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【Chelsea×Tottenham】絶品ドログバ、空かないスペース…モウリーニョサッカーは無敗継続!

モウリーニョ監督が就任する前は、流行りの風邪にかかったかのように、毎年この時期に調子を崩していたチェルシー。前節のサンダーランド戦は今季初の無得点でドローに終わり、マティッチを筆頭に毎試合出場の主力が疲れていました。今季のプレミアリーグでは、モウリーニョ監督はターンオーバーという予防接種をするのか。それとも、トッテナム相手にいつものメンバーを揃えるのか。さすがに多少代えてくるだろうと予想していると、いないのは累積警告で出場停止のジエゴ・コスタだけ。ドログバの後ろは不動のメンバーです。これなら、2回ゲームがある週はスタメンを半分以上入れ替えるトッテナムは、チャンスだと思ったのですが…。

ハリー・ケイン、ラメラ、ベンタレブ、ライアン・メイソン、エリクセン。中盤より前は、レノンを除いて全員20代前半のトッテナム、若すぎます。シャドリとソルダードは、なぜベンチなのでしょうか。ゲームが始まると、アグレッシブに攻めるのは若いトッテナムです。前線で積極的に仕掛けるハリー・ケイン。7分には、攻撃陣で唯一のベテラン、アーロン・レノンのクロスにうまく合わせたヘッドがバーを叩き、11分にはケーヒルのミスを突いて単独で持ち込み、クロスにきわどいシュートを放ちます。スタンフォード・ブリッジでは勝てないトッテナムが、今日こそ何かやってくれるのではないか。そんな期待を打ち砕いたのは、ジエゴ・コスタの代役というにはあまりに素晴らしかったチェルシーのレジェンド、ディディエ・ドログバでした。

19分、右SBイヴァノヴィッチからサイドチェンジのロングボールがアザールに通ったときには、この数秒後にゴールが決まる気配はありませんでした。左サイドのアザールは、得意の中に入るドリブルでペナルティエリア手前まで侵入すると、脇にいたドログバにパス。36歳のストライカーは、最高のワンツーでアザールに花を持たせます。目の前にはGKロリスのみ。アザールの強烈なシュートをいいヨミで手に当てたロリスは、外に弾くまではできません。ニアサイドを抜けたボールがネットを揺さぶり、ホームで滅法強いチェルシーが先制です。

ここでトッテナムが落ち着きを取り戻せれば、違う展開もあったのかもしれません。ところが、1-0になった3分後にトッテナムに痛恨のミスが出てしまいます。ロリスのキックはハーフラインを越えず、アザールへの危険なプレゼント。トラップしたアザールがすかさず前にいたオスカルにつなぐと、すぐ右を走り出したドログバを見たオスカルが、完璧なスルーパス。よどみない動きで、ドログバがロリスの左手の先を抜いて2-0。これで意気消沈したトッテナムは、この後のゲームの主導権をチェルシーに明け渡してしまいます。

サッカーは、やはりメンタルのウエイトが大きいスポーツです。もし、試合が0-0のまま進んでいれば、徐々にチェルシーに疲れが見られていたかもしれません。しかし、現実は2点差。前半は完全なるチェルシーのゲーム。トッテナムは、再三ペナルティエリアの手前でシュートを狙ってくるウィリアンの3点めを防ぐのがせいいっぱい。後半、トッテナムは早い時間に1点を返したいところです。

試合開始早々に頭部にダメージを受けていたケーヒルは、ハーフタイムでズマに代わったようです。後半、逆襲したいトッテナムは、安全運転シフトでしっかり引いたチェルシー相手に、これといったチャンスを創れません。ポチェッティーノ監督は58分、レノンとメイソンを下げ、パウリーニョとシャドリの2枚替え。攻めにシフトしようとするものの、チェルシーの堅牢な守備陣に、勝負のパスをことごとくカットされてしまいます。後半も、ゴールを奪ったのはチェルシーでした。73分、アスピリクエタのフィードから前線に飛び出したのは、ドログバに代わって入ったロイク・レミー。冷静なフランス代表FWの前では、必死で止めようと戻ったフェルトンゲンは無力。DFをかわしたレミーは、右足インサイドでゴール右隅に軽く流し込みます。結局、3-0。プレミアリーグ首位が、そろそろ足踏みをするかと思われた一戦は、スタンフォード・ブリッジで24年も勝っていないトッテナムが、いつもの足跡をなぞっただけに終わりました。

後半のチェルシーの守備をみて、あらためてモウリーニョ監督の凄さを思い知りました。チェルシーの選手は自分の担当するエリアに対する責任感が強く、彼らが守りに集中すると、バイタルエリアを中心に危ないスペースが全く空かないんですよね。そしてもうひとつ、この試合の影のMVPとして、ウィリアンを指名したいと思います。シュートこそ決まらなかったものの、彼の運動量と攻め上がり、枠を捉えるミドルシュートにトッテナムは終始悩まされました。ハル・シティ、ストーク、ウェストハム、セインツ…うーん、今週末のニューカッスル以外に、プレミアリーグ首位を焦らせるクラブは見当たりません。イヴァノヴィッチが「彼はスペシャルワン以上の存在で、パーフェクト・ワンだ」と絶賛するモウリーニョ監督が負ける姿を見るのは、年明け以降になりそうです。

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“【Chelsea×Tottenham】絶品ドログバ、空かないスペース…モウリーニョサッカーは無敗継続!” への2件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    まぁあれが限界でしょう。
    チェルシーの決定力とプレスには脱帽です。ケインが2つ外した時点で負けは決まっていたのかもしれません。
    シャドリやソルダードがベンチなのは理解できます。ただ交代でパウリーニョはないでしょうと思いました。毎度思う謎のパウリーニョ投入です。
    メイソンがあまり良くなかったので変えるのは分かりますが、それならエリクセンを一つ下げてソルダードとツートップで良かった。ただ真ん中が渋滞しただけでした。
    しかし明るい材料もありました。次のパレスに勝てばまぁいいんじゃないでしょうか。直近で見れば4試合9ポイントになるわけですし。
    アウェイチェルシーで中が1日短かったというこじつけができますしね。笑

  2. makoto より:

    にわかスパーズファンさん>
    ポチェッティーノ監督がポジティブに捉えていたように、いい面もありましたね。最初の攻撃を継続できればよかったのですが、きちんと抑えてくるあたりがチェルシーです。

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