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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

勝ち点1が唯一の収穫…復活にはまだ遠いマンチェスター・ユナイテッドの苦悩

フェライニ、クレヴァリー、キャリックと3人のセンターMFを置いて中盤を固めた割には、最終ラインが不安定なためにピンチの連続。セカンドトップがおらず、ボールをもらう動きが少ない攻撃は単調。香川真司もルーニーも不在で攻撃の組み立てができず、放ったシュートはたった4本とこの日も凡庸なチームだったマンチェスター・ユナイテッドですが、シャフタル・ドネツクの攻撃にもさしたる工夫がなく、結果は1-1のドロー。何とかウクライナから勝ち点1を持ち帰りました。プレミアリーグで苦戦している原因である攻撃の形のなさは改善の兆しすらありませんが、気温5度の厳しいアウェイゲームで負けなかったことだけが収穫です。

前半18分の先制ゴールはラッキーでした。右からフェライニがドリブルで持ち込み、ゴールライン際から折り返したボールは強さを欠き、簡単にクリアできるものと思われましたが、ニアサイドで対応したDFラキツキがクリアもキープもできず、そのままゴール前にこぼれます。これを見逃さなかったのはウェルベック。すかさず走り込み、GKの至近距離から足元を抜いたシュートが左隅に決まり、マンチェスター・ユナイテッド、久しぶりの先制点です。

しかしここからは、まるでいいところなし。センターMFが前を向いてプレーできる機会がなく、ボールをもらいにいく動きも少ないため、すぐに攻撃が詰まり、シャフタル・ドネツクの中盤に簡単にカットされます。一方、今季のウクライナリーグで3位と今ひとつのシャフタルも、ホームであるにも関わらず積極性を欠き、前半はこれといったチャンスもなく折り返します。

マンチェスター・ユナイテッドの後半最大のトピックスは、来月40歳になるライアン・ギグスがフェライニに代わって入り、レアル・マドリードで活躍したラウル・ゴンザレスを抜くチャンピオンズリーグ145試合出場という史上1位の記録を打ち立てたことでしょう。逆にいえば、45分間でクロスを2本しか入れられず、ファン・ペルシが中央から放った左足シュートが唯一のチャンスというゲーム内容は寒い限りだったということ。守っては、バレンシアとラファエウの右サイドを再三割られ、GKデ・ヘアが難しい対応を迫られます。76分には失点の原因となったDFラキツキのオーバーラップを許し、グラウンダーのクロスをヴィディッチがクリアしそこね、タイソンにこれをダイレクトで叩き込まれてついに同点。当然のように勢いづき、さらに攻めてくるシャフタル・ドネツク。4日前のWBA戦の悪夢が頭をよぎります。どうする!?モイーズ監督、攻めるか、守るか。

ああ、残念なことに結論は「現状維持」「判断保留」。必死に勝ち点1をキープするでもなく、虎視眈々とカウンターを狙うでもなく、戦術を明確にしないまま残りの15分を手なりで過ごし、ゲームセット。同点にされた時点でカードは2枚残っていたわけですから、機能しなくなっていたバレンシアやウェルベックを香川真司かナニにチェンジするなり、もっと早くフィル・ジョーンズを出して守りに手を加えるなり、何らかの手は打てたでしょう。おそらく、ピッチ上のバランスを崩すことを怖れていたのでしょうが、サイドの選手があれだけゲームから消えていたのであれば、代えてフレッシュな選手を投入したほうがポジティブだと思います。

結局、問題は先送り。今週末のプレミアリーグは最下位のサンダーランド戦ですが、誰を起用し、どうやって点を獲るのでしょうか。結果が出ないサッカーを、「他に打ち手が見出せないから」継続するのはそろそろやめないと、取り返しのつかないことになります。ぜひここからは、ルーニー、香川真司、ナニ、ヤヌザイらを使って、中盤でボールを動かすサッカーを!と希望する次第ですが、監督、いかがでしょうか。(写真著作者/Stanislav Vedmid)

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“勝ち点1が唯一の収穫…復活にはまだ遠いマンチェスター・ユナイテッドの苦悩” への3件のフィードバック

  1. Too many compliments too little space, thanks!

  2. This does look promising. I’ll keep coming back for more.

  3. That’s an ingenious way of thinking about it.

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