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アッレグリは破談!?…ならばヴィエラ抜擢はいかが?アーセナルの新指揮官を考える。

5日ほど前に、「BBC」がルイス・エンリケとマッシミリアーノ・アッレグリに絞られたと報道しておりましたが、アーセナルの新監督選びは難航しそうな雲行きです。元バルサ指揮官のほうは、高い年俸がネックになるといわれており、プレミアリーグにチャレンジしたがっていると伝えられていたユーヴェの監督についても、ここへきて多くのメディアがトーンダウン。「ザ・サン」が、プレミアリーグ6位からの巻き返しを図る名門クラブとイタリア人監督が「口頭で合意に達した」と主張している一方で、他のメディアは「アッレグリに鼻であしらわれる(エクスプレス)」「イタリアに残る意向(インディペンデント)」と、軒並み懐疑的です。

「インディペンデント」がイタリアからの名将の招聘に否定的なのは、コッパ・イタリアを制した直後にアッレグリ監督がユーヴェ残留をほのめかすコメントを残しているからです。「われわれは次のタイトルのために戦わなければならない。私はユーヴェと契約しており、毎年、シーズンの終わりには将来のプランについてミーティングを実施している」。イタリアメディアの大半は、4シーズン連続でセリエAと国内カップのダブルを達成する寸前の監督は、ユーヴェに残ると予想しています。

「エクスプレス」は、アッレグリが来たがらない3つの理由を挙げています。現有戦力のクオリティ、補強予算、そして「filling Wenger’s shoes~ヴェンゲルが履いていたシューズを埋める難しさ」。チャンピオンズリーグで2年連続のファイナリストとなった指揮官が、プレミアリーグ6位からの巻き返しとヨーロッパリーグ制覇というミッションを引き受けるためには、クラブからのバックアップは必須でしょう。エジル、オーバメヤン、ムヒタリアンに高額のサラリーを支払っているクラブが、財布の紐を堅く結んでいるのが見えれば、勝てるチームで仕事を続けるほうに傾くのは理解できます。

本命に挙げられていた実力者たちが難しければ、次なる候補は、アルテタやヴィエラなどのクラブOBと、ホッフェンハイムの30歳指揮官ナーゲルスマンなどの若手です。意中の監督と折り合えず、デヴィッド・モイーズに声をかけて混乱の扉を開いた2013年のマンチェスター・ユナイテッドと同じ空気が漂ってきました。このうえアーセナルが、ライバルの失敗のトレースを回避するなら、選手やサポーターがひとつにまとまれるOBを抜擢するのがいいのではないでしょうか。2008年にBチームからペップを引き上げたバルサや、2016年にベニテスの後釜にジダンを据えたレアル・マドリードのように。

私は、以前にアッレグリを推していた時期があったのですが、彼を含む名将たちが難色を示すのであれば、単純にレベルを下げるのではなく、発想を変えたほうがいいと考えています。ペップ・グアルディオラが「既にトップクラスの監督だ」と絶賛するパトリック・ヴィエラはどうでしょうか。明るくクレバーで、人当たりの柔らかさと勝利への執念を兼ね揃えたキャラクターは、ガナーズのカラーを継承してくれそうです。予算がないならCB獲得に集中させ、セントラルMFにメートランド=ナイルズ、サイドのリース・ネルソン、前線のエンケティアなど、若いタレントの成長を促すチーム作りを進めていただければいいでしょう。

オーバメヤンとミキはさらなるジャンプアップが期待でき、パスコースをカットする守備に長けたエルネニーは、役割を明確にすればもっと活躍できるはず。コラシナツは、セントラルやインサイドMFにコンバートしてもおもしろいのではないでしょうか。今の戦力を十全に活かし、ベジェリンやイオビに続く若手のブレイクがあれば、アーセナルは戦えるのではないかと思います。

ヴィエラを招聘するなら、クラブとサポーターは「3年後に笑えればいい」と腹をくくり、最初のシーズンの多少の不振には目をつぶる覚悟が必要でしょう。一瞬しゃがむのはOK、しかし混乱だけは絶対に許さない、と。本日は、ヴェンゲル監督のラストゲーム。感傷的な90分が終われば、アーセナルは次のステージに向かって走り出します。いつまでも、彼ららしくあってほしい。難しい状況になりつつある指揮官選びに、引き続き注目してまいります。

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“アッレグリは破談!?…ならばヴィエラ抜擢はいかが?アーセナルの新指揮官を考える。” への2件のフィードバック

  1. stotina より:

    更新おつかれさまです。

    シーズン当初、オックス移籍に際して「クロップの戦術的要求に応えられるのか」と本欄で懸念を表明したところ、makotoさんは「リヴァプールの面々もそうだったように、開花の可能性がある」旨、お答えくださいました。
    当時は、なるほど、そういう見方もあるか、と思ったものです。
    リヴァプールの試合は丁寧に見ていませんが、ファンの方の意見を聞くにつけ、makotoさんのポジティブな見識が正しかったのだなぁと、改めてその慧眼に驚き、敬意を表する次第です。

    オックスの成長は同時に、ヴェンゲルさんのやり方の限界も見せてしまったように思います。
    オックスにはたまたまヴェンゲルではなくクロップがマッチしただけかもしれません。
    ただ、ファンの贔屓目込みで言えば、現存のアーセナルにはこの手の「オックス的」選手が多く、ここ数年のヴェンゲルさんは(新戦力のインストールも含め)現有戦力を活かしきれていなかったように思っています。
    CBの補強は必須ですが、現有戦力のレベルアップの余地が十分にあり、それだけでも競争力を上げられると考えるのは楽観的ですかね(苦笑)。

    ヴィエラがMLSでどのようなチーム作りをしているのか、勉強不足で寡聞にして知るところではありませんが、新監督には現有戦力のレベルアップにどこまで方法論を持っているのか、一ファンとしてはそこに注目したいと思っています。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    個人的にはジオことファン・ブロンクホルストに戻ってきてもらって監督になってほしいです…

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