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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ドルトムント圧勝!1対1の攻防にことごとく勝利したレヴァンドフスキ

スペインVSドイツ第2弾、ドルトムントVSレアル・マドリードは、前夜に引き続き予想外の大差でドイツがスペインを圧倒しました。4-1というスコアは、ドルトムントにしてみれば大満足、望外のアドバンテージですが、レアル・マドリードもアウェイゴールを奪えたため、ホームで3-0なら射程圏内。4月30日のセカンドレグは、捨て身で攻勢をかけてくるレアル・マドリードとサンチャゴ・ベルナベウのサポーターの勢いを、ドルトムントがどう抑えるかというエキサイティングなゲームになりそうです。

ボールポゼッションは48対52とほぼ互角。ホームのドルトムントのほうが、チャンスもシュートも多かったのは事実ですが、ここまで差がつくゲームではありませんでした。点差を生んだのは、オフサイドラインぎりぎりを巡るFWレヴァンドフスキとレアル・マドリードDF陣との攻防。今夜のペペには、レヴァンドフスキほどのシビアさがなかったのでしょう。前半8分、ゲッツェのクロスに右足を伸ばして決めた先制点は、動き出しからポジション選びから、すべてにおいて一歩早かったレヴァンドフスキの完勝。55分にオフサイドぎりぎりから一瞬抜け出してフリーになった2点めは、彼の動きから目を離してしまったペペのミス。左からのグラウンダーをトラップして引き技で相手の足をかわし、ここしかないというニアの高めにぶちこんだ3点めは、シュートまでのイメージが明確だったポーランド人FWと、体を寄せきれず足元に入れなかったDFの差から生まれました。

これでハットトリック、キレキレのレヴァンドフスキに、66分にはマルコ・ロイスがシャビ・アロンソに倒されて得たPKがプレゼントされます。集中力が高まり、結果が出て自信がついた人間はこうも強気になれるのか、と思わせるど真ん中への強シュートで、難なく4点めをゲット。こうなると、後はこの点差をキープできればとばかりに後ろを固めるドルトムント。選手交代に時間をかけ、時折カウンターを仕掛けながら、狙いどおり3点差のままゲームセット。出足の早いドルトムント守備陣を崩すイメージを持てていないレアル・マドリードには、この点差を詰めることはできませんでした。

アルベロア、エッシェンの欠場で、ディフェンスラインの変更を余儀なくされたことが、この結果の呼び水になったのでしょう。とはいえ、ひとりふたりの選手の不在で大崩れしてしまうようではCL準決勝は勝ち抜けないわけで、ましてや普段からDFの顔ぶれをかなり動かしているモウリーニョ采配なら、レヴァンドフスキとペペのマッチアップで劣勢になっている状況を改善できたはずです。

ギュントガンを中心とするドルトムントの中盤は、守備にまわれば対応が速く、攻撃時にはダイレクトやワンタッチでシンプルにパスをつなぎ、パーフェクトといっていい出来。もし、駒が不足しているDFラインは触りにくいというなら、モウリーニョ監督の腕の見せどころは、中盤での優位を取り戻すことだったのかもしれません。だとすれば、対応があまりにも遅かった。機能していなかったモドリッチを外したのは4点めを失ってから、カカを出したのは終了10分前。中盤のテコ入れが後手にまわったことも、3点差がついた理由のひとつだったように思います。

国内で圧倒的な強さを見せ、CL4強の常連であるバルセロナとレアル・マドリード。ワールドカップ王者のスペイン代表を数多く抱え、メッシとクリスティアーノ・ロナウドという世界ナンバーワンを争う選手を中心に据えたスペインの2強は、己の自信過剰から惨敗を喫したのではないでしょうか。2ヵ月前、そのレアル・マドリードに対して、ホームでナーバスなサッカーを展開し、退場者を出したことから守勢にまわって崩れたマンチェスター・ユナイテッドのサポーターとしては、自分たちのサッカーを徹底して、勇気を失わずに戦った今夜のドルトムントには「恐れ入りました」のひとことです。ドイツの底力を、あらためて目の当たりにした夜でした。

決勝は、このままドイツ対決となるのか。スペインの強豪たちが奇跡を起こすのか。次戦は、来週です。
(ロベルト・レヴァンドフスキ 写真著作者/Slawek)

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