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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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オフィシャルは呆然、失望…アーセナルの主将コシールニーがプレシーズンツアー帯同を拒否!

Laurent Koscielny has refused to travel to the US for our pre-season tour.We are very disappointed by Laurent’s actions, which are against our clear instructions. We hope to resolve this matter and will not be providing any further comment at this time.(ローラン・コシールニーは、われわれのプレシーズンツアーのためにアメリカに旅立つことを拒否しました。明確な指示に反しており、ローランの行動にとても失望しています。 われわれはこの問題が解決されることを望んでおり、現時点でさらにコメントを供することはないでしょう)」

ニッポンのスポーツ新聞における決まり文句である「激震」という表現がぴったりの事件です。プレミアリーグのTOP4奪還をめざすアーセナルが、キャプテンのプレシーズンツアー帯同拒否に関する声明を発表しました。「Club statement – Laurent Koscielny」と題されたコーナーで使われている言葉は、「拒否」「失望」などフットボールクラブの公式サイトではあまり見かけないものばかりです。アーセナルで10年めという節目のシーズンを迎えようとしていたコシールニーは、サポーターと別れを惜しむ時間もないまま、母国フランスに帰ってしまうのでしょうか。彼とアーセナルは、2020年の夏まで契約期間を残しています。

プレミアリーグ9シーズンで、225試合22ゴール。長きに渡って最終ラインを束ねてきた33歳のベテランCBについて、「BBC」のデヴィッド・オーンスタイン記者は「昨シーズン末からアーセナルとコシールニーは将来について話し合いを重ねており、クラブはポジティブな方向に進んでいると感じていた」とレポートしています。状況が急変したのは、コシールニーが夏休みを終えてノースロンドンに戻ってからでした。フランス人CBはリヨン、レンヌ、ボルドーのターゲットとなっており、ボルドーは3年契約を提示したと伝えられています。

母国のクラブからの誘いが、コシールニーにプレミアリーグを去ることを決断させたようですが、ガナーズは「適切なオファーがないなかで、移籍は認められない」という至極当然のスタンスです。最終ラインの真ん中は、強化すべきポジション。「BBC」の記者は、「コシールニーの振る舞いは、アーセナルのオフィシャルを呆然とさせた」と表現しています。「アメリカでトレーニングを続けなければ契約違反だが、事件が起こった後もキャプテン剥奪には至っていない」。双方とも、話し合いの余地を残しているのでしょうか。

強引な行動の裏には、思うようにプレイできない焦りや苛立ちがあるのでしょう。ここ数年は、慢性的な負傷に悩まされ続けていました。アキレス腱断裂でロシアワールドカップを諦めた後、フランス代表引退を表明した際には、周囲に対する不信感を隠しませんでした。「調子がよければ友人がたくさんいるが、ケガをしてしばらくすると忘れられてしまう」「多くの人に落胆させられた。(フランス代表のディディエ・デシャン)監督だけじゃなくてね」「フランスの優勝は、負傷以上に精神的なダメージとなったのは確かだ」。クラブがCB獲得に奔走しているという報道は、1年前の落胆をフラッシュバックさせる要素になってしまったのかもしれません。

この状況で、プレミアリーグに残ってくれとはいえません。どちらが悪いのかを論じる必要はないでしょう。できるだけ早くアメリカ行きのチケットを手配し、クラブやサポーターとの約束を果たしたうえで、納得のいく着地を見出してほしいと願うのみです。一時の激情が霧散した後に、功労者にふさわしい去り際があればと思います。エドゥがフロントに加わったアーセナルは、キャプテンの後継者となるCBを探し続けています。チャンピオンズリーグに復帰したいクラブが、新戦力を獲得する目処が立たないのに、契約が残っている大黒柱の放出について論じないのは当然です。

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“オフィシャルは呆然、失望…アーセナルの主将コシールニーがプレシーズンツアー帯同を拒否!” への8件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    選手達もごねれば移籍できるってわかってるのでしょうね。
    こういう不義理が横行してるのが残念です

  2. かーと より:

    本当に悪循環ですね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    アーセナルファンではない私には10年近くアーセナルの選手として戦った選手に不義理だと断定するのはひどいのではと思わせられます。
    義理不義理を語るのなら果たしてアーセナルフロントの近年の混乱は選手への義理を果たしているのでしょうか
    年俸が全てではないと考えます

  4. ぐなです より:

    更新ご苦労様です。

    コシェルニーは苦しい時期を支えてくれた功労者ですからキャリアの終わらせ方は選手の希望を・・・と確かに思いますよ。それでもこのやり方は擁護するのが難しいと言わざるを得ません。最悪の別れになりそうです。

    今夏のアーセナルは本当にネガティブですね。資金不足が原因で補強が出来ないだけでなく資金を補填する意味でも絶対に必要な放出が進まない・・・実現性に乏しい噂が紙面を賑わせたあげくキャプテンが移籍を志願ですからね。
    この時期にチーム最大の補強箇所に新たな補強の必然性が出るなんて悪夢です。

    —–
    グーナーです。
    この報道にはさすがにグッタリきました。。
    どちらが悪いとかはもう少ししたら分かると思うのでここでは触れませんが。
    とにかく「なんかもう疲れちゃったよ。。。」という気持ちです。
    つらい。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    契約違反のバックレが不義理じゃないとか・・・笑

  6. ひとっちゃん より:

    もうさ、なるようにしかならないよね(笑)
    この夏の混乱も、結局は自分達がだらしない終盤戦で勝ち星を落としまくったツケだから、甘んじて受け止めるしかないですよ。
    若手もフルに使って、現状維持を命題に乗り切るシーズンになるんじゃないですかね。

    コシェルニーの足の状態を考えれば、もうラストイヤーなんだろうから、自分で選んだのなら、母国でやらせてやりたいです。
    久々のトロフィーだったFAカップを、メルテザッカーと一緒に掲げた時の感動と感謝を、こんなふうに終わらせるのは悲しいので、自由にさせてやりたいです。
    てか、今季のアーセナルにいたら、引退後の生活に支障がでるくらいに酷使されるだろうし。

    —–
    現体制だから起きた事案のような気がします。
    ボス(ヴェンゲル)は、最終的には選手の意向を最優
    先にしてたから、こういう事はあまり起きなかった
    と認識してます。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    他のレポートを見ると信頼を得られないのではなくむしろ酷使された事が要因の一つみたいですね。昨シーズンの状況を考えると仕方ない部分はあるにせよ年齢と怪我を考えると本人にとっては使い捨てのように感じたのかもしれないので、移籍志願自体は理解出来ることは出来るのですが……

  8. えめりんご より:

    チームを出たいと思うのは仕方ない。
    そういう風に思わせるチーム、フロントの責任も大きい。
    ただ、今回の件の1番の問題はロロの「フリーなら声かかると思うから契約解除して。してくれないなら遠征に帯同しない」という態度ではないでしょうか。

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