偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグは2勝3分1敗で10位。カラバオカップはトッテナムにPK戦で敗れて4回戦で終了となり、チャンピオンズリーグはセヴィージャ相手にホームでスコアレスドロー。夏のマーケットでビッグディールを連発したチェルシーが、思うようにポイントを獲得できずに苦しんでいます。新エースのティモ・ヴェルナーは公式戦8試合3発2アシスト、カイ・ハヴェルツは8戦4発2アシストとまずまずの数字を残しているのですが、不安定な守備を改善できなければ勝ち点を伸ばせないでしょう。本日は、チャンピオンズリーグのグループステージ第2節、ロシアのクラスノダールとのアウェイゲーム。ランパード監督は、プレミアリーグでは未だ先発ゼロのツィエクをスタメンに組み込んでいます。

GKエドゥアール・メンディ、DFアスピリクエタ、ズマ、リュディガー、チルウェル。中盤センターにカンテとコヴァチッチ、2列めにハドソン＝オドイ、カイ・ハヴェルツ、ツィエク、最前線にヴェルナーという布陣です。開始早々にきわどいミドルを2本喰らう不穏な立ち上がり。マンチェスター・ユナイテッド戦でチームを救った守護神メンディは、今日も忙しくなりそうです。しかし12分、最初にチャンスをつかんだのはブルーズでした。

アスピリクエタのグラウンダーをニアで受けたヴェルナーが、チェルノフに足を引っかけられてPK。いつものようにGKのタイミングを外したジョルジーニョはポストに当ててしまい、跳ね返ったボールはGKサフォノスの背中にヒット。こぼれ球を拾ったヴェルナーの左足シュートは、マルティノヴィッチがブロックしました。何としても先制したいチェルシー。17分にアスピリクエタのクロスに競り勝ったハドソン＝オドイはヘディングを打ち上げてしまいます。19分、ヴィエリナが放った左足ミドルは、ズマにヒットしてゴール右隅へ。コースが変わり、メンディが1歩も動けないボールでしたが、ポストの脇に切れて助かりました。

29分、ドリブルで中央に持ち込んだツィエクが左足を振り抜くと、サフォノスが左に飛んで冷静にキャッチ。アウェイチームがゴールを決めたのは37分でした。カイ・ハヴェルツのパスをボックス左で受けたハドソン＝オドイが、右足で狙ったコントロールショット。サフォノスがキャッチして終わりと思いきや、まさかのファンブルで後ろに逸らしてしまいました。43分、アスピリクエタの速いクロスをサフォノスが触れず、カイ・ハヴェルツが頭に当てますが、ボールは大きく跳ねてバーの上。0-1で折り返したチェルシーは、なかなか追加点が奪えず、クラスノダールのサイドアタックに対応する時間が増えています。

48分、左からのクロスをニアで後ろに逸らしたウトキンのヘッドは、クロスバー越え。61分にリュディガーのクリアを戻りながら叩いたチェルノフのボレーは浮き上がってしまい、メンディが余裕をもって見切りました。65分のウトキンのFKは壁にヒット。2分後、ボックス左に抜けたベリがニアに放った一撃も、新守護神が左に反応してセーブしました。追いつかれるかと思われたチェルシーが追加点をゲットしたのは76分。ニアでパスをもらったプリシッチが右足でシュートを打つと、マルティノヴィッチの腿に当たったボールが開いていた右手に触れ、PK。ヴェルナーがゴール左隅に突き刺し、勝負は決しました。

79分には、ボックス左からのヴェルナーの折り返しをツィエクが足元に収め、左に流れながらクロスに決めて0-3。90分には途中出場のタミー・アブラハムが右からグラウンダーを通し、PKをもらった位置に入ったプリシッチが、今度はサフォノスの股間を抜きました。ポゼッション71%とゲームを支配しながらも、後半はやきもきさせられる時間帯がありましたが、0-4は文句なしの着地です。

次節のプレミアリーグはバーンリー、8節はシェフィールド・ユナイテッドと降格ゾーンにいる不振のチームが続き、CLはレンヌとの連戦です。ランパード監督のチームは、クリーンシートの勝利をきっかけに波に乗ることができるでしょうか。プレミアリーグにフィットしつつあるヴェルナー＆カイ・ハヴェルツと、プリシッチ、ツィエクが本領を発揮すれば、攻撃力は間違いなくトップクラスです。