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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「すべては勝利のために」…指揮官を救ったポグバの言葉、選手に届いてほしいルーニーの言葉。

「ジョゼが週末に素晴らしい結果を出せたのは大きかった。マンチェスター・ユナイテッドのマネージャーには時間が必要だ。ジョゼには時間が与えられていると信じている。彼は勝者であり、それを証明するために邁進するだろう」。エースとボスの確執報道以来、何かと記事になるマンチェスター・ユナイテッド。デヴィッド・モイーズがニューカッスル戦の勝ち点3を称賛すると、フランス代表監督のディディエ・デシャンは「ポグバとモウリーニョの関係は大げさに伝えられている」とコメント。クラブOBのルイ・サハは「意図的なパブリックコメントを出すのはやめるべき」と、SNSで強いメッセージを発信するポグバを諫めています。「ロンドンに雨が降れば私のせい。Brexitの合意に問題があっても私のせいだ」と、ホームで久々の勝ち点3に饒舌だったモウリーニョ監督は、試合後に暴言を吐いた疑いでFAに調査されており、クラブに平和が訪れる気配は未だありません。

プレミアリーグ4勝1分3敗、ボーンマスとウルヴスを見上げる8位。ニューカッスル戦の逆転劇は素晴らしかったものの、たった20分の覚醒であり、プレミアリーグ18位のクラブを相手に、オールド・トラフォードなら当然の勝ち点3をゲットしただけです。前日朝8時の短いプレスカンファレンスから、勝利までの顛末を描いた「マンチェスター・ユナイテッドのマネージャーが乗り込んだ36時間のジェットコースター」という記事の筆者である「BBC」のサイモン・ストーン記者は、「プレッシャーは緩和されたのか?いや、息をつく隙間を得ただけだ」と現状を表現。プレミアリーグ9節のスタンフォード・ブリッジで大敗すれば、メディアは再び解任のカウントダウンが始まったと煽るに違いありません。

さまざまなゴシップに心を揺さぶられていた私を、ポジティブな気分にしてくれたのは、かつてのキャプテンの言葉でした。ウェイン・ルーニー、プレミアリーグ491試合208ゴール。エヴァートンからDCユナイテッドに移籍し、先頃のシカゴファイアー戦で2ゴールをゲットしたストライカーは、「テレグラフ」のインタビューに対して「ジョゼがスケープゴートにされている」とコメント。選手が戦わなければ、指揮官はその犠牲になるしかないと主張しています。

「選手と監督にとって、今季は厳しいスタートだった。ジョゼが批判されているのは知っている。でも、選手たちが立ち上がるべきだ。マネージャーも多くのことをできるけど、ピッチの上は選手のチョイス次第だからね」「ルイス・ファン・ハールが率いていたとき、彼もかなり批判されていたけれど、私はロッカールームで“自分たちがやらないと“と伝えていた。彼はわれわれを素晴らしく仕上げてくれたけど、ピッチの上まではプロデュースできない」

今のマンチェスター・ユナイテッドに足りないのは、強いキャプテンシーなのだとあらためて気づかせてくれるメッセージでした。私は、ポグバとモウリーニョ監督のどちらが正しいのかを争うことに興味はありません。大事なのは、「これからどうするのがいいのか」です。今のチームを劇的に変えてくれる可能性が最も高いのは、最も勝利を求めているポール・ポグバと、何があってもベストを尽くせるマルアン・フェライニではないでしょうか。

ニューカッスル戦のハーフタイムに「フェライニを入れて自分が下がればいい」と、モウリーニョ監督に助言した6番は、最強の数字を残しました。タッチ数111、パス本数78、6本のシュート、15のデュエル勝利、スプリント14回はすべてチームTOP。10回のボール奪取と11.5kmに及ぶ走行距離はいずれも2位です。「私たちは心を開いて、戦術について2分間話し合った」と述懐したモウリーニョ監督にとって、同じ目標に向かってピュアに語り合ったポグバとのコミュニケーションは、目の前の勝利以上に大きかったのではないかと想像します。

ルーニーの言葉を聞いて、ニューカッスル戦の彼の姿を思い出しました。最終ラインからロングフィードを出しまくった後、マタのFKが決まってからは、左からも右からもボックスに侵入し、マルシアルやアシュリー・ヤングを動かした鬼神のようなプレイを。「監督ジョゼ、主将ポール」。これこそが、停滞するチームを蘇生させる唯一の手段のように思えてなりません。劣勢に立たされそうなスタンフォード・ブリッジのハーフタイムに、2人はどんな言葉を交わすのでしょうか。今季最高のアザールを要する優勝候補を相手に選手たちが躍動し、貴重な勝ち点3をゲットできれば、新たな世界が開けるのではないか…。ファーガソン時代を彷彿とさせる怒涛のアタックを、チェルシー戦でも見せてほしいと切に願っています。

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“「すべては勝利のために」…指揮官を救ったポグバの言葉、選手に届いてほしいルーニーの言葉。” への2件のフィードバック

  1. サンドバッグ より:

    更新、有難うございます。
    モウさんとポグバの確執と和解→チェルシー撃破→奇跡の連勝→プレミア制覇、となれば素晴らしい結末ですが・・・
    いずれにしろ、チームが結束して前に進んで欲しいですね。あまりにフットボールと関係のない話が多すぎました。
    泥仕合の果てに辞めるという最悪の事態は脱したようです。

    —–
    モウリーニョがこのまま監督を続けると、マルシャル、ペレイラ、トゥアンセベ、メンサー、タヒス、ゴメス、そして何より期待の星であるラシュフォードらの若手の成長が著しく鈍化しそうに思えてなりません。
    何故かいきなり覚醒したリンガードと、まだまだ過去の頂点には達していないけれど反骨精神(?)を発揮しているショー、あとは中途半端に使われこのまま中途半端に終わりそうなマクトミネイ。。。丸2年を過ぎたモウリーニョの若手育成の成果は、お寒い事にただそれだけです。

    全く意味の分からないシュバインシュタイガー(とシュナイデルランも、かな)の凍結冷凍・無条件放出。
    そして間違い無くチームの心臓であったルーニーをFW固定に使うと宣言して、その位置では下降線を辿っていた優秀なるMFにして精神的な支柱を簡単に放出してしまった愚かさ。
    ユナイテッドでのモウリーニョ政権には、ただ一言『ガッカリした』と言うしかありません。
    『EL制覇に、どれほどの価値を見るか?』 その答え次第で彼への評価は分かれるのでしょうが、、、個人的には、ファンハール以下の最悪の部類に入る監督であると思います。

  2. かーど より:

    確かに若手育成の面でモウリーニョが成果を出したとは言えませんが
    シュバイニーとルーニー対してはやり方はともかく放出したのは正解だと思いますよ(飼い殺しにするならそれこそ彼等への敬意が最も欠けてます)

    レアルでのカシージャスやチェルシーでのトーレスもですけど彼が冷遇するベテランは衰えが著しい選手達で実際に2014w杯や2016ユーロで戦犯もしくは役立たずとされるパフォーマンスをしてしまってました。加えて彼等に共通してそのクラブ在籍の最後の2年は良かったとは言えない出来でした

    いかにワールドクラスのベテランであろうともパフォーマンスが悪いなら取って変わらせなければ強豪クラブは成り立たないですよ

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