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「BBC」ほか現地メディアに2年契約で合意と報じられたヴェンゲル監督に、明確な変化を期待します!

Arsene Wenger: Arsenal manager agrees two-year contract(アーセン・ヴェンゲル:アーセナルのマネージャーは2年契約に同意)」。…「BBC Sports」がサイトのTOPでいい切っています。ヴェンゲル監督が22年めのプレミアリーグを迎えることが決まったようです。記事によると、月曜日にスタン・クロエンケオーナーと指揮官の会談があり、火曜日に取締役会で決定、そして本日、正式発表がなされる見通し。弱小クラブだった名古屋グランパスエイトに、天皇杯という初タイトルをもたらしてくれたヴェンゲル監督を長年応援してきた者としては、これからの2年を最高の時間にしていただくことを祈るのみです。

4年で3度のFAカップ制覇は、6つのビッグクラブが鎬を削る厳しいプレミアリーグのなかでは素晴らしい成果だと思うものの、グーナーが心から満足するタイトルは、あくまでもプレミアリーグとチャンピオンズリーグ。2017-18シーズンはヨーロッパリーグに参加することになりましたが、直近2年でリヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドがファイナリストになったこの大会では、アーセナルは優勝候補です。次の目標は、プレミアリーグ、EL、FAカップ連覇の三冠。そして翌シーズン、CLに戻ってラウンド16の壁を突破し、どこまでいけるか…。2年延長が実現したとしても、次の契約満了時には69歳になるヴェンゲル監督にとって、欧州の最高峰の大会で勝負できるチャンスはあと1回しかないのかもしれません。

The best presentationis to watch the game.(最高のプレゼンは、ゲームだ)」。「BBC」と同じタイミングで2年契約締結と報じた「スカイスポーツ」によると、FAカップを制した指揮官は、クラブにふさわしい人材かどうかを決めるのは人気ではなく能力であり、試合を見ればそれがわかると主張していたとのこと。しかし今、変化を求めていたサポーターに、アーセナルらしい最高の試合を見せても、彼らはうつむくだけでしょう。ヴェンゲル監督のチームが素晴らしいサッカーを見せてくれることは、わかっています。問題は、「それをフルシーズン続けられるか」です。次のプレミアリーグで試合を見せる前に、ヴェンゲル監督にはやらなければならないプレゼンがあるのではないでしょうか。クラブと監督に対して、切実な思いで「変わってくれ」と声を挙げていたサポーターたちが、もう一度ポジティブな夢を描ける明確な変化、すなわち夏のディールです。

最大のミッションは、アレクシス・サンチェスとエジルを引き留めること。彼らに対しても、経営陣と指揮官は「昨季の結果に納得していない。変化を志向し、ビッグタイトルを狙う」という姿勢を示す必要があるでしょう。補強したいポジションは、4つ。まずは最前線。出場機会がほしいと語っているオリヴィエ・ジルーが出ていくことも辞さずで、強力なストライカーを獲得すべきではないでしょうか。ムバッペやベロッティ、モラタ、オーバメヤンに9000万ポンドかかっても、アレクシスの納得やサポーターの熱狂的なサポートが返ってくるなら、高くない買い物になるのではないでしょうか。最終ラインには、慢性的なアキレス腱痛を抱えるコシールニーの後継者が必要です。ホールディングやチャンバースには3年後のブレイクを期待するとしても、来季いきなりプレミアリーグのトップクラスのパフォーマンスを見せてくれというのは酷です。

3バックを続けるなら、WBのスペシャリストを加えたいところです。キーラン・ギブスはいい選手ですが、今以上によくなるとは思えません。そして、アンカー。チェルシーがカンテの加入でプレミアリーグを制覇し、エヴァートンがグイェ獲得でTOP7に返り咲いたのはいいテキストです。来季はジャカのさらなるスケールアップが期待できそうですが、後方を締めて彼の攻め上がりをサポートしてくれる存在が必要だと思われます。

チャンピオンズリーグ出場権を失った今、「われわれは失敗した」という出発点から新しいチームづくりを始めて、多くのサポーターが納得いく布陣を創れたとき、あらためてアーセナルを優勝候補に指名したいと思います。エジルとアレクシス・サンチェスが普通にプレイすれば、それだけでも相当強いチームなのは、昨季最終盤のプレミアリーグ5連勝で確認させていただきました。ただし新シーズンは、コンテ、ペップ、モウリーニョの3人はさらに戦力を増強し、クロップ監督も課題を解決するべくコンセプトにフィットした人材を呼び寄せるはずです。今こそ、変化を!シーズンの始まりを告げるコミュニティシールドが、ヴェンゲル監督のファイナルバージョンとなるかもしれないニューモデルのサッカーを披露いただく極上のプレゼンの場になることを期待しています。

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“「BBC」ほか現地メディアに2年契約で合意と報じられたヴェンゲル監督に、明確な変化を期待します!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    そこまで失敗だったんですかね?あれだけの資金をかけて無冠だったり6位だったり、あるいはチャンピオンチームと同様に日程面での圧倒的なアドバンテージがある中でやっぱり無冠だったりする「名将」達がいるなかで。あぁ、彼らには最初のシーズンという言い訳があるんですよね。(最初のシーズンで優勝した監督って結構いるような気がするので、それすら言い訳になるのかよくわかりませんが)

    CLを逃したのは確かに悔しかったですけど、他の1強、2強リーグと違うので、今年の結果も受け入れられます。他の5チームも必死なんだから。それがイングリッシュ・プレミアの魅力ですし。

    個人的には既定路線だと思っていたのでヴェンゲル続投については特に何もありません。また、毎年恒例の「使え使え詐欺」にもそこまで乗れません。FW1人に50m£で十分じゃないでしょうか。エジル・サンチェスは更新しなければフリー退団でも別にいいように思います。1年間現行のサラリーで使えれば、今提示している額との差分で30m£ぐらい浮くはずですよね。

    それにしても来シーズンが楽しみです。むしろCLのない日程でどんな結果になるのか正直興味があります。何せ初めてなもので。ELに中途半端に参加する必要なんかないと思ってます。今年2位で賞賛されているチームは過去5年間で4回も出場して最高位がベスト16ですからね(ガナーズのCLでの成績より酷いな、これ)。GSは完全に2軍で、仮に勝ち進むことができたらround16ぐらいからベスメンで十分じゃないでしょうか。

    ヴェンゲル監督、誰が何と言おうが、世界最古の権威ある大会で7度カップを掲げたのはあなただけです。今生きている人間の誰もこの記録が破られるのを見ることはないですよ。

    —–
    トマシュさん>
    論旨は、「アーセナルは失敗だったか成功だったか」にはありません。ここでいっているのは、当事者が「失敗だった」という明確なスタートラインを置かないと、危機感が上がらず変化は起こしにくいということです。無冠のクラブと比べたら悪くない成果だと思いますが、比較論ではなく、サポーターも選手たちも「ビッグタイトルを獲る」という絶対的な価値に向かって走っているなかで、さまざまな形でストレスが表面化したシーズンだったと受け取っておりますので。ちなみに私は、失敗だったというより「もったいなかった」という感覚です。

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