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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Chelsea】チェルシー失速…速攻かポゼッションか、模索が続くモウリーニョ戦術

ここぞというチャンスをしっかり活かしたチームが、攻め続けたにも関わらずシュートをことごとく外したチームに勝ってしまう。サッカーにはよくあることです。「われわれには数多くのチャンスがあったが、得点を決められなかった。サッカーの世界で経験がある人なら、こういったことが毎週どこかのスタジアムで起こっているのを知っているだろう」とモウリーニョ監督が語ったとおり、格上といわれるチームが負ける方程式にはまったチェルシーが1点をどうしても奪えず、エヴァートンにプレミアリーグ今季初勝利をプレゼントしました。

前半の入りは、圧倒的なチェルシーペース。4分にエトーがDFの裏から顔を出し、クロスをドンピシャのヘッドで叩いた瞬間、さっそく先制かと思いましたが、シュートはわずかにゴールマウスの上。この後、すべてのシュートがゴールラインを越えないとは、とても想像できない滑り出しです。8分のイエラヴィッチのヘディングシュートが惜しくもチェフの好セーブに阻まれるなど、エヴァートンにもチャンスはあるものの、あくまでも単発のカウンターのみ。ボールポゼッションのチェルシーと、カウンターのエヴァートンの図式は変わりません。チェルシー最大のチャンスは、28分にエヴァートンGKハワードがパスミスを犯し、ゴール前にこぼれたボールにエトーが反応したシーン。フリーでゴールに流し込むだけにみえたその足元に、必死で戻ったギャレス・バリーが滑り込み、シュートを足に当ててことなきを得ます。

エヴァートンにあってチェルシーになかったものは、こういった必死さと集中力だったのかもしれません。前半終了間際のエヴァートンの先制ゴールは、右からのクロスの精度が高かったことよりも、チェルシーDF陣の集中力のなさが失点につながったものでした。中央から右にパスが出てロングクロスを上げられるまでの10数秒間、逆サイドでフリーで待っていたイェラヴィッチに、マークすべきイヴァノヴィッチをはじめ誰も気づかなかったことが、彼のヘディングの折り返しとネイスミスの決勝ゴールを許す原因になってしまいました。

後半も、攻めるチェルシー、守るエヴァートンでしたが、ゴールの匂いがするチャンスの数はほぼ互角。エヴァートンは、前線のイェラヴィッチ、ネイスミス、ミララスの運動量が素晴らしかったですね。チェルシーは、ターンオーバーでスタメン起用されたマタ、ミケルのコンディションが悪く、シュールレとアザールもプレイの精度を欠き、ムダなドリブルが目立ちます。当然、入ったばかりのエトーにもコンビプレイは期待出来ず、ラミレスが絡まないと効果的に攻められない状態でした。

モウリーニョ監督は、この課題を認識していたのでしょう。後半、本当は出したくなかったはずのランパードとオスカルを投入し、ドリブルが多くてリズムとスピードに欠けるマタとシュールレを外します。さらに残り20分にはF.トーレスをSBのアシュリー・コールとスイッチし、前がかりなフォーメーションで勝負に出ますが、選手交代はすべて空振り。前線は不必要に混み合い、薄くなったバックラインはミララスやネイスミスを自由にさせるばかりで、後手を踏んだDFがファールを連発。レイトン・ベインズにあわや追加点というFKでゴールを脅かされるなど、完全にホームチームの術中にはまりました。最後は波状攻撃をかける勢いもなく、タイムアップ。これで、モウリーニョ軍団は2試合連続ノーゴールです。

実はチェルシーは、開幕戦以外はちぐはぐです。アストン・ヴィラ戦はベンテケとアグボンラホル、ヴァイマンの3トップに手を焼き、マンチェスター・ユナイテッドの前からのチェックに苦しみ、そしてこの日のエヴァートン。F.トーレス、アザール、シュールレなど自分で持ち込むタイプの選手が多く、相手陣内にスペースがあって速攻で仕掛けられるときはいいのですが、ボールを持たされるとコンビネーションやパスで崩す戦術に乏しいため、攻撃が単調になります。ボールを支配して攻めるならマタ中心に戻し、オスカルとラミレスを攻撃に絡ませ、ダヴィド・ルイスを中盤に上げるなどでパスの配給元を確保。シュールレを活かして速攻主体とするなら、もう少し相手を自陣に呼び込むようにするなど、何らかの工夫が必要ですね。

これで、4節を終えてまだ敗戦がないのは、この日勝ったエヴァートンと月曜日に4試合めを残すリヴァプールのみ。もしリヴァプールが負ければ、勝ち点2差のなかに8クラブがひしめく大混戦となります。トップ4のうち、3クラブの監督が交代となった今季のプレミアリーグですが、変化が多いシーズンは、序盤のジャイアントキリングが増えて混戦になりがちです。果たして、抜け出すのはどこでしょうか。このところ、タイトルから遠ざかっていたアーセナルやリヴァプールが走り、プレミアリーグ王者を分け合っていたマンチェスター勢やチェルシーが追いかける展開になればスリリングです。(スティーブン・ネイスミス:写真著作者/Alasdair Middleton フランク・ランパード:写真著作者/Aleksandr Mysyakin)

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“【Everton×Chelsea】チェルシー失速…速攻かポゼッションか、模索が続くモウリーニョ戦術” への5件のフィードバック

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