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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

12月3日、西が丘。2ゴールでアーセナルを決勝に導く「最高の大野忍」を観た!


昨日は、プレミアリーグの強豪クラブ、アーセナルのゲームをライブで観戦してきました。といっても、こちらは女子のお話。現在日本で開催されている「ネスレカップ 国際女子サッカークラブ選手権2014」の準決勝です。アーセナルレディースは、プレミアリーグ優勝12回、国内3冠3回というイングランドを代表するクラブ。12時間の間に、アーセナル男女のゲームを立て続けに観ることになるとは思いませんでしたが、何しろ両方とも当地のトップクラブです。女子サッカーは、なでしこジャパン以外はさほど観ないのですが、西が丘サッカー競技場という足が延ばせるところでやっていると聞けば、それは行かなきゃ、となるわけです。

「マンチェスター・ユナイテッドサポーターが、なぜアーセナルに⁉」といわれると、少し後ろめたい気分になるのですが、何しろわれわれは女子が…。応援しようとすると、「男女は別口で」とならざるをえません。もし、この言い訳でも納得いかない方がいらっしゃれば、こう受け取ってください。「大野忍と近賀ゆかりを応援しに行ったのだ」と(選手が並んでいる写真の、いちばん左が大野さんです)。さらに、この日の相手は、なでしこリーグのレギュラーシーズンを制した岡山湯郷ベル。ここには、日本代表キャプテンの宮間あやがいます。私が注目したのは、「走らないサンチェス」VS「小さなジェラード」。大野さんと宮間さんのプレイを、男子のプレミアリーグの選手になぞらえれば、こんな言葉がぴったりでしょう。そして、この日の大野忍はキレキレ、別世界でした。

アーセナルと湯郷には、圧倒的な力の差がありました。とりわけ大きかったのが、FWのフィジカルとキープ力の違いです。左にウイリアムソン、真ん中カーター、右に大野忍が並ぶ、アーセナルの3トップは強力。大野さんの柔らかいトラップと細かいパスワーク、そして縦に抜けるスピードは群を抜いていました。突破力、シュート力、テクニックだけ見れば、アレクシス・サンチェス。しかし、守備になると…。よくいえば、抜くのがうまい。悪くいえば、ざっくりしか守らない。試合中は、ペドロ・ マルティネス・ローサ監督に「シノ、シノ!」と、何度もポジションの細かい修正を要求されていました。アレクシス・サンチェスのねちっこいチェイシングは、女子の背番号7には望むべくもありません。スピードは二重丸、しかし運動量は??? そんな大野さんでしたが、16分には左からのクロスにカーターが中でつぶれたところを、右からフォローして豪快なシュートで先制。58分にも、左からのクロスに中で反応し、右に流れたボールをSBスコットから再度もらってヘッド!ゲームの全得点を挙げる活躍で、2-0完勝の立役者となりました。

一方、湯郷の宮間さんは、自陣のボールを含めすべてのプレースキックを蹴り、FWに長いボールを供給するスティ-ブン・ジェラード。しかし、この日の彼女は、試合後にアーセナルの監督が「宮間をつぶすことが第一だった」と語ったように、完全に狙われ、何度もボールをロストする厳しい試合でした。近賀さんは、後半にセントラルMFとして登場(写真の背番号4です)。勝ちゲームで、守備を落ち着かせて「たたむ」役割を無難にこなしました。

大野さんは、試合終了直前に交代。満場の拍手のなか、照れくさそうにピッチを去っていきました。いやー、このシーンがいちばん興奮しますね。ちなみに、日本人選手以外で私が注目したのは、背番号8のMFジョーダン・ノブスです。足元の確かさと意外性のあるパスは、サンティ・カソルラ。中盤を落ち着いて仕切る姿はアルテタを想起させます。6日の決勝も、彼女のプレイを追いかけながら観てみたいと思っています。

最後にインタビューを受けた大野さんは、普段のおちゃらけはみじんも見せず、「あまりヘディングでのゴールはないんですけど…」などと、謙虚すぎるコメントに終始していました。大勢の前でしゃべるのは、好きではないんでしょうね。最後までピッチに残って、サポーターのオーダーに応えて一緒に写真を撮ったり、サインしたりする姿はプロフェッショナル。今日の彼女には、大満足。素晴らしいサッカーを見せていただきました。やっぱりサッカーは、ライブが楽しいですね。

女子のプレミアリーグの情報はあまり流通しておらず、状況を把握するのが大変なのですが、アーセナルレディースに興味がある方は、私の知り合いが運営している「GUNS N’ LADIES: アーセナルレディース応援ブログ」を見ていただくのがいいと思います。…イベントが多過ぎて、チェルシーとマンチェスター・シティの圧勝劇を今朝お伝えするのは難しくなってしまいました。あらためてじっくり観させていただき、明日の朝にはプレミアリーグ首位と2位の勝ちっぷりをお伝えしたいと思います。では、本日は、このへんで。

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  1. 女子のプレミアリーグの情報はあまり流通しておらず

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