アーセナル、精一杯のドロー…2年連続でバイエルン・ミュンヘンに及ばず、無念の敗退!
ウィルシャーをケガで欠いたアーセナルは、センターMFにはアルテタとチェンバレンが並び、その前にポドルスキ、エジル、カソルラという布陣。バイエルン・ミュンヘンには緒戦を欠場していたリベリーとシュバインシュタイガーが復帰しています。試合は静かな立ち上がり。先にチャンスを得たのは、ホームのバイエルン・ミュンヘンです。3分にセンターMFのシュバインシュタイガーが自分で持ち込み、ミドルシュート。これをきっかけに、ゲームは一気にバイエルンのペースになります。
この日の彼らを観ると、よりバルセロナの守り方に近くなっているように感じました。アーセナルが最終ラインでボールを持つと、相手のペナルティエリア付近までマンジュキッチやロッベンが追いかけます。アーセナルは、右サイドのエジルにボールが渡るとすぐに囲まれ、ジルーのポストプレイも複数でつぶされ、チェンバレンのドリブルしか攻め手がありません。17分にはポドルスキが左サイドを突破してCKを得ますが、このチャンスも活かせず。とにかく早い時間の先制ゴールがほしいアウェイチームでしたが、エジルとカソルラがまったく機能しません。
26分、バイエルンはFKからハビ・マルティネスがボレーを決めるも、これはオフサイド。29分にはチェンバレンがまたもドリブルで中盤を縫うように進み、4人をかわしてペナルティエリア外まで侵入。バイエルンはCKに逃げ、このCKからジルーが前半唯一のゴールチャンスとなったヘッドを放ちますが、左隅に飛んだボールは弱く、ノイヤーが落ち着いてキャッチ。30分からは完全にバイエルンの時間で、アラバ、ロッベン、マンジュキッチ、ゲッツェが次々とシュートを浴びせ、GKファビアンスキは息がつけません。
結局、0-0のままハーフタイム。プレミアリーグでは常にポゼッションをとるガナーズは自分たちのサッカーができず、何らかの明確な変化を起こさないと劣勢を打開できません。珍しく、後半頭からヴェンゲル監督が動きます。何もできなかったエジル、アウト。代わって入ってきたのは、精神的にタフなベテラン・ロシツキです。
後半に入ると、アーセナルがやっと攻勢に入ります。ロシツキがつなぎに入り、シンプルにボールをさばくことで、ようやく中のカソルラ、左のポドルスキにボールが渡るようになります。ところが先制したのはホームのバイエルン・ミュンヘンでした。54分、リベリーが左を突破し、浮き球のラストパスをコントロールしたフリーのシュバインシュタイガーが、中央から文句なしのシュートでGKファビアンスキの左を破ります。前回いなかったふたりによる、電光石火の速攻!これで、トータル3点差。プレミアリーグは、ブンデスリーガにまったく歯が立たなくなってしまったのか…しかしここで意地を見せてくれたのが、ラームとのマッチアップをイーブンに戦えていたポドルスキでした。1点を先行された直後の57分、左サイドでラームとの競り合いに勝ち、フリーでゴール左の角度のないところまで持ち込むと、GKノイヤーの右肩を抜く強烈なシュート!これで同点。残り30分で2点なら、可能性は充分でしょう。
しかし残念ながら、ここからの30分は、お互いのよさをつぶし合って膠着する時間となってしまいました。アーセナルのチャンスは、63分にロシツキからジルーとつながったシーンと、67分にGKノイヤーのパスミスを右サイドで拾い、ゴール前に飛び出したロシツキに合わせたシーンぐらい。これらはいずれもシュートに至らず、ペナルティエリア付近で前を向いてボールを持てるシーンがほとんどありません。バイエルン・ミュンヘンは、68分に左からのクロスの落としに反応したマンジュキッチがフリーでシュートを放ちますが、GKファビアンスキがビッグセーブ。88分、交代で入ったニャブリのミドルは枠を大きく外れ、いよいよアーセナルは敗色濃厚です。
最後のハイライトシーンは90分、バイエルンに訪れました。これまでも何回か、あからさまなロッベンのダイビングをカードを出さずにスルーしていたレフェリーが、コシールニーとロッベンがもつれると、すかさずPKを宣告。微妙なジャッジでしたが、レフェリーにPKといわれれば、アーセナルサポーターは手を合わせて祈るしかありません。トマス・ミュラーのシュートは正面、ファビアンスキが体を張ってストップ、勝ち越しならず!この後、セーフティリードをもらうと気を抜くバイエルンの悪いクセが出て、パスミスからアーセナルがチャンスをつかみますが、4分しかない追加タイムではゴールに届きませんでした。そして、無念のタイムアップ。トータル1-3。プレミアリーグファンとグーナーの期待を受けたアーセナルは、今季もバイエルン・ミュンヘンに及ばずベスト16で姿を消しました。
