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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×MAN.CITY】レッドカードも怒涛の3発も、仕掛け人はジェレミー・ドク!

プレミアリーグ開幕から5連勝のマンチェスター・シティは、ベストメンバー。迎え撃つリヴァプールの前線は、苦し気な用兵に見えます。アンフィールドで未だ勝利がないイラオラ監督と、リーグ全体を揺るがす大騒動を乗り越えたいマレスカ監督は、どんな展開を想定しているのでしょうか。まずは、両チームの先発メンバーを確認しましょう。

イサク、エキティケ、ショボスライを欠いたレッズは、自陣で耐える時間が長くなりそうです。GKアリソン、DFアラウホ、ジャケ、ファン・ダイク、ケルケズ。2センターにフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めにヴィクトル・ムニョス、ヴィルツ、バルコラ、最前線はルイス・クーマス。ベンチにいるアタッカーは、フェデリコ・キエーザとエングモアだけです。

対するマン・シティは、盤石のひとことです。ドンナルンマ、マテウス・ヌネス、ルベン・ディアス、マーク・グエイ、ニコ・オライリー、エリオット・アンダーソン、エンソ・フェルナンデス、エンディアイエ、シェルキ、セメンヨ、ハーランド。開始2分、フラーフェンベルフのドリブルからのアタックは、ヴィクトル・ムニョスが強引な突破を止められました。

マン・シティがあっさり主導権を奪うかと思いきや、5分を過ぎてもリヴァプールのペースです。6分のアウェイチームのカウンターは、ハーランドへのフィードをジャケがカット。13分に自陣からのドリブルで2人を抜いたフラーフェンベルフが、右サイドに流れたヴィルツに預けると、ニアに入ったグラウンダーはマーク・グエイが冷静にクリアしました。

19分にカウンターを仕掛けたのはラヤン・シェルキ。左サイドでパスをもらったエンソ・フェルナンデスは、緩いリターンをジャケに止められてしまいました。マン・シティがボールをキープすると、地の底から湧き上がるようなブーイング。左サイドのバルコラのチャレンジは、フェイントに動じないマテウス・ヌネスが封じています。

33分、ヴィクトル・ムニョスが右から放ったミドルは、ドンナルンマがキャッチ。35分のセメンヨのパスからシェルキがエンソ・フェルナンデスに落とすと、右足のコントロールショットはアリソンの守備範囲です。ハーランドもクーマスも消えていた前半は0-0。退屈な45分に感じられたのは、両者ともにラストパスの精度が低く、チャンスといえるシーンがなかったからでしょう。

後半立ち上がりの48分、バルコラのラストパスを受けたルイス・クーマスが左足を振り抜くと、ドンナルンマが左に反応してセーブ。49分のフラーフェンベルフのミドルも、ドンナルンマが右にダイブして外に弾き出しました。50分にロナウド・アラウホをかわしたセメンヨの高速グラウンダーは、エンディアイエに着いていたケルケズがクリアしています。

右から中央に出たフラーフェンベルフが、エリオット・アンダーソンをかわしたのは55分。パスをもらったヴィルツがミドルを外すと、左でフリーだったバルコラが両手を広げています。マレスカ監督はこの直後に、エンディアイエをドクにチェンジ。両者ともに縦を急ぐアタックが増え、オープンな展開になってきています。

59分、右からFKを蹴ったのはヴィルツ。ニアに入ったマック・アリスターのボレーは右に逸れていきました。マン・シティの決定機は60分。シェルキの縦のフィードを受けたセメンヨがボックス右に転がすと、アリソンと向き合ったハーランドは左に外してしまいました。62分にドクを止めようとしたフラーフェンベルフに、イエローカード。彼は既に、1枚もらっています。

リプレイを見ると後ろから足がかかっており、ジャッジは妥当でしょう。10人になったレッズは、65分に失点を喫してしまいました。カットインしたドクのシュートがマック・アリスターに当たり、右に流れたボールがハーランドの足元へ。左足の鋭いボレーにアリソンは触れず、ネットに突き刺さりました。イラオラ監督はヴィルツを下げ、ニョニを投入したようです。

マレスカ監督の2枚めは、ニコ・オライリーをグヴァルディオル。68分にムニョスをかわしたドクは、右隅に突き刺す得意のショットでリードを広げました。ドク、エリオット・アンダーソン、シェルキ、グヴァルディオルと、左サイドで短いパスがつながったのは78分。最終ラインに着いていたSBがヒールでシェルキに戻すと、アリソンと1対1になった10番が右足で流し込みました。

フフラーフェンベルフのレッドカードまでのシュートは12対6で、10人対11人になってからは1対9。いや、「MFの退場からシェルキの3点めまで、16分でマン・シティのシュートは7本」といったほうが、ゲームの展開とレッズの敗因をわかりやすく表現しているでしょう。最初のイエローの是非がどうあれ、リーチがかかっている状況で、後ろからのスライディングはリスキーです。

フラーフェンベルフをピッチから消したのはドク。先制のきっかけとなるシュートもドク。追加点もドク。3点めのパスワークの始まりもドク。劣勢を意識したマレスカ監督がそっと仕込んだ「猛ドク」によって、レッズの中盤と最終ラインはしびれてしまいました。そしてもうひとつ、シェルキとヴィルツのパフォーマンスの差も、勝負を分けたポイントといえるでしょう。

ハーランドに決められて0-1となったとき、ニョニを入れて中盤を落ち着かせようとしたイラオラ監督は、後半開始直後のシュートしか見せ場がなかったクーマスではなく、ヴィルツを下げています。プレイの選択肢もパスのタイミングもことごとく外したプレーメイカーに、希望を見出せなかったのでしょう。64本のパスを通し、自ら決めたシェルキとの貢献度の差は明らかでした。

マン・シティが、サポーターがいるアンフィールドで勝ったのは23年ぶり。オアシスのロゴのフォントで「cheats(不正行為)」と記されたフラッグを掲げ、ブーイングを浴びせ続けたサポーターたちは、ペップの時代にも味わったことがない悪夢の夜を過ごしました。イラオラ監督は、すぐにチームを立て直せるでしょうか。次節の相手は、未だ無敗で4位のブレントフォードです。


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