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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「結構前向き」「クラブ次第」…契約延長の見通しを語るアルテタとオーバメヤン、それぞれの言い分。

「pretty positive」。結構前向きという表現は控えめですが、スペインやパリへの移籍が本線と伝えられてた頃を思い出せば、大きく前進といっていいのではないでしょうか。「BBC」と「スカイスポーツ」が、今季プレミアリーグで17ゴールを挙げたストライカーの去就をトップニュース扱いで報じています。冒頭の2つの単語は、ミケル・アルテタ監督の言葉からの引用です。「ピエール、彼の家族、代理人と数多くの議論を重ねている」と語った指揮官は、「すべての関係者にとって適切な合意を得られる」可能性についてポジティブとコメントしています。

「彼のキャリアにとって、正しいネクストステップだと感じさせるのはわれわれの責任だ。彼に価値があると感じさせる必要がある。帰属意識やわれわれのニーズを実感してもらわなければならない。われわれは一緒に、このクラブを前進させることができる。そして彼はそのためのキープレーヤーなのだ、と」
「彼のパフォーマンスと振る舞いにとても満足している。われわれは非常に良好な関係を築いており、互いに向き合って多くのことを話し合える。このクラブでハッピーだろう」

プレミアリーグ9位からの巻き返しを図る指揮官は、「コロナウイルス・シャットダウン」が交渉の進展を妨げたと示唆しています。「それによって、多くの不確実性がもたらされた。しかし、われわれがフットボールに戻るステップを踏んでおり、さらに前進したいと思っていることが、日を追うごとに明らかになっている」。公式戦97試合61ゴールのエースだけでなく、契約が残り1年となったブカヨ・サカについても、状況が整えば適切なタイミングで発表すると結んでいます。

指揮官の前向きな言葉に対して、選手のほうはどう感じているのでしょうか。「スカイスポーツ」のレポートより、オーバメヤンの言い分をピックアップしてみましょう。アルテタ監督の言葉とクロスオーバーするのは「クラブとは以前にも話している」「今回の決断はキャリアのターニングポイントであり、最も重要な選択と考えている」という2点です。ただし彼は、クラブからのオファーは未だないとして、「ボールは彼らのコートにある。どう振る舞うかは彼ら次第で、われわれはどうなるか見ているだけだ」と主張しています。

彼の言葉を単純に受け止めれば、「アーセナルはあなたを必要としている」と正面から口説き、納得いく条件を提示すればOKとなりますが、事はそう簡単ではないようです。「戦い続けるすべてのプレーヤーは、トロフィー獲得を夢見ている。それは重要なことだ。みんなに聞かれるだろう。アーセナルで勝ちたいのか、どこか他のクラブで勝ちたいのか、と」。プレミアリーグ屈指のストライカーは、アーセナルは本気でリーグ制覇や欧州戴冠をめざすのかと問うているのでしょう。あの頃も、似たような声を聞いた…ロビン・ファン・ペルシやアレクシス・サンチェスの必死の表情が脳裏をよぎります。補強資金がないといわれているクラブは、彼が納得できる答えを用意できるのでしょうか。

As I said, time will tell. The ball is in the club’s court(時が経てば、いっていることをわかってもらえるはずだ。ボールはクラブのコートにある)」。キャプテンの言葉が、プレミアリーグの中位で燻るクラブと若き指揮官に重くのしかかっています。回答期限は、数週間後。ボールを足元でキープするアーセナルが、彼が待つ前線にどんなパスをフィードするのかを息を詰めて見続ける日々が続きそうです。


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