イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

勝てた試合だった…無念!2月が鬼門のアーセナルを再度窮地に追い込んだ、致命的な2つのミス

昨季チャンピオンズリーグでも決勝トーナメント1回戦で激突。ホーム・エミレーツで1-3という絶望的な敗戦を喫した後、アウェイの「フースバル・アレーナ・ミュンヘン(チャンピオンズリーグではスポンサーの関係でアリアンツ・アレーナとは呼びません)」では0-2とあと1点まで追い込んでいます。プレミアリーグで優勝を争うアーセナルは、2年連続でバイエルン・ミュンヘンとこの時期に対戦。1年前と違って、今季のバイエルンは世界王者であり、ディフェンディングチャンピオンです。「昨季よりも状態はいい」とヴェンゲル監督は明言していますが、最近低迷気味のプレミアリーグ勢がブンデスリーガのトップを叩くことはできるのでしょうか。この試合も、FWはジルーではなくヤヤ・サノゴです。

開始2分、トニ・クロースの強烈な左足ミドルをGKシュチェスニーが左に飛んで弾き出し、ここから一気にゲームはヒートアップ。「ゲームの75%ぐらいは支配できるだろう」と豪語していたグアルディオラ監督ですが、最初の30分、より多くのチャンスを創っていたのはアーセナルでした。最初のヤマ場は8分。ペナルティエリア左でドリブルを仕掛けたエジルが足を引っかけられ、いきなりPKです。しかし、願ってもないこのチャンスをエジルが正面に蹴って失敗!GKノイヤーは先に動いたりしないキーパーなので、小細工せずに強く蹴るか隅に蹴るかだったのですが…。エースGKの落ち着きに救われたバイエルンでしたが、この後もピリッとしません。

11分のロッベンのFK、17分のアラバのシュートはいずれもアーセナルDFが落ち着いてブロック。20分にはヤヤ・サノゴとフラミニの短いパス交換から、フラミニがミドル。23分にアーセナルは2度目のチャンスを迎えます。DFラインの裏に出たボールに駆けっことなり、負けそうになったアラバが中途半端に出したバックパスをチェンバレンが追いかけ、あわやGKと1対1。ここでも勝ったのはノイヤー。鋭い飛び出しで先着してボールを蹴り出し、またもや危機を脱します。

残念ながら、アーセナルの優位はここまで。この後の60分は、バイエルン・ミュンヘンの独壇場でした。苦戦した理由のひとつは、31分にギブスが負傷でピッチを離れたことでしょう。守備に不安のあるモンレアルは、前半のゲッツェ、後半のロッベン&ラフィーニャを抑えきれず、右からのクロスがアーセナルの脅威となっていました。そしてもうひとつ、最大の理由となったのが、37分のGKシュチェスニーの一発レッドカードです。中央で裏に抜け出したロッベンに対し、まったくボールを見ずに足を蹴ってしまった愚かなプレイは、言い訳の余地なし。冷静なノイヤーと対照的です。ヴェンゲル監督はやむなくカソルラを下げ、ファビアンスキを投入。しかし、このPKをアラバが外します。前半は0-0。昨夜のマン・シティが10人で健闘していたように、後半の戦い方次第ではホームチームにもチャンスはあったのですが…。

後半開始から、ボアテングを下げて右サイドにラフィーニャを投入し、ロッベン右、ゲッツェ左としたグアルディオラ監督の意図は明らか。エジルとモンレアルという脆弱な左サイドを崩そうという狙いです。これが完全に当たり、アーセナルはゴール前にベタ引きを強いられました。マンジュキッチ、アラバ、クロース、ロッベン…開始5分で既に5本のシュートを打たれ、54分、ついに堤防が決壊。右サイドから中央に戻したボールを、カーブをかけてゴール右隅に向けて完璧なコースを描いたのは「アーセナルキラー」トニ・クロースです。フラミニとウィルシャーにとって、最大の脅威となっていた39番の「2年連続先制ゴール」で、プレミアリーグ勢は昨夜に続いてホームでのビハインドを背負うことになりました。

追いつかないといけないアーセナルですが、ロッベンとラフィーニャが自陣左サイドに常駐を決め込み、ミドルシュートやドリブルでいいように荒らされる時間が続きます。ときどき前に出たボールは、ヤヤ・サノゴはジルーのようにキープできず、エジルが持つとすかさず2~3人に囲まれます。試合は0-1のまま膠着。ラスト15分前後で、両監督がほぼ同時に勝負をかけます。同点にしたいヴェンゲル監督は、故障のチェンバレンを下げてロシツキ。追加点を獲って、初戦で勝ち抜けを決めたいグアルディオラ監督は、中盤のティアゴを引っ込め、点取り屋のピサロ。…この勝負は、スペイン人監督の完勝でした。

