば勝利も狙えるでしょう。今季ここまで輝けていないエレーラの意地に期待しています。とはいえシティ相手に失点0で抑えるイメージはわきません。しかしアーセナルのあの攻撃を1点に抑えた、後方の神が再び立ちはだかってくれるはずです。(前方神はもう少し慣らし運転が必要ですが)

  3. makoto より:

    ユナイテッドさん>
    ぜひ勝ってほしいですねぇ。独走態勢をとめるために。

  4. makoto より:

    Scholesさん>
    前方神の今季1発めがマンチェスターダービーの決勝点という「神話」はいかがでしょうか?(笑)

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