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セットプレーとカウンター炸裂!バイエルン、何もできずにレアル・マドリードに0-4惨敗!

初戦の経験を活かしたチームと、傲慢なまでに自分たちのスタイルを貫こうとしたチーム。バイエルン・ミュンヘンの惨敗は、「学習したか・対策したか」の差だったのではないでしょうか。プレミアリーグで、ポゼッションサッカーを志向するヴェンゲル監督のアーセナルが、同じような大敗を繰り返した姿を思い出しました。チャンピオンズカップ準決勝セカンドレグ。初戦でカウンターに屈した世界王者は、ホームのアリアンツ・アレナでのリターンマッチでもレアル・マドリードの巧妙な守備にはまり、ついには頼みのポゼッションまでも失いました

レアル・マドリードのスタメンに、ガレス・ベイルが戻ってきました。前線には、クリスティアーノ・ロナウドとベンゼマが2トップで並びます。カウンターの拠点を増やし、守りに入れば前線の選手がパスコースを遮断する戦術。開始早々から、バイエルン・ミュンヘンのパスは、前線にもサイドにも刺さりません。

ボールを支配しきれないだけでなく、この日のバイエルンは守備も不安定です。8分、ペナルティエリアの外に飛び出したGKノイアーがキックミス。ベイルが無人のゴールをボレーで狙い、シュートは上に外れますが、レアル・マドリードのカウンターには得点の匂いが漂います。12分には、クロスのクリアを左サイドで拾ったディ・マリアが右足シュート。攻勢のレアル・マドリードの先制点は、直後のCKから生まれました。ゴール前に後ろから入り込み、ヘッドを突き刺したのは、鉄壁CBセルヒオ・ラモス!

初戦を0-1で落としているバイエルンは、3点が必要になりましたが、DFの綻びを修正する間もなく、19分にまたもやセットプレイから手痛い失点を喫します。右サイドからのガレス・ベイルのFKに頭で合わせたのは、またしてもセルヒオ・ラモスです。0-2となった20分には、カウンターからのシュートをノイアーがファンブル。いつもの彼らしくない小さなエラーの連続に、バイエルンの焦りが見て取れます。

バイエルンの初シュートは、24分のリベリー。右サイドにポジションチェンジし、クロスに打ったシュートは、ゴール前を横切り左に外れます。ホームチームのクロスは正確さを欠き、クリスティアーノ・ロナウドを中心とするレアル・マドリードのカウンターは常にノイアーを脅かします。レアル・マドリードは攻撃に人数をかけず、CKでもゴール前には5人だけ。後ろを固められたバイエルンは、中盤でボールを奪っても早い攻撃が仕掛けられません。

33分、絶望的な3点めは、見事なカウンターで決まりました。自陣でボールを奪ったレアル・マドリードは、ベンゼマが中央から上がってきたベイルに落とし、ベイルはドリブルで一気にゴール前へ。DFのスライディングのひとつ手前で出した横パスを受けたのは、左でどフリーのクリスティアーノ・ロナウド。1対1に、ノイアーはなすすべなし。右足シュートがゴール正面に決まり、チャンピオンズリーグのファイナリストは、この一発でほぼ決定。ノイアーは、36分にもペナルティエリアの外でクリアミスを犯し、クリスティアーノ・ロナウドにあわや4点めというループシュートを喰らいます。このシュートはゴール上に外れますが、5点獲られてもおかしくなかった最悪の45分は、何とか0-3で終了。後半の興味は、世界王者バイエルン・ミュンヘンの負け方のみ。「手もなく負けるか、らしさを発揮して負けるか」。しかし、この悲しい問いへの答えすら、前半の両チームの動きをみれば一目瞭然だったといっていいでしょう。

後半が始まり、最初の15分だけはバイエルンの時間でした。両サイドでボールキープできるようになり、波状攻撃を仕掛けますが、しかし最後のパスだけはどうしても通りません。アラバ、ロッベン、リベリー、クロースのミドルはいずれも不発。後半も決定的なシーンはアウェイチームのほうが多く、64分の右クロスにファーでフリーになったコエントランのシュートや、68分にディ・マリアのクロスに合わせたクリスティアーノ・ロナウドのヘッドがノイアーのゴールを襲います。後半頭からマンジュキッチに代えてハビ・マルティネスを入れていたグエルディオラ監督は、中盤を厚くしてもゲームを支配できないとみるや、70分にゲッツェとピサロを投入。反撃のきっかけを見出そうとしますが、ゆっくりパスをまわすのはレアル・マドリード。75分、右サイドでロッベンから短いパスを受けたゲッツェがニアを狙って右足を振り抜くものの、シュートはゴールの上。これを見届けたバイエルン・ミュンヘンサポーターが、続々とアリアンツ・アレナを後にし始めます。

84分、MFカセミロとの交代でピッチを後にした功労者ディ・マリアは、アンチェロッテイと勝利を確信した抱擁をかわします。せめて最後に意地を見せたかった世界王者でしたが、彼らは最後の45分をイーブンで終えることすらできませんでした。89分、クリスティアーノ・ロナウドのFK。ジャンプした壁の足元を這っていくクレバーな一発にノイアー動けず。チャンピオンズリーグ連覇を狙ったバイエルン・ミュンヘンは、2試合トータル0-5で惨敗。レアル・マドリードの守備陣はノーミスで90分をたたみ、ファイナルへ駒を進めました。

チャンピオンズリーグにおける私の予想は、元より「レアル・マドリード優勝」。初戦にリードを得て、よりカウンターが決まりやすくなったこの試合は、アウェイゴールを奪って逃げ切ると踏んでおりましたが、ここまでの大差は想像してませんでした。以前にも書きましたが、バイエルン・ミュンヘンは、攻守のバランスがよくて速攻が冴えていた昨季のハインケス軍団のほうが、対策が打ちづらくて怖かったですね。グアルディオラのポゼッションサッカーは、中盤で深追いせずにゴール前を固め、大きく開いている高いDFラインの裏のスペースを使うという「弱点明快、対策明確」なサッカーです。とはいえ、これをやりきるのは並大抵のことではないので、レアル・マドリードの選手たちとアンチェロッティ監督には大きな拍手を送りたいと思います。結局、今回は、相手のスタイルに合わせた戦術を用意しようとしない「ペップの弱点」を目の当たりにした2試合だったのではないでしょうか。

さあ、明日のチェルシーVSアトレティコ・マドリードの試合で、ついにファイナルのカードが決まります。レアル・マドリードのデシマ(チャンピオンズリーグ10度めの制覇)を止めにくるのは、昨季までその命題を追いかけて叶わなかったモウリーニョ監督のプライドか、同じマドリードのライバルの勢いか。いずれにしても、決勝戦は「シブい激戦間違いなし」です。

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“セットプレーとカウンター炸裂!バイエルン、何もできずにレアル・マドリードに0-4惨敗!” への4件のフィードバック

  1. せお より:

    更新お疲れさまです。

    決勝はどちらが上がっても面白い試合になりそうですね!
    アンチェロッティはスター選手をまとめ上げるのが上手いですね。

  2. パック より:

    ここまで大差がつくとは思いませんでした。
    マドリーは本当に強かったですね。

    今夜の試合はプレミア代表としてチェルシーに頑張ってもらいたい。
    ケガ人が続々と復帰したようですし得意のホームでぜひ勝ってほしいです。

    あと細かい事ですがベップではなくペップでは?

  3. makoto より:

    せおさん パックさん>
    見事でしたね。アンチェロッティは優秀なモチベーターだと思います。チェルシーとの決勝になったら盛り上がりますね。

    おっしゃるとおり、ペップ(Pep)です。ベップになってますね。すみません、訂正します。

  4. スパサポ より:

    時代はポゼッションから堅守速攻へ移ってきてるのかもといった試合てましたね
    改めてレアルのカウンターの切れ味を見せつけられましたね
    グアルディオラのバイエルンは昨季のハインケスに比べで柔軟性にかけるというかあくまでポゼッションにこだわってしまいやられてしまったかな
    まさに昨季自分達がバルサ相手にやったことをレアルにやられたような試合でした(笑)

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