バイエルンが完全に優勢で、アーセナルは攻撃の形を創れずじまいでしたが、この日ぐらいの接戦を2試合揃えることができれば勝ち抜けのチャンスはあったと思います。返す返すもファーストレグのGKシュチェスニーの退場が激痛でしたが、今思えば、エミレーツで左SBギブスが負傷退場したとき、入れるべきは不安定なプレイが続いていたモンレアルではなくヴェルマーレンでしたね。アーセナルでキャプテンを務める背番号5は、この日はロッベンに決定的な仕事をさせず、しっかり役割を果たしたのではないでしょうか。いや-、悔しい!今日の夜は、カンプ・ノウにプレミアリーグ勢2チームめのマンチェスター・シティが登場しますが、不振のバルセロナから3点奪えるでしょうか。いつもながら、チャンピオンズリーグがあると、明け方からハイテンションで日が昇り切った頃にはフラフラですね。しかし、悔しい。そして、眠い。(バスティアン・シュバインシュタイガー 写真著作者/Илья Хохлов)
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よくやったとおもいますけどね。
むこうはほぼベストメンバーでこっちはラムジー、シェル、ウォル、ウィル、サノゴ、ベントナー、モンレヤル、ギブスがいなくて敵地でドローですからね。
まぁ点差以上の力の差がありましたがボコられなくてよかったです。
エジルもハムやっての交代らしいのでほんとこれからの連戦心配でなりません。
ガナさん>
おっしゃるとおり、がんばったと思います。「アーセナルが今回、ケガ人が多かった」という論でいうなら、シュバイニーとリベリーがいなかったエミレーツでは、やはり最低でもドローに持ち込まないといけなかったですね。
エジルの補強って効果あったんですかね?
実質上、現在プレミアリーグは定位置の四位ですし・・・
FAカップはとれそうですが、アーセナルの規模からすれば取れても大した偉業ではないですよね。
カップタイトルならスウォンジーやウィガンですら取ってるわけです。
今までがおかしかったんですよね。
ぶっちゃけアーセナルはプレミアリーグやCLのタイトルを狙う"べき"クラブだと思いますか?
優勝できないのはベンゲルの責任なのかどうかはそこによると思います。
まぁシーズンが終われば判断できそうですが
更新お疲れさまです
いない選手の事を言っても仕方ないですが、ウィルシャー、ウォルコットがいればもっと可能性はあったと思います
今日のチェンバレンやエミレーツでのウィルシャーを見る限りバイエルンの厳しいプレスなど組織に一番効果的なのは個の突破なのかもしれませんね
プレミアのためにも明日のシティ、来週のチェルシー、ユナイテッドにはなんとか頑張ってもらいたいです
あああさん チェルシーさん>
エジル獲得効果はあったと思います。前半の快進撃における彼の影響は大きかったという評価です。現在はやや苦しんでいますが、プレミアリーグに慣れれば絶大な信頼がおかれる可能性は大でしょう。「彼が入っても変わらなかった」のではなく、「あれだけのケガ人が出ても4位にとどまっているのは、前半戦でエジル、フラミニ、ラムジーががんばってくれて貯金できたから」というのが妥当ではないでしょうか。
チェルシーさんがおっしゃるウィルシャー、ウォルコットもそうなのですが、いちばん大きいのはラムジーの不在だと思います。ウォルコットの代わりは一定、チェンバレンができますが、ラムジーの代わりだけはいませんね。
アーセナルは、CL準優勝実績もあるわけで、「プレミアリーグもCLも狙えるクラブ」だと思いますが、しばらくの間は無理して投資してストレッチするより、ほどほどの結果を出しながら健全な経営をすることを選んだクラブだと思います。サポーターにははっきり「狙わない」とはいえないのが苦しいところかと思いますが、あくまでも今まではプレミアリーグ4位が厳しくなったときの「補填」のみ。優勝するための「補強」は、ポドルスキやジルー、エジル、フラミニを獲ったこの2年で、ようやく再開したという認識です。ヴェンゲルさんはよくやっていると思いますが、今まで凍結させていた強化を、まあまあの予算で2年トライしただけでトップに立てるほど簡単ではありません。優勝をめざすなら、もう一段FWとDFの層を厚くするべし、でしょう。
更新おつかれさまです。
いや、力の差は感じましたが、まったく勝てない相手ではないような感じはしました。例えばチェルシー、リバプールなんかはカウンター一発で勝てちゃうんじゃないかなぁと。
つくづくFirstレグが残念でならないです。
せおさん>
ラームですらそうですが、個々のDFは思ったより1対1が強くない印象です。エトーやSASが仕掛けたら、何回かは決定機が創れそうですよね。