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「プレミアリーグで最もシュートが決まるチーム」アーセナルの変化を物語る3つのデータ!

プレミアリーグ再開まで、ようやく残り2日となりました。12節の最大の注目カードは、ランチタイムキックオフで開催されるマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの一戦。既に大黒柱となっているバイリーを欠くモウリーニョ監督と、カソルラ、ベジェリンがいないヴェンゲル監督の激突は、アウェイ優勢と予想する評論家が多いようです。そんななかで、アレクシス・サンチェスを前に置くゼロトップでモデルチェンジしたガナーズについて、「スカイスポーツ」が気になる記事を掲載しています。「Why Arsenal’s efficiency in front of goal might not be sustainable(アーセナルのゴール前における効率のよさは、なぜ持続できないのか)」。この見出しのいわんとするところを理解するためには、興味深いデータをひとつ紹介しなければなりません。今季のアーセナルは、5.1回のチャンスメイクで1ゴールを挙げており、「プレミアリーグで最もチャンスを活かしているチーム」なのです。

チャンスを確実に活かすチームといわれると、多くの方はモウリーニョ監督のチェルシーや、昨季のレスターのようなチームを想像するのではないでしょうか。多くの時間を守備に費やしながら、カウンターに転じると一発で決定的な形を創り、絶対的エースが決めるサッカー。パス本数がプレミアリーグ20チーム中3位のアーセナルは、決してカウンターにシフトしたわけではなく、パスをつないで攻めるスタイル自体は昨季と変わっていません。

しかし、数字を追っていくと、ジルーが最前線にいた昨シーズンと現在はかなり違います。2015-16シーズンのアーセナルは、チャンスメイクの数がプレミアリーグNo.1で、枠内シュートの本数は2位。ショットコンバージョンレート(シュートが決まる確率)は11.7%で、1試合あたり1.71点のチームでした。ところが今季は、チャンスの数は6位、枠内シュートは8位とライバルに後れを取っている一方、コンバージョンレートは14.4に上がり、試合あたりの得点数も2.18に伸びています。ヴェンゲル監督のサッカーに何が起こっているのでしょうか。彼らの変化をひもとく3つのデータを紹介しましょう。

今季のアーセナルのデータにおける最も特徴的な数字は「スルーパスの本数1位」「オフサイド数1位」「ロングボールの本数最下位」です。スルーパス59本は、2位マンチェスター・シティを14本も引き離しているのですが、誰がこんなにDFの間を抜いているのでしょうか。エジル…いえ、アレクシス・サンチェスです。オフサイドというと、真っ先にウォルコットを思い浮かべてしまいますが(ファンの方、ごめんなさい)、こちらも主犯はアレクシス・サンチェス。ボールがこなくなると、すぐに中盤に下がってボールをもらいに来るせっかちな選手が最前線にいるチームが、ロングボールを多用するわけがありません。

プレミアリーグで最もクロスを放り込んでいるクリスタル・パレスのタウンゼントが89本を数えるなか、アーセナルでトップのメスト・エジルは46本で19位。遠くから一発でゴール前に届くボールは少ないのですが、アレクシス、エジル、ウォルコットらが以前にも増して積極的に裏に飛び出しており、確実に決められるキラーパスの比率が上がっているのが今のアーセナルなのです。

さて、そんなチームに、マンチェスター・ユナイテッドはどう対応すればいいでしょうか。最も想像しやすいのは、「ラシュフォードがズドン&バスをチャーター」の1-0。アレクシス・サンチェスやイオビ、ウォルコットにスペースを与えなければ、シュート総数で7位のチームは相当苦労しそうです。最初の1点を争う展開となり、先に決められればマンチェスター・ユナイテッドの勝利、アウェイチームが今まで以上に貪欲にゴールを狙ってくれば上位の順当勝ちとなるのではないでしょうか。「スカイスポーツ」は、アーセナルが効率のよさを持続できない理由として「過去の歴史がそれを示している」とし、記事をこう結んでいます。「彼らは創造性のレベルとショットボリュームを上げなければならない」。どんなゲームになるのか…土曜日が、今から楽しみです!

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“「プレミアリーグで最もシュートが決まるチーム」アーセナルの変化を物語る3つのデータ!” への1件のコメント

  1. 新参 より:

    自分は10-11シーズンから本格的に見始めたのでCFといえば、ファン・ペルシー、ジルーに関してしか詳しいことを言えないのですが、彼らとサンチェスが決定的に違うのは運ぶドリブルができるということ。その力故に持ちすぎることがしばしば見られます。
    彼がドリブル・パスの判断をさらに磨くことができれば、アーセナルはさらに進化・深化することができると思います。ヴェンゲルもそこを指摘しているようですし、完成形が見られるのはそう遠い未来ではないと思います。

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