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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ウーデゴーア、ジャカ…既に昨季の総ゴール数を突破!アーセナルの中盤の得点力が上がった理由。

2020-21シーズンは3ゴール、昨シーズンは10ゴール。ミケル・アルテタ監督の就任以来、アーセナルの課題のひとつは、中盤のセンターにいるMFのゴールが少ないことでした。ところが今季プレミアリーグでは、既に12ゴール。チームのトップスコアラーは、6ゴールをゲットしているマルティン・ウーデゴーアです。

Midfield goals have transformed Arsenal into title contenders(中盤からのゴールがアーセナルをタイトル争いに導いた)」と題した記事を配信した「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、「ガブリエル・ジェズスの動きがスペースを作り、後からボックスに入ってくる二次的な脅威を生み出している」とレポートしています。

レアル・マドリードで出番を得られず、ヘーレンフェーン、フィテッセ、レアル・ソシエダに貸し出されていたウーデゴーアは、スペインとオランダで過ごした4シーズンは、リーグ戦15ゴール。アーセナルにローンで移籍した2020-21シーズンの後半戦は、プレミアリーグ14試合1ゴール2アシストに留まっています。

シーズンを通じてトップ下をまかされた昨季は、36試合7ゴール4アシスト。今季は13試合6ゴール2アシストと、全日程の1/3を超えたばかりで過去6シーズンの平均ゴール数を上回っています。「これこそが求める姿だ。勝つためには、攻撃的MFがアシストだけでなくゴールを決めないと」という指揮官の言葉から、キャプテンの決定力UPは偶然ではないことがわかります。

ジェズスの後ろでゲームをコントロールする8番だけでなく、ボックスに走り込む頻度が高まったジャカも3ゴール、ミドルレンジからのコントロールショットが冴えるトーマスも2ゴール。ブレントフォード戦で決めたファビオ・ヴィエイラのミドルを足した12発は、プレミアリーグのビッグ6の最多ゴールです。

中盤の真ん中からの得点力が向上した理由について、「テレグラフ」の記者が挙げているのは、「ジェズスの創造性と執拗なアタック、ハードワーク」。これ自体は妥当なのですが、アーセナルのスタッツの変化を追うと、もう2つほど要因を足したくなります。

昨季の1試合あたりのパス本数は481本で、今季は519本。52.6%だったポゼッションは、58.1%に上がっています。最大の変化は1試合あたりのドリブル成功数で、8.4だった昨季はリーグ14位、9.1に上がった今季はリーグ1位です。

これらのスタッツから導き出されるポイントは、「サリバを中心としたビルドアップの質の向上」「ジンチェンコの中盤サポートで、ジャカとウーデゴーアが前線にシフト」「マルティネッリの突破力向上で、中盤の選手が打てる位置でもらえるようになった」。1試合あたりのドリブル成功数がリーグTOPのマルティネッリも、ガナーズの得点力UPへの貢献度大でしょう。

トロフィーを争う2チームを並べてみると、スターリングとジェズスという2人のドリブラーを手離したペップに対して、アルテタのチームではマルティネッリ&ジェズスというブラジル発のドリブラーコンビが猛威を振るっています。才気あふれる若き指揮官に、ジェズスというリーサルウェポンを譲ったペップは、出すなら海外だったと後悔しているかもしれません。

話が逸れてしまいました。そうです。ウーデゴーアです。「スペースに入れるようになり、よくなったね。今までよりボックス内を攻められるようになった。美しいゴールを決めていないかもしれないけど、適切な場所にいられることが、大きな助けになっている」。得点力が高まったキャプテンには、美しい一撃と泥くさいフィニッシュの両方を期待しましょう。


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