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現地メディアが徹底分析!エメリ改革がアーセナルにもたらした3つの変化。

9試合で得点26、失点は8。プレミアリーグで6連勝、ヨーロッパリーグとカラバオカップを合わせると公式戦9連勝。ウナイ・エメリ監督率いるアーセナルが、予想外の快進撃を見せています。好調のチームに反応したのは、「テレグラフ」。「What exactly has changed at Arsenal under Unai Emery?(エメリ監督の下で、アーセナルはどこが変わった?)」と題された記事で、ヴェンゲル時代と現在のチームを比較し、エメリ改革によってもたらされたポジティブな要素を紹介しています。3大変化を挙げるなら、「柔軟かつ緻密な戦術」「トレーニングの強度UP」「競争意識の向上」でしょう。

元スペイン代表FWのホアキンが「ポップコーンが足りなくなるほどビデオを見せられた。彼はフットボールに取りつかれている。病気だね」と語ったほどの戦術オタ…いや、戦術家にとっては、相手によってフレキシブルに戦い方を変更するのは当たり前。「テレグラフ」は、ヴェンゲル監督がELで戦ったエステルムンドについて驚くほど知らなかったのに対して、エメリ監督はカラバフ戦でも徹底的に相手を研究すると指摘しています。3バック、4-2-3-1、2トップ…ベースのシステムは4-3-3ですが、戦況によってめまぐるしく布陣を変えるのがエメリスタイル。口が悪いイギリスメディアは「ヴェンゲルが10年かけてやったことを、エメリはフラム戦とカラバフ戦だけでやってのけた」と表現しています。対応力が高いモンレアル、ルーカス・トレイラや、中も外もこなせるウェルベック、オーバメヤンの存在は、新監督がめざすフットボールを完成させるために重要なキーとなりそうです。

トレーニングの強度が上がった恩恵を最も受けているのは、アレックス・イオビです。「自分の思い通りにうまくいかなくても、ボスは批判せず、試し続けるといってくれている」。プレミアリーグで見せるイオビのアグレッシブなサイドアタックに、歓喜しつつびっくりしているグーナーは多いのではないでしょうか。「新しいトレーニングを楽しんでいるのは、自分だけではない」。イオビの言葉を紹介した記事は、著しい成長を遂げているスミス=ロウと、クロスが改善されて昨季プレミアリーグの3アシストを既に決めているエクター・ベジェリンの名前を挙げています。「彼はいつも僕らと話している。とにかくミーティングが多いんだ(スミス=ロウ)」。2-0で勝ったワトフォード戦の後、チーム全体の動き方を説明するためにヒートマップを作成したエメリ監督の指導法は、自由放任を旨としていたヴェンゲル監督とは正反対です。

3日前に先発メンバーがわかっていたヴェンゲル時代の末期は、エジルやアレクシス・サンチェスにはレギュラーの座が約束されており、AチームとBチームが明確に分かれてしまっていました。ジルーやウォルコットがクラブを離れた最大の理由は、Bチームであることを意識させられたことによるモチベーションの低下だと思われます。エメリ監督のメンバー発表は試合当日で、エジルやオーバメヤンといえども、きっちり仕上がっていなければベンチに置かれます。ベルント・レノとルーカス・トレイラは即戦力採用でしたが、彼らがプレミアリーグで先発するまでに相当時間がかかりました。シーズン前はエメリのキーマンと目され、7節までは全試合スタメンだったラムジーも、フラム戦でピッチに入ったのは67分でした。競争意識が高まれば、若手のモチベーションが上がります。イオビ、ホールディング、グエンドゥジ、スミス=ロウに加えて、負傷離脱中のメートランド=ナイルズもブレイクが期待できるのではないでしょうか。

「デイリー・メール」が、昨日のトレーニングをレポートしています。U-23チームの監督に就任したフレディ・リュングベリがファーストチームをサポート。自信をもってプレイできているラカゼットは、とてもいい表情をしています。9連勝中のすべての試合で2ゴール以上をゲットできている理由のひとつは、ラカゼット、オーバメヤン、エジル、ミキ、イオビらが速攻を狙う意識を高め、連携のクオリティが向上しているからでしょう。このチームはさらに強くなれるのか、プレミアリーグの上位に勝てるレベルに早期に達するのか。11節のリヴァプール戦が、この秋最初に迎える大きなハードルです。

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“現地メディアが徹底分析!エメリ改革がアーセナルにもたらした3つの変化。” への3件のフィードバック

  1. ゆゆ より:

    更新お疲れ様です。
    ガナーズも前任者の影響が残ってしばらく停滞するかと思いましたが、仕上がりが早いですね(ヴェンゲルが強烈に引っ張るタイプじゃなかった分依存は少なかったかもしれません。)
    リヴァプールファンとしてはこの不調期で当たるのは嫌な一方、時間と共に更に仕上がる気もして複雑です。が、眠い試合にだけはならないと思うので名勝負を期待します!

    —–
    上位チームとの対戦はありませんが、ここまで上手くいくとは、、
    特にアウェイで後半に勝ちきれるようになったのは今までとの大きな違いです。
    リバポで腕試し、12月のスパーズ、ユナイテッドで恐らく4位争いのキーマッチになると思われるので、ここで連勝したいところです。

  2. エミリー より:

    トレイラ、レノの獲得も大当たりだけど、今季最高の補強はエメリ監督ですね。
    ヴェンゲルさんを悪く言いたくないけど、さすがにこの10年で、何をやってたのか?と思ってしまいますね。

    半病人だったチームに、新鮮な酸素と栄養が行き渡り、血流が改善されたような感じがします(笑
    何年かぶりに、上位チーム相手にも楽しんで観戦出来そうです。
    下位チーム相手にすら、ビクビクしなきゃならないサッカーしてましたからね。
    リバプール戦、めっちゃ楽しみです。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    水を差すつもりはありませんが、まだリバプールに勝つのは厳しいでしょうね。
    公式戦9連勝は素晴らしいし、確実にベンゲル末期よりいいチームになっているとはいえ、リバプール、シティ、チェルシーとは差がある。
    舞い上がらずに、今季はなんとかユナイテッド、トッテナムの上に滑り込んで、土台を固め、来季以降はもう少しエメリに予算を上げて本格的に優勝争いに加わってほしいですね。

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