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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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リスク承知で攻めたマンチェスター・シティ、「守備力の差&メッシの差」でバルセロナに完敗!

最近は取りこぼしが目立ってきたものの、プレミアリーグと国内カップにおいて本拠地エティハドでは無類の強さを発揮してきたマンチェスター・シティでしたが、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦・ファーストレグではバルセロナに0-2で敗れており、今日のカンプ・ノウでは2点差以上をつけて勝たないといけません。過去、初戦をホームで0-2で落としたチームが逆転したケースはなし。先に敗退が決まったアーセナル同様に苦しい戦いとなりますが、ここで勝たないと、直前のFAカップでクリシー、マイカ・リチャーズ、デミチェリス、レスコットと、コンパニを休ませDFのメンバーを落としてウィガンに敗れたことが完全なムダになってしまいます。とにかく、2点。まずは早い時間の先制点。この日のマンチェスター・シティはCBレスコット以外はほぼベストメンバー。ヘスス・ナバスではなくミルナーを入れたのは、守備を考慮してのことでしょう。

一方、スペイン国内でここ3試合で2敗を喫した不調のバルセロナ。この試合の前には「マルティーノ監督が退任を決めた」という、悪くなったチームにありがちなゴシップが飛び出すなど、チーム状態は決していいとはいえません。しかし、そうはいってもやはりバルセロナ。ホームのカンプ・ノウにネイマールとメッシが揃えば、簡単には止められません

開始10分で、マンチェスター・シティのファールは7、バルセロナはゼロ。さっそく11分にはメッシが4人をかわしてゴール右に抜け出し、シュートをコンパニがぎりぎりで掻き出すシーンがあり、バルサのエースは組織で止めないとあっけなく崩されるという現実を見せつけられます。17分には、左サイドに現れたメッシがスルーパスを受けて完全に抜け出し、ネイマールがゴール!これは微妙なジャッジでしたが、ラインズマンの旗が上がっており、マンチェスター・シティは命拾いします。

20分を過ぎると、中盤でのボール奪取からヤヤ・トゥレが攻め上がり、ダヴィド・シルヴァの左右への配球からマン・シティがサイドをえぐるシーンが増えてきますが、ラストパスが不正確でシュートまで持っていけません。それでも35分には、ヤヤ・トゥレのパスカットからナスリ、サバレタとつなぎ、最後はダヴィド・シルヴァがミドルシュート。これはゴール左上に外れますが、マンチェスター・シティらしいショートパスのコンビネーションです。37分、今度はネイマールがコラロフをちぎってニアサイドに右足シュート。38分にはメッシが裏に出したパスにシャビが飛び込むも、気合充分のGKジョー・ハートがブロック。ホームチームに先制を許しません。

そして40分過ぎに、両チームとも前半最大の決定的なシーンを創ります。先に仕掛けたのはマン・シティ。中央でボールをキープしたヤヤ・トゥレが、左で裏に走ったダヴィド・シルヴァに浮き球パス。シルヴァはこれを完璧な左足ヒールで落とし、フリーで走り込んだナスリがボレー!美しいパスワークでしたが、残念ながらシュートはGKビクトル・バルデスの正面です。バルセロナは44分、メッシが中央から突破し、左でフリーになっていたネイマールにパス。ネイマールは飛び出してきたGKハートをペナルティエリア左端につり出し、かわしてシュートを放ちますが、ゴールマウスに入っていたフェルナンジーショがヘディングでクリア。前半は0-0でしたが、優勢だったのはメッシが冴えていたバルセロナのほうでした。

ハーフタイムに、前半精彩を欠いていたアグエロがケガでリタイア。昨日、やはり45分でアーセナルのエジルがピッチを去りましたが、ただでさえ2点のビハインドを背負ったプレミアリーグ勢は、連夜で大黒柱を欠くアクシデントに見舞われます。しかし後半、開始からしばらくは、左サイドを制したコラロフが交代で入ったジェコにクロスを合わせ始め、アウェイチームに何度となくチャンスが生まれます。51分のジェコのヘッドは入ったかに思われましたが、GKバルデスがジャンプ一番、指先で弾くビッグセーブ。54分にはコラロフのクロスのこぼれ球を逆サイドにいたサバレタがフリーで狙いますが、シュートがうまく当たらずボールは左にそれていきます。

攻め合いが続くなか、最終的に勝負を分けたのは、守備力の差でした。50分にはレスコットが自陣でメッシにパスをプレゼントしてしまい、そのままメッシにかわされてポスト直撃のシュートを打たれるという「予告編」を演出。そして67分、セスクのラストパスを一度はカットしたレスコットがトラップをそらしてしまい、これを拾ったメッシがGKハートの位置を見ながら左足アウトのチップキックでゴール!第1戦でPKを献上したうえにレッドカードを喰らったデミチェリスといい、この日のレスコットといい、マンチェスター・シティはナスタシッチ不在の穴をついぞ埋められませんでした。

77分、奇跡の逆転を諦めないマン・シティはジェコが左サイドから突破。ペナルティエリアに侵入し、後ろからピケに引っ掛けられたようにみえたシーンは、しかしレフェリーの笛は鳴らず、これに猛抗議したサバレタが2枚めのイエローで退場です。残り10分で3点は、至難の業。事実上、マンチェスター・シティのチャンピオンズリーグはここで終わりました。89分、CKからジェコのヘディングシュートをコンパニが押し込み、同点に追いつきますが、91分にはアレクシス・サンチェスの裏へのパスに飛び出したイニエスタが、ゴール正面でフリーで待つダニエウ・アウベスにシュートを決めさせて2-1。マンチェスター・シティはホーム、アウェイとも完敗、トータル4-1でゲームオーバー。プレミアリーグ勢2チームめの敗者となって、失意のままスペインを去ることになりました。

昨日のアーセナルよりはチャンスを創れていたマンチェスター・シティでしたが、微妙なオフサイド判定とGKジョー・ハートの大当たりがなければ、もう2~3点獲られていてもおかしくないゲーム。ここは強かったバルセロナをリスペクトするしかありませんね。とはいえ、プレミアリーグ優勝候補の課題は明確。来季に向けて、CBを中心に守備力をUPさせれば、GKバルデスとプジョルがチームを去り、シャビやイニエスタといった主力が衰え始めるバルセロナとの立場は逆転する可能性大です。「リスクを怖れず、よく戦った!」とマンチェスター・シティをねぎらいつつ、来週登場するプレミアリーグ勢の残る2チーム、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドの勝ち抜けに期待しましょう。(ジュレオン・レスコット 写真著作者/Stanislav Vedmid)

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“リスク承知で攻めたマンチェスター・シティ、「守備力の差&メッシの差」でバルセロナに完敗!” への2件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    更新お疲れ様です。
    シティは、組織的な守り方。アーセナルはコンディションの調整など問題点が明確にわかったので、今後欧州でも勝てるチーム作りをしてくれると思います。まだまだ、プレミアの伸びしろがあると考えればワクワクしてきます。
    今週はナショナルダービーですね。
    楽しみましょう!

  2. makoto より:

    リバサポさん>
    試合中のケガ人は一定、不運としかいいようのないものもありますが、アーセナルは、トレーニングの方法に何らか課題があるのかもしれませんね。ナショナルダービー、お手柔らかにお願いします。

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