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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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香川、ルーニー、ファン・ペルシは何処へ…マンチェスター・ユナイテッドが欧州を失ったとき。

15試合で、6勝4分け5敗。直近、プレミアリーグでは、オールド・トラフォードでエヴァートンとニューカッスルから1点も奪えず連敗していることを鑑みれば、日曜日のアストン・ヴィラ戦ですら勝てる見込みなどどこにもありません。マンチェスター・ユナイテッドは、監督が変わって半年も経たないうちに、別のチームのように脆弱になってしまいました。

数字を見ると、失点は少ないほうから数えて9番めで、17位のウエストハムと同じ19失点と守備に脆さがあるのは明らか。得点のほうは、上から6位の22得点ですが、プレミアリーグ上位4チームがいずれも30点以上を挙げており、こちらも大きく水をあけられています。22得点のうち、ルーニーが8点、ファン・ペルシが7点で、それ以外の選手では7点しか獲れていません。よく、チェルシーサポーターが「FWの得点を全部足しても4点にしかならない」と、デンバ・バやF.トーレス、エトーに非難の目を向けますが、われわれからすれば、アザールとオスカル、ランパードの3人で、ルーニー、ファン・ペルシと同じ15点を稼いでいるのに何が不満なのだろうと思ったりします。ここはお互い、ないものねだりなのでしょうね。

さて、そんなわけで、4位まで7勝ち点差のマンチェスター・ユナイテッドは、もう待ったなしの状況です。仮に今季、チャンピオンズリーグ出場権を獲得できないなどということが起これば、ワールドカップが終わった後、主力の流出が続出してしまうでしょう。

欧州を失ったとき、出ていきそうな順番に選手を紹介していきましょうか。まずは、契約が残り18ヵ月となったにも関わらず、更新の意向を見せていないウエイン・ルーニーが、先陣をきってモウリーニョの元へ駆け込むでしょう。2番手は、香川真司です。ルーニーとファン・ペルシ、そして誰よりもモイーズ監督がいる限り、トップ下のポジションを信頼してまかせてもらえないマンチェスター・ユナイテッドに彼がこだわる理由があるとすれば、「チャンピオンズリーグで活躍したい」という強い思いのみです。来季、自身がその舞台に立つ可能性がないとなった瞬間に、復帰を宣言すればムヒタリアンを外してでもトップ下を空けてくれそうなクロップ監督を頼って、古巣ドルトムントに舞い戻っていくでしょう。

そして、 3番手はロビン・ファン・ペルシ。彼が、チャンピオンになるための努力が足りないと見做したチームに長居する選手ではないことは、マンチェスター・ユナイテッドサポーターよりもグーナーがよく知っているでしょう。行き先は、スアレスとの兼ね合いがありますが、レアル・マドリードかバルセロナではないでしょうか。チャンピオンズリーグ優勝という、まだ見ぬ栄光を求めて新しい挑戦をするのであれば、スペインの2強がふさわしいと考えるのが自然だと思われます。

4番手以降では、「出場機会を求めて」という、3人とは別の動機で移籍しそうなチチャリート、チームの扱いに不満があるであろうナニとアンデルセン。そして、そろそろいい歳で、第一線で体を張るのも潮時と判断して故郷へ帰りそうなエヴラとヴィディッチ。さらには引退のタイミングを読み始めていそうな40代プレミアリーガーのギグスと、満身創痍のリオ・ファーディナンド。クラブが欧州のトップを狙えなくなったという事件を、自らを変えるきっかけと考えてもおかしくない選手が、ざっと挙げるだけでもこんなにいるのです。いや、怖ろしい。

チャンピオンズ出場権がなくなったとき、いちばん怖いのは、大物選手が獲得できなくなることではなく、主力選手の流出です。仮に外からいい選手が来なくても、中心選手さえ残れば翌シーズンもそこそこ戦えますが、エース級が離脱すれば、今まで機能していた戦略・戦術を大きく変えることを余儀なくされます。そうなると当然、かかるコストは膨大で、チャンピオンズリーグ出場分の収入減とのダブルパンチを喰らうわけです。その厳しさは、現在のACミランやインテルを見れば、想像がつくのではないでしょうか。

わがマンチェスター・ユナイテッドに望むのは、なりふり構わず手段を選ばず、4位を死守してほしいということです。返す返すも、サー・アレックスの引退は、少なくとも1年、早かったですね。香川真司というシンボリックな存在を獲得した理由は、サイド攻撃を基本とするオーソドックスなイングランドサッカーから脱却して、コレクティブなパスワークでゴールを陥れていくヨーロッパで勝てるサッカーにシフトするためだったはずです。それが未完成のまま、イングランドサッカーをずっと実践してきたコンサバな後任にバトンタッチしたのは、サー・アレックスのキャリアにおける最大の過ちだったのではないかと思います。

最後に、ひとつだけ。本田圭祐は、ACミランにいくよりも、もう半年我慢してでもマンチェスター・ユナイテッドを狙ったほうが賢かったかもしれません。両者とも、来季のチャンピオンズリーグの出場権を失うピンチに直面しておりますが、仮にそうなったとしても、プレミアリーグの名門チームのほうは、まだまだ金庫が重いので勝つための補強はするでしょう。あなた自身の移籍金をケチるようなクラブが、来季、セリエAを戦うためだけにお金を使うでしょうか。それとも、香川真司の後釜は嫌ですか?おせっかいではありますが、しばらく低迷しそうな船に乗り込む日本代表のエースが少し心配です。

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“香川、ルーニー、ファン・ペルシは何処へ…マンチェスター・ユナイテッドが欧州を失ったとき。” への2件のフィードバック

  1. プレミア大好き! より:

    ペルシを今更バルサやレアルが欲しがるとは思えないですね。
    年齢や立ち位置が微妙すぎます。
    ユーベやフランスの富豪チーム、もしくはトルコ辺りが現実的な路線かと。
    あくまでCL優勝を夢見るならシティなんてこともあるかもしれませんね。
    こうなったらグーナーとレッドデビル双方から恨まれる一級品のヒールになるのも面白いです。

  2. makoto より:

    プレミア大好き!さん>
    バルサは昔から、30歳のアンリ獲ったり33歳のラーション獲ったり、比較的に年齢にはこだわらないクラブ。レアル・マドリードは大物好きで、それなりに点獲っているベンゼマですら不満だといっているので、スアレスが獲れなかったら手を伸ばす可能性あり。要は、ギャラを含め条件次第(単年契約のありなし、レギュラー争いを受け入れるか、等々)だと思われます。

    マンチェスター・シティは、自らが強かったテベスのときと状況が違うので、マンチェスター・ユナイテッドが出さないのではないかと思います。

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