残り時間10分を切ると、どうしても点がほしいアーセナルは、ロシツキが何とかボールを前に出し、時折中盤でFKをもらい、ゴール前にコシールニーまで上がるスクランブル体制。しかし85分、決着をつけたのはバイエルンです。右からのクロスに反応して、フリーでヘッドを叩き込んだのはトマス・ミュラーでしたが、最大の立役者はゴール前で右に流れてメルテザッカーを引っ張り出したピサロでしょう。空いたスペースに入ったミュラーを見るのは、外にいたサニャか元々ついていたフラミニでしたが、どちらもついていけずに痛恨の失点!…元はといえば、PK失敗と、レッドカード。アーセナルは、勝てた試合を自らの2つのミスという最悪の形で落としてしまいました。

アーセナルのセンターMF、フラミニとウィルシャーは出足もよくカバーリングもしっかりしており、エジルとチェンバレンのチャンスメイクにバイエルンは対応できておらず、開始30分は非常によかったと思います。そして、世界王者は間違いなく昨季のほうが強いチームでした。これは、ユップ・ハインケスとベップ・グアルディオラの違いというより、「リベリーとシュバイニー、バトシュトゥバーを欠くとチーム力が一段落ちる」ということのように思います。それだけに、勝てなかったのは無念。ほんとうに無念です。プレミアリーグ勢は、2夜連続で本拠地で0-2の敗戦ですね。いや、悲しい。それでも最後まで応援しましょう。昨季、アーセナルはミュンヘンで0-2で勝っているわけですから!

2013-14シーズンのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、ここまでの4試合はすべてアウェイチームがクリーンシートで勝利するという異常事態です。アーセナル、マンチェスター・シティ、ACミラン、レヴァークーゼン。この2日間で敗れた大ピンチのホームチームのなかで、次戦「アウェイの奇跡」を起こすチームはあるのでしょうか…。(トニ・クロース&トマス・ミュラー 写真著作者/いずれもMichael Kranewitter)

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“勝てた試合だった…無念!2月が鬼門のアーセナルを再度窮地に追い込んだ、致命的な2つのミス” への10件のフィードバック

  1. あああ より:

    いやー絶望的ですね。シティもアーセナルも。
    ここ最近CLではプレミアリーグは不調ですね。
    やっぱプレミア、レベル堕ちてませんか?
    CLで数年勝てないのは凋落の目安だと思ってるので。
    チェルシーの優勝は実力を反映したとは言い難いですしね。

  2. コウチ より:

    プレミアは他リーグと違って下位チームが強く、上位に勝つことも少なくないのでリーグ戦が大変だし
    カップ戦も多く日程がキツいのでCLは難しいですね。
    リーグ戦の方が大事だと思うファンも多いのでは?(笑)
    ユナイテッドが勝ち上がっていけるのか楽しみです

  3. ウィルシェア より:

    エジル……(泣)

  4. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    総論的な物言いになりますが、僕はかねてから「ベンゲルが監督であるかぎりアーセナルはCLノーチャンス」と思ってます。CLで優勝するために最も必要なのは運ですが、その運をもたらすのはディテールへの拘りと精神的勝負強さというのが持論で、ベンゲルのチームにはいずれも欠けているからです。
    今日の試合も「前半30分は良かったから、もう一度やればいける。惜しかったね」とは全く思いません。

    上記のように考えるようになった理由は単純で、実績が無いからです。
    彼らがCL決勝Tで実力上位に勝ったのは0708ミラン戦までさかのぼるはずで、他は全て順当負けですね。そして競り合いになると極端に弱い。根本的に「善戦しても結局勝てない作り」のチームに見えるんです。

    エジルPK失敗・スチェスニ退場という事態も、チームに根付く根本的勝負弱さが今回はたまたまそういった形で顕在化したにすぎず、大元の敗因はそこじゃない。そう捉えてます。

  5. オーファーマネスル より:

    管理人様
    いつも非常に楽しく拝見させていただいています。
    プレミア勢は最近非常に苦戦していますね。恐らくドイツスペインの強豪の年棒総額がファイナンシャルフェアプレーの影響てプレミアに追い付いてきたことによって、各リーグの強豪同士の選手の実力が拮抗してきた。そうした中で各国強豪の差は体力・走力=フィジカルになっているのではないでしょうか?
    シチズンズもガナーズも冬休みがなく、しかも厳しい相手と戦って中三日しか空いていません。昨日の試合もガナーズは足が止まってしまい、ヘディングの競り合いに勝てない状態でした。勿論、モンレアルは間合いが一歩遅く、守備が後手になる癖があって、昨日の敗戦は彼の責任が大ですが…。
    FAは恣意的にカップ戦で強豪同士を当てているようにしか見えませんから、プレミア勢力の欧州での凋落はFAに責任が大いにあると思います。管理人様どうか声を大にプレミア勢を擁護して下さい。

  6. リバサポ より:

    プレミアが弱くなったと言われてますが、シティもアーセナルも、優勝候補の二つと戦ってるわけで、、、
    これが、各国の中堅とかと戦って負けてるだったら、わかりますけど。
    まだまだ、この2チームには逆転目指してほしいですね。

  7. makoto より:

    オーファーマネスルさん>
    ブンデスリーガはおっしゃるとおりですね。スペインは、「上2つにお金が集まり過ぎる不平等契約」の問題だと思います。プレミアリーグの日程問題は、何とかしてほしいですね。今後とも、プレミアリーグを明るく盛り上げていきたいと考えておりますので、ぜひお立ち寄りください。

  8. makoto より:

    トーレス下さい。あ、赤い方ねさん>
    実績でいうと、「プレミアリーグでチャンピオンズリーグを勝つ可能性があるのはチェルシーのみ。他はノーチャンス」ということになりますね。準優勝監督のヴェンゲルさん以上の実績があるのはモウリーニョ氏ぐらいですから。サー・アレックスも、実力上位に勝ったのは、優勝した年である2007-08のバルサぐらいで、しかも相手の自滅待ちでした。ホーム&アウェイで、実力が上のチームに勝つのは難しいですから。

    監督は、引退するまでわかりませんよ。以前はレアル・マドリードを仕切れず、つい数年前までボルシアMGでボロボロだったユップ・ハインケスが、70歳手前で昨季のバイエルン・ミュンヘンのような素晴らしいチームを創れるとは思っていませんでした。逆に、アヤックスで一世を風靡したファン・ハール氏がバイエルン・ミュンヘンに行ったときには、何て凡庸なチームにしたんだと愕然としました。

    ヴェンゲルさんは、就任時、中期、現在と、底に流れる共通コンセプトはありながらも全然違うチームを創っており、柔軟性のある監督です。準優勝した2005-06も、キャンベル、セスク、アンリ以外に「ワールドクラス」とまで呼べる選手はおらず、あのメンバーでよく決勝を80分まで同点でいけたな、と思います。

    近年負けた相手も、ACミラン、バルサ、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘンで、ACミラン以外は優勝チーム、優勝候補揃いです。まだまだ、わかりませんよ。私は、ヴェンゲルさんが残り少ない監督キャリアのなかで、アーセナルをどうやってチャンピオンズリーグ優勝に導くのか、楽しみに観ていようと思ってます。実現するかどうかはわかりませんが。

  9. makoto より:

    あああさん コウチさん リバサポさん>
    プレミアリーグについては、「レベルの問題」「スケジュールの問題」はそれぞれ、ありそうですね。リバサポさんがおっしゃるように、「そうはいっても優勝候補と戦っている」というのはそのとおりなのですが、以前はベスト4に3チーム入っていたりしたので(その頃が強すぎた、という見方もありますが・笑)、競り負けの多さが不安です。

    イングランド人選手のレベルダウン(ルーニーやランパード、ジェラードの後継者が小粒)、パリSG、モナコなど資金力があるチームの増加、ブンデスリーガの資金力が上がっているなど、強豪クラブが増えて戦力が分散しているなかで、アーセナルやリヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドなど、プレミアリーグで「ひとりの選手にさほどお金をかけず、コストパフォーマンスを重視して選手獲得をしてきたクラブ」が割を食っているところはあるでしょう。

    戦力問題はともかく、せめて、「チャンピオンズリーグ直前のプレミアリーグやFAカップは金曜開催」というように、日程だけ調整してくれるといいのですが…。FAカップ日曜開催、などはさすがに泣けてきます。

  10. makoto より:

    ウィルシェアさん>
    まだセカンドレグがあります。そこで負けたら、気のすむまで号泣しましょう。私も、マン・ユナイテッドがオリンピアコスに負けたら、涙が一生出なくなるくらい号泣します。

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