イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最重要課題は中盤の創造性と自信の欠如…エヴァートンと戦うアーセナルの打開策を考える。

「オーバメヤンのゴールと、そのときのブカヨ・サカの役割~3人のDFを置き去りにした素晴らしいラン~は、アルテタが築き上げたいと望むポジティブなものだった。しかし、ビルドアップとチャンスメイクに関する問題は未だ残っている。アーセナルは対戦相手に打ち負かされてしまった」(ニック・ライト/スカイスポーツ)

「アルテタは、戦術的に慎重すぎると考える人もいる。放出するべき選手を起用するために、彼が持つ原則のいくつかを忘れなければならなかった。アーセナルは、ボックス・トゥ・ボックスでボールを動かす力が向上した。敵陣ででボールをリカバーすることに関しては、今でもヨーロッパのトップチームのひとつだろう。しかし、中盤において充分な創造性を発揮していないのも明らかだ。クオリティと自信の欠如は、ファイナルサードでの彼らの困難を物語っている」(ギレム・バラク/BBC)

プレミアリーグで4勝2分7敗は、過去46シーズンのワースト。降格ゾーンと5ポイント差の15位は、4年前に4勝3分9敗の16位でチェルシーに任を解かれたジョゼ・モウリーニョと変わらないポジションです。一部のメディアに、「バーンリー、サウサンプトン、エヴァートンに勝てなければクビが飛ぶ」と煽られたミケル・アルテタは、チームを活性化することができるのでしょうか。直近のプレミアリーグ6試合で2分4敗と苦しんでいる指揮官は、簡単に改善できるものではないと主張しています。

「最近数週間のプレミアリーグにおける状態を受け入れる必要がある。クラブにとって充分とはいえない。この業界の常だが、誰もが結果を求めている。しかし、大きな改革の後、安定を見出すには時間が必要だ。彼らが私とともに新しいプロジェクトを始動させようとしたときから、わかっていたことだ。迅速に修正はできない」

抜本的にチームを変え、プレミアリーグのTOP4奪還をめざすという気概は感じられるのですが、改善に向かう糸口が見えません。冒頭で紹介した2人のジャーナリストの言葉は、厳しい戦いとなったサウサンプトン戦の結果を受けて配信されたものです。ジャカの退場がトリガーとなって敗戦に向かったバーンリー戦は、「10人になってしまったのが痛かった」といえたのですが、セインツ戦の勝ち点ロストは、ガブリエウのレッドのせいにはできないでしょう。

前半のポゼッションは43%、フルタイムを終えると35%。現在の完成度と勢いの差をまざまざと見せつけられた一戦。カウンターを志向したわけではないのに押し込まれ、ジャポネとレドモンドの獰猛なアタックを凌ぐのが精一杯でした。13節までの数字を見ると、シュート133本、オンターゲット44本、1試合あたりのドリブル成功数7.1は揃ってリーグ16位。ロングボール647本と1試合あたりの空中戦勝利数13.1は17位なのに、終盤の強引な放り込みによって積み上げたクロス274本はリーズ、ハマーズに次ぐ3位です。

ピッチの中央ではペップのフットボール、ファイナルサードではモイーズのスタイル。アーセナルのアタックの迷走ぶりは、スタッツに如実に反映されています。14節はグディソン・パークでエヴァートン。コールマンとデューニュを使えないアンチェロッティ監督は、ホルゲートとゴドフリーをサイドに配して攻めさせ、SBの裏をリシャルリソンとイオビに狙わせるのではないでしょうか。打開策は、縦へのロングフィードなのではないかと思います。

ウィリアンとサカをアランの左右のスペースやラインの裏に入らせて、ダヴィド・ルイスとダニ・セバージョスが長いボールを合わせれば、ミナかマイケル・キーンと1対1で勝負するシーンを増やせるでしょう。自軍の中盤も相手のアンカーも無力化するシンプルなアタックのお手本となるのは、縦1本とカウンターで3ゴールを決めたシェフィールド・ユナイテッド戦のマンチェスター・ユナイテッド。横パスはセーフティ、縦はアグレッシブと、カウンターを喰らいにくい攻め方を徹底しているリヴァプールも参考になるでしょう。キックオフは、日本時間で20日2時30分。アルテタの戦術に注目です。


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