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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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問題は戦略と采配にあり!? 必然の敗戦を喫したアルテタ戦術に未来はあるのか?

オーバメヤン、ラカゼット、ガブリエウ、トーマス・パーティーの不在が敗因といい切れるのか。ときどきあるアップセットと笑ってやり過ごせるのか。あるいは、事態は深刻なのか。プレシーズンマッチは1分3敗。出遅れが懸念されていたアーセナルが、74年ぶりにトップフライトに返り咲いたブレントフォードに2-0で完敗しました。

8月に入ってから開催されたビッグロンドンダービーとノースロンドンダービーのメンバーを見れば、アルテタ監督がロケットスタートを狙っていたのがわかります。エミレーツのチェルシー戦は、GKレノ、DFチャンバース、ホールディング、パブロ・マリ、ティアニー。中盤センターにエルネニーとトーマス・パーティー、2列めはニコラ・ぺぺ、スミス・ロウ、オーバメヤン、最前線はラカゼット。プレミアリーグの開幕戦にそのまま持ってきてもおかしくないベストメンバーです。

プレミアリーグで初めて戦うブレントフォードの選手たちの士気は高く、トーマス・フランク監督はアーセナルを研究していました。ビルドアップに難があり、厳しいプレスを受けると自陣でのミスが増えること。チャンバースとベン・ホワイトの間のスペースがウィークポイントであること。先制ゴールの起点は、GKラヤがハーフライン手前から蹴ったロングボールでしたが、ベン・ホワイトのサイドに4人が集まっていたのに対して右サイドには誰もいませんでした。ホームチームがボックス左を狙っていたのがよくわかるシーンでした。

ピノックがフリーのヘディングでボックス左にボールを流すと、入団したばかりのCBはクロスをカットできず、こぼれ球を蹴り出したチャンバースが中途半端なクリアを拾われてしまいました。ピノックが2度めのヘディングで前に送ると、カノスがボックス脇でキープ。チェックにいったチャンバースが最低限、成すべきだったのはニアのコースの遮断でした。予期せぬコースに打たれたレノが触れなかったのを責めるのは酷でしょう。期待のベン・ホワイトは、脇に引っ張られた際のマークが緩く、クロスを簡単に許すのが気になりました。

エース不在の穴を埋めるというミッションを背負ったバログンは終始力みがあり、タッチもシュートもミスが目立ちました。ブレントフォードの守備陣を慌てさせるプレイなきまま、59分にサカにチェンジ。マルティネッリを中央にシフトさせた指揮官は、どう戦おうとしていたのでしょうか。ブレントフォードに速攻からきわどいシュートを打たれるシーンが続き、71分にはマルティネッリも下げてネルソンを投入。直後にロングスローからノアゴールにヘディングシュートを決められ、絶望的な状況に陥りました。

明確な意志が感じられたのは、ティアニーにクロスを上げさせるサイドアタックのみ。87分に左SBがニアにグラウンダーを入れ、ニコラ・ペペがボレーを放つシーンを創ったものの、ラヤのビッグセーブに阻まれギャップを埋めることはできませんでした。右サイドに連動性はなく、ニコラ・ペペ、スミス・ロウ、ブカヨ・サカは個人での打開を求められているように見えました。

パブロ・マリ、ウィリアン、ガブリエウ、トーマス・パーティー、ヌーノ・タヴァレス、アルベール・サンビ・ロコンガ、ベン・ホワイト。就任以来、これだけの戦力を補強しても、布陣を変えても課題が変わらないのは、戦略と戦術に問題があるからではないでしょうか。次節はチェルシー、3節はマン・シティ。優勝候補に連敗し、ノリッジに勝てなければ、経営ボードは厳しい決断を下すかもしれません。現地メディアは「アルテタ監督の解任オッズは半減した」「後任候補の筆頭はアントニオ・コンテ」と報じています。


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