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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最大のテーマは中盤の守備力強化…数字で見る「ガナーズの弱点とエメリ采配の課題」

エミレーツに、「エメリ・アウト」のボードが掲げられるようになりました。ポルトガルリーグで4番手の格下ヴィトリア・ギマランエスに、ホームで残り15分まで1-2という煮え切らない展開にストレスを溜めたグーナーは少なくないでしょう。プレミアリーグでは4勝3分2敗で5位に着けていますが、エースのオーバメヤンのゴールを除けば1勝3分5敗と降格候補に転落。ヨーロッパリーグは、若手を抜擢しながらの3連勝と順調ではあるものの、ニコラ・ペペの超絶FKやマルティネッリ&サカのミドルなど個の力でもぎ取ったゴールが目立ちます。

ヴィトリア・ギマランエス戦で打たれたシュートは、自分たちより1本多い17本。プレミアリーグ5節のワトフォード戦で31本のシュートを喰らったチームは、昇格1年めのアストン・ヴィラにも14本、1-0辛勝のボーンマス戦も10本、貧攻に悩むマンチェスター・ユナイテッド戦でも16本と、とにかくシュートを打たれまくっています。中盤に誰を置いても課題が解決しないのは、守備の戦術に根本的な問題を抱えているからだと思われます。

象徴的なスタッツを紹介しましょう。プレミアリーグ9試合のうち5試合が2失点以上、インターセプト73回はリーグ最下位で、1試合当たりの空中戦勝利は19位。強いチームはポゼッション率が高く、パスカットの回数は少なくなる傾向があるのですが、ビッグ6で最少という数字はやはり気になります。オウンサード(ピッチを3分割したとき、自陣寄りの1/3のエリア)でプレイしている時間が32%もあり、昇格組のノリッジとアストンヴィラに次ぐ高い数字となっています。

ビルドアップの精度は上がらず、自陣で奪われてカウンターを喰らうシーンが減らず。前線からのプレスはランダムで、中盤の選手が上がった際のスペースを埋めるカバーリングも徹底されているとはいえません。ルーカス・トレイラ、ダヴィド・ルイス、カラム・チャンバースなどパスカットやチェックに長けた選手をアンカーに置いて、バイタルエリアにフリーで入られる頻度を減らせば、CBの負担は軽減されるでしょう。

ダヴィド・ルイスとパパスタソプーロスのシュートブロックは21回で、これを超えるCBコンビはヴィラのタイロン・ミングスとエンゲルス、バーンリーのベン・ミー&タルコフスキーのみです。課題は明確、しかし改善の気配はなし。試合を重ねるごとに、OBや評論家の言葉は厳しさを増しています。

「エメリが選手を連携させられているとはとても思えない。セットプレーで弱く、率直にいえば私がいた頃と変わっていない。全員がもっと責任を背負うべきだ」(ファン・ペルシ)
「ヴェンゲルが指揮を執っていた頃より悪くなっているように見えるね。彼が指導していたら、相手のよさを封じる策を講じていただろう。あれほど相手の強みを引き出させるようなことはしないはずだ」(ジェイミー・キャラガー)

アストン・ヴィラを3-2で下したホームゲームは、80分過ぎからの逆転というきわどい展開。シェフィールド・ユナイテッドには1-0でクリーンシートの勝利を許しています。2点差以上の勝利は1度もなく、昇格クラブ相手に接戦続きでは勝ち点を確実に稼げる対戦はありません。今後のプレミアリーグは7試合続けて中堅・下位クラブとの対戦となりますが、エメリ監督は勝利を重ねて外野の批判を抑えることができるでしょうか。監督解任が噂されているトッテナムとは3ポイント差、14位に沈むマンチェスター・ユナイテッドとは5ポイント差しかありません。

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“最大のテーマは中盤の守備力強化…数字で見る「ガナーズの弱点とエメリ采配の課題」” への5件のフィードバック

  1. ゆゆ より:

    いい選手は若手も含めて揃っていると感じますが、使いこなせていない。しかも試行錯誤ではなく、頑なにパフォーマンスが良くない選手を使い、良い選手を使ってない印象が拭えないのが正直なところです。
    エメリは嫌いじゃないからもう少し上手くやってほしいけど、昨日のレスター戦を見ていたら再来週うちもやられそうと率直思ってしまいました。。

  2. エミリー より:

    中盤にパトリック・ヴィエラが君臨したアーセナルを知るものにとって、もうたっぷり15年以上は歯がゆいまんまでアーセナルは戦い続けている。
    あの黄金期でさえ、名将と言われたヴェンゲルよりも、実はヴィエラの偉大さがチームの強さの60%だと思っているヴィエラ信者の私にとって、中盤スカスカの今季のアーセナルは、違う競技でもしてるような違和感しかないです。
    トレイラが来たとき、睨みを効かすようなキャプテンシーは置いといて、あの役割をしてくれそうなヤツが来た!と歓喜しましたが、監督は不思議な使い方をしてしまって、どういうつもりなのか?
    エメリアウトのプラカードが出たしたようですが、この週末の内容次第で、私もそういう心境になるかもしれません。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ある意味、中盤が問題なのであれば、エメリには早く引いてもらってヴィエラ、リュングベリ、アルテタ辺りに期待した方が、と安易に思ってしまうほど開幕からうんざり。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    レスター相手に勝てる気がしません。。
    アーセナルとレスターのどちらが強いかは最終的な順位が証明するでしょうが、少なくとも「声をあげて応援したくなる魅力を感じる」のは今のレスターの方が上てす。

  5. ひとっちゃん より:

    選手はある程度揃っているから、適正ポジションに
    配置するだけで今よりもまともで魅力的なサッカー
    ができるはずと思います。
    無能な指揮官をさっさと首切って、マンUに拐われ
    るまえに、前ユーベ監督を連れてきて下さい。
    断言できるレベルで、今よりは決して悪くはなら
    ないから。

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