2020.02.27 プレミアリーグ観戦記プレミアリーグ観戦記2019-20
若手抜擢・育成の難しさと主力の離脱…プレミアリーグ勢が欧州で苦戦する理由を考察。
チェルシーの敗戦は、ショッキングでした。バイエルン・ミュンヘンをスタンフォード・ブリッジに迎えたCLラウンド16のファーストレグ。カバジェロのビッグセーブ連発で、何とか前半を0-0で折り返したものの、51分にニャブリとレヴァンドフスキに決められると一気に崩壊。寄せが速いバイエルンに中盤を制圧され、メイソン・マウントやタミー・アブラハムにゴールの予感はありませんでした。2019年の夏、補強禁止処分を喰らったクラブに招かれたランパード監督は、アザールをプリシッチに入れ替えただけのチームの強化を図るべく、多数の若手を抜擢。メイゾン・マウントはプレミアリーグフル出場、タミー・アブラハムは25試合13ゴールと結果を出し、リース・ジェームズ、フィカヨ・トモリ、カラム・ハドソン=オドイも主力への階段を上り始めましたが、欧州で勝つには力不足だったと思い知らされました。
この結果は、プレミアリーグの現在地図を如実に表しているのではないかと思われます。2018-19シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティとリヴァプールの一騎打ち。彼らを追撃するはずだったマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、トッテナム、アーセナルは終盤戦で総崩れとなり、不安を抱えたままでオフシーズンに突入しました。2019-20シーズンも、ロンドン勢は苦戦しており、マンチェスター・ユナイテッドも下位に足をすくわれる試合が減りません。彼らに共通しているのは、直近2年の補強失敗と主力の離脱です。
2018年に補強ゼロでシーズンをスタートさせたトッテナムは、CLでファイナルに進出した最終盤に、プレミアリーグで3勝2分7敗と絶不調に陥っています。テコ入れを図りたかった夏は、キーラン・トリッピアーの後釜を押さえられず、ジョレンテの代役も獲りませんでした。デル・アリの出遅れと、移籍志願のエリクセンのテンションが下がったのは致命的な戦力ダウン。ポチェッティーノ監督は解任となり、ジョゼ・モウリーニョを招聘したものの、エリクセンがイタリアに去り、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、シソコが離脱してしまいました。
アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンは明らかに下り坂で、ロ・チェルソやエンドンベレ、ベルフワインに過度な期待は禁物でしょう。ライプツィヒにホームで0-1で敗れただけで、悲観するのは早計ですが、CLもプレミアリーグも厳しい状況に置かれているチームがEL出場権キープのみで終わる可能性は低いとはいえません。主力のリタイアといえば、シーズンの大半をポグバ不在で過ごし、ラシュフォードもいなくなったマンチェスター・ユナイテッドも同じような状況を強いられています。マグワイアとワン=ビサカを押さえた夏のマーケットで、ブルーノ・フェルナンデスやルカクの代役となるアタッカーまで獲れていれば、これほど厳しいシーズンにはならなかったのではないでしょうか。
2018-19シーズンのルカクはプレミアリーグ12ゴール、ポグバは13ゴール。アンデル・エレーラとアレクシス・サンチェスも放出した経営ボードとスールシャール監督は、ダニエル・ジェームズやグリーンウッドがいるから問題ないと考えたのでしょうか。マン・ユナイテッドとアーセナルは、若手の成長による強化という美しいストーリーを性急に追い過ぎたのではないかと思います。あれだけユースチームを強化したチェルシーでも、インターナショナルクラスは数人というなかで、急激な路線変更は少なくとも勝算なきギャンブルです。
ウィロックは、プレミアリーグ19試合ノーゴール。今はまだ、これだけの試合数を任せるレベルではないでしょう。ホッフェンハイムで結果を出したネルソンも、ノースロンドンでは輝けずにいます。マルティネッリとサカは楽しみですが、彼ら以外の若手を見ていると、イオビ、ラムジー、ミキが恋しくなります。2017-18シーズンにスウォンジーで苦戦したタミー・アブラハムは、22歳になってから本格化しました。ウナイ・エメリは、自前のワインの飲み頃を見誤り、2年ほど早くコルクを抜いてしまったのかもしれません。
リヴァプールがアトレティコ・マドリードに敗れたとしても、「相手も強かった。来年リベンジを」といえるのですが、レスターの下にいる4つのクラブが厳しい負け方で大会を去るとなれば、プレミアリーグの地盤沈下が心配になります。トランスファーマーケットのデッドラインデーは8月末に戻りました。次のオフシーズンは、腰を据えてチーム作りができるはずです。2020-21シーズンは、ビッグ6とレスター、エヴァートンらが万全の構えで戦える1年になればと期待しています。CLもELもこれからが勝負で、ダメと決まったわけではないのですが、マン・シティとウルヴス以外の悪戦苦闘が気になって書いた次第であります。それぞれのチームを最後までしっかり応援しようと決めております。もちろん、チェルシーも。
この結果は、プレミアリーグの現在地図を如実に表しているのではないかと思われます。2018-19シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティとリヴァプールの一騎打ち。彼らを追撃するはずだったマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、トッテナム、アーセナルは終盤戦で総崩れとなり、不安を抱えたままでオフシーズンに突入しました。2019-20シーズンも、ロンドン勢は苦戦しており、マンチェスター・ユナイテッドも下位に足をすくわれる試合が減りません。彼らに共通しているのは、直近2年の補強失敗と主力の離脱です。
2018年に補強ゼロでシーズンをスタートさせたトッテナムは、CLでファイナルに進出した最終盤に、プレミアリーグで3勝2分7敗と絶不調に陥っています。テコ入れを図りたかった夏は、キーラン・トリッピアーの後釜を押さえられず、ジョレンテの代役も獲りませんでした。デル・アリの出遅れと、移籍志願のエリクセンのテンションが下がったのは致命的な戦力ダウン。ポチェッティーノ監督は解任となり、ジョゼ・モウリーニョを招聘したものの、エリクセンがイタリアに去り、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、シソコが離脱してしまいました。
アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンは明らかに下り坂で、ロ・チェルソやエンドンベレ、ベルフワインに過度な期待は禁物でしょう。ライプツィヒにホームで0-1で敗れただけで、悲観するのは早計ですが、CLもプレミアリーグも厳しい状況に置かれているチームがEL出場権キープのみで終わる可能性は低いとはいえません。主力のリタイアといえば、シーズンの大半をポグバ不在で過ごし、ラシュフォードもいなくなったマンチェスター・ユナイテッドも同じような状況を強いられています。マグワイアとワン=ビサカを押さえた夏のマーケットで、ブルーノ・フェルナンデスやルカクの代役となるアタッカーまで獲れていれば、これほど厳しいシーズンにはならなかったのではないでしょうか。
2018-19シーズンのルカクはプレミアリーグ12ゴール、ポグバは13ゴール。アンデル・エレーラとアレクシス・サンチェスも放出した経営ボードとスールシャール監督は、ダニエル・ジェームズやグリーンウッドがいるから問題ないと考えたのでしょうか。マン・ユナイテッドとアーセナルは、若手の成長による強化という美しいストーリーを性急に追い過ぎたのではないかと思います。あれだけユースチームを強化したチェルシーでも、インターナショナルクラスは数人というなかで、急激な路線変更は少なくとも勝算なきギャンブルです。
ウィロックは、プレミアリーグ19試合ノーゴール。今はまだ、これだけの試合数を任せるレベルではないでしょう。ホッフェンハイムで結果を出したネルソンも、ノースロンドンでは輝けずにいます。マルティネッリとサカは楽しみですが、彼ら以外の若手を見ていると、イオビ、ラムジー、ミキが恋しくなります。2017-18シーズンにスウォンジーで苦戦したタミー・アブラハムは、22歳になってから本格化しました。ウナイ・エメリは、自前のワインの飲み頃を見誤り、2年ほど早くコルクを抜いてしまったのかもしれません。
リヴァプールがアトレティコ・マドリードに敗れたとしても、「相手も強かった。来年リベンジを」といえるのですが、レスターの下にいる4つのクラブが厳しい負け方で大会を去るとなれば、プレミアリーグの地盤沈下が心配になります。トランスファーマーケットのデッドラインデーは8月末に戻りました。次のオフシーズンは、腰を据えてチーム作りができるはずです。2020-21シーズンは、ビッグ6とレスター、エヴァートンらが万全の構えで戦える1年になればと期待しています。CLもELもこれからが勝負で、ダメと決まったわけではないのですが、マン・シティとウルヴス以外の悪戦苦闘が気になって書いた次第であります。それぞれのチームを最後までしっかり応援しようと決めております。もちろん、チェルシーも。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す