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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Sunderland×Arsenal】メスト・エジル登場!プレミアリーグデビュー戦は最高の自己紹介!

前半11分、ジルーに出したラストパスは、プレミアリーグファンとグーナーに向けての最高の自己紹介。サンダーランドとアーセナルの一戦に、風邪で出場が危ぶまれていたメスト・エジルが間に合いました。後ろからのロングパスを、ほぼトップスピードで走りながら柔らかいトラップで最高の位置に落とすと、中にパスを出させまいとするDFの股間を抜く完璧なパスをフィード。センターを走っていたジルーは、左足手前に見事に合わせてきたボールを、ゴールに蹴り込むだけでした。いきなり1-0。ホームチームは、別世界のクオリティを見せる敵の新戦力に、危機感を高めたに違いありません。

前半は、まさにエジルの独演会でした。2つのパーフェクトなスルーパスでウォルコットをGKと1対1にさせ、両サイドに出没し、攻撃のリズムを作ります。シンプルで手数の少ないパスワークで前へ前へとチームを動かしていくロシツキと違って、エジルの持ち味はパスやランの緩急です。確実にボールキープしたいときには優しいボールを味方の足元に出し、縦に抜けるチャンスと見るや、敵のDFを一発で置き去りにする速いボールでジルーやウォルコットをフリーにさせます。ゲームメイカーがこれだけのチャンスを作ったのなら、アーセナルは前半で勝負を決めなければいけませんでした。前半を0-1の最少得点差で折り返し、ゲームをおもしろくしてしまったのは、世が世ならハットトリックを達成していたウォルコットが、ことごとくフリーのシュートを相手GKウエストウッドに当てたからにほかなりません。前半終了間際のウィルシャーのピンポイントクロスも、何をやってもいまくいかなかった14番がヘディングシュートを枠に飛ばせず、ホームチームは望みをつないでハーフタイムを迎えます。

後半開始直後の48分、ガナーズの大量得点の予感漂うゲームの流れを変えたのは、サンダーランドのFWではなく、主審のアトキンソン氏です。ペナルティエリア右からドリブルで侵入してきたアダム・ジョンソンにスライディングで対抗し、確実につま先でボールに触れていたコシールニーにファールの判定が下され、ガードナーがPKを簡単に決めて試合は振り出しに戻ります。これで勢いのついたホームチームは、勝ち越し点を奪うべく、怒涛の反撃を開始。59分にはフレッチャーのシュートがGKシュチェスニーを破るも、オフサイド。直後にFKがゴールポストに当たり、チ・ソンヨンがあと数センチでゴールというシーンを作りますが、これもラインズマンの旗に助けられます。病み上がりエジルは、この時間になるとすっかりお疲れモードで、中盤でボールを奪われる場面が目立ってきます。ペースを握るのは、確実にサンダーランドです。

このピンチからチームを救ったのは、開幕から好調のアーロン・ラムジーでした。67分、右サイドでフリーになったジェンキンソンのグラウンダーを、中央から有無をいわせぬダイレクトボレーで決めてついに勝ち越し。76分にも、エジルに預けて縦に走ったラムジーに、11番からの縦パスを受けたジルーが左足のダイレクトパスを通すと、裏でフリーになったラムジーがGKの動きをみて右隅に流し込み、1-3。思いのほか時間がかかりましたが、終わってみれば順当な勝利です。これをもって、チェルシーとリヴァプールの結果待ちではあるものの、久しぶりの暫定首位!開幕戦で、アストン・ヴィラに3発喰らって黒星スタートしたチームが、ケガ人だらけのなか、3連勝を決めて優勝候補の一角に名乗りをあげました。

サンダーランドからすれば、勝ち越された直後の70分、「幻のゴール」を取り消された場面にはモノ申したいところでしょう。アルティドールの突破をサニャが止められず、体をつかんで抑えにいったのをみて、レフェリーはファールを告げる笛を吹きます。しかし直後、アルティドールはサニャを振り切って右足でゴール。当然これは、笛が先なので同点は認められませんでした。Jスポーツでも何度もこの映像をリプレイで流していましたが、ホームチームからすれば「なぜアドバンテージをとらないんだ」といいたいところ。個人的には「あれだけ長い時間、サニャが体を抑え込んでいたのだから笛は妥当。ただし、カードは黄色ではなく赤」だと思いますが、アーセナルにとってはありがたい判定となりました。

ところで、今回の写真ですが、グーナーである相方が、2日かけて作った「エジル人形」です。アーセナルのファンサイト「Goonersphere」に組み立てキットがUPされています(メルテザッカーもあります!)。今日のハイライトは何といっても、初めてプレミアリーグに降り立った天才ゲームメイカーが見せた至高のパスの数々でしょう。ここにカソルラ、ロシツキ、アルテタが戻ってきたら…考えただけでもワクワクしますね。今季のアーセナルは、最後までプレミアリーグを争うチームになるかもしれません。いや、もしかしたら…。

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