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アーセナル、ジルーなき消耗戦勝利でCL出場決定!ヒーローは新CF、アレクシス・サンチェス!

いや、しびれるゲームでした。本拠地エミレーツで、トルコリーグ3位のクラブに負けるわけにはいかなかったアーセナル。先週末のプレミアリーグで途中出場だったジルーを、ヴェンゲル監督はこの試合で頭から使いたかったのではないでしょうか。しかし、エースはエヴァートン戦の終了直後にピッチでうずくまり、検査の結果は「年内アウト」と報じられています。この日のワントップはアレクシス・サンチェス。土曜日はボールがうまくもらえず、前線で孤立してしまいましたが、ベジクタシュ戦では最高の仕事をしました。

ラムジー不在のなか、試合開始早々からウィルシャー、カソルラが惜しいシュートを放つなど、立ち上がりは悪くなかったアーセナル。しかし、前半も半ばを過ぎると、アウェイゴールがほしいベジクタシュが攻