2026.10.20 マンチェスター・シティの話題
マン・シティがめざすのは逆転か、延長戦か?現地メディアが報じた控訴審の争点と勝利条件。
マン・シティが主張する「反論の余地のない証拠」については、信頼性が高いといわれるメディアの見解は一致しています。大量のメール、レター、領収書、アブダビ政府の記録、銀行の取引明細書。「エティハド航空とのスポンサー契約において、資金を提供したのはアブダビ政府であり、オーナーのシェイク・マンスールではない」と証明するための材料です。
「BBC」の記者は、企業の経営や財務に関する訴訟に詳しい弁護士の意見を紹介しています。ロンドン弁護士訴訟協会(LSLA)の会員であり、ペニントンズ・マンチェス・クーパー法律事務所のパートナーであるジェームズ・セヴァーン氏は、「シティは委員会の決定に影響を与えた重大な誤りか、手続き上の深刻な不正を特定する必要がある」といっています。
「問題となっている資金がオーナーではなく、アブダビ政府から出たものであることを明確に示す監査の証跡があれば、強力な証拠になりえます。しかしそれらが既に委員会に提出されており、調査のうえで偽装と結論付けられたのであれば、ジャッジが重大な誤りであると立証するのは極めて困難な闘いになるでしょう」
「独立委員会がメールの内容を根本的に誤解していたり、適切な文脈を考慮していなかったり、他の文書と矛盾する結論に達しているとシティが証明できれば、重大な誤りとされる可能性があります。シティにとっての難点は、独立委員会が多様な証言と文書を精査したうえで、偽装取引やオーナーによる資金提供があったと認定していることです」(ジェームズ・セヴァーン)
「テレグラフ」の記者たちが整理した争点に目を通すと、マン・シティの主張は「独立委員会は証拠を見落とした」であって、新たな資料が提供される可能性は低そうです。「委員会は流出したメールに依存しており、直接的な証人をひとりも出していない」と指摘し、アブダビ政府が発行した文書や24人の証言を含む証拠の再審査を要求すると見られています。
これらについては、既に独立委員会が「クラブが偽装資金提供スキームの実態を隠蔽するために、事件後かなり経ってからでっち上げた説明であると結論付けた」としています。このレポートに対して、「法律、原則、事実において明白な重大な誤りが含まれており、その結果として得られた結論は不当である」とする証拠を出さなければ、「逆転勝訴」は難しいでしょう。
マン・シティが全面勝訴をめざすなら、「独立委員会の違法・不正を指摘して、調査に対する非協力・妨害行為を問うことを無効にする」しかなさそうです。ペナルティを軽くするには、「8億3000万ポンドを超える多額のフィーは、アブダビ政府という正当なスポンサーからのものである」ことを立証しなければなりません。
今季のペナルティを回避するためには時間稼ぎが必要で、控訴審を長引かせたうえで制裁審問会による裁定に対しても控訴するのが最善策です。マン・シティの弁護団は、おそらく全面勝利は困難と考えており、ペナルティの軽減と先送りの両方をめざすのではないかと思われます。控訴審は、順調に進めば1月21日までに結審します。今後の成り行きを追いかけたいと思います。
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