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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ハーランドは3連覇に貢献するのか?プレミアリーグの得点王と優勝の関係を振り返る。

「ワールドクラスのゴールゲッターを加えれば優勝をめざせる」…過去20年のプレミアリーグを振り返ると、いくつかのチームがこの幻想によって、失敗しています。

最大のやらかしはマンチェスター・ユナイテッド。サー・アレックス・ファーガソンの勇退以降、ファルカオ、ズラタン、ルカク、カバーニを連れてきて優勝できず。鳴り物入りだったストライカーたちは、全員2シーズン以内にクラブを離れています。クリスティアーノ・ロナウドは、純粋なストライカーとはいえませんが、当初から最前線に置くつもりだったのなら、残念なリストに入ります。

フェルナンド・トーレスで失敗したチェルシーも、マンチェスター・ユナイテッドの後に獲得したファルカオがコケてしまい、モラタは微妙。2018-19シーズンの冬に加わったイグアインは、半年でユーヴェに戻ることになりました。トゥヘルの下でCLを制した後、2強と肩を並べようとして獲ったルカクは、ポッターに代わっても戻ってこないかもしれません。

リヴァプールのハズレは、アンディ・キャロル、バロテッリ、ベンテケ。緊縮財政の時期が長かったアーセナルは、大物ゲットによる失敗はありませんが、オーバメヤンとともに獲得したタイトルはFAカップのみです。最初の10年は中堅クラブだったマン・シティは、2011-12シーズンのプレミアリーグ制覇からは、ネグレドやボニーといった小さな空振りのみで収まっています。

なぜ、こんな話を始めたのかというと、「ハーランド+フリアン・アルバレス>スターリング+ジェズス」という数式は成り立つのか?とふと、思ったからです。過去20年のプレミアリーグの得点王を見ると、のべ25人のうちストライカータイプは9人。元ウインガー・現ウインガーとセカンドストライカーが16人を占めています。

ウインガー出身は、ティアリ・アンリを筆頭に、クリスティアーノ・ロナウド、ロビン・ファン・ペルシ、オーバメヤン、ジェイミー・ヴァーディーという豪華メンバー。モー・サラー、サディオ・マネ、ソン・フンミンは、サイドにいながら個人タイトルに輝いています。真ん中もウイングもこなすカルロス・テベスも、こちらに入れるのが妥当でしょう。

一方、ストライカータイプは、ファン・ニステルローイ、ドログバ、アネルカ、ベルバトフ、スアレス、ハリー・ケイン。プレミアリーグを制覇した年に得点王になったのは、ニステルローイ、ドログバ、ベルバトフのみで、サー・アレックスとともに勝ったファン・ペルシ以降の10年は、優勝と得点王のダブルはひとりもいません。

ただしこの間、ジエゴ・コスタやフィルミーノのように、得点王にならずともチームの優勝に貢献したセンターフォワードがいます。「得点力を高めるために、点取り屋を獲ってもうまくいかない」という乱暴な言い方をするつもりはありません。近年の傾向として、大物ゴールゲッターにボールを集めるチームより、前線の連動性を重視するチームが勝っているというお話です。

プレミアリーグで3連覇をめざすマンチェスター・シティは、2020-21シーズンのトップスコアラーはギュンドアン、昨季はデブライネでした。ハーランドの加入で、目論見通りに破壊力が増して頂点に立つのか、ワントップに依存しすぎて得点力を落とすのか。得点王レースは独走中、しかしチームは5ポイント差の2位ですが…。


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“ハーランドは3連覇に貢献するのか?プレミアリーグの得点王と優勝の関係を振り返る。” への4件のフィードバック

  1. アイク より:

    更新ありがとうございます。面白いテーマと懐かしい名前に引き込まれました。
    ストライカーの調子の波に依存するより、連動性を重視する方が得失点のリスクが下がるのでしょうか。

    • makoto より:

      ・ストライカーが出られないときの代役のクオリティ
      ・ストライカーが抑えられたときのプランB、プランCのクオリティ
      にもよるのでしょうね。
      昨季のマンチェスター・ユナイテッドは、クリスティアーノ・ロナウドへのクロスの依存度が高いチームでした。
      今季のブレントフォードは、ハーランドに実質2人が付いてカウンター勝負という戦い方でした。

      • アイク より:

        返信ありがとうございます♪
        なるほど、それは重要且つ分かっていても対策の難しい問題ですね〜

  2. たー より:

    面白いテーマでした。
    1つ思ったのは監督の戦術によるのかなと。
    近年成功してきた監督の中でもペップやクロップは前線の連動性が非常に重要だと思いますが、
    コンテやアンチェロッティ、モウのようなチームであればやはり核となるCFがいてこその戦術、成功だったのではないかと思います(全部チェルシー関連ですね笑)。
    今後そういったチームが優勝する瞬間も見てみたいですね。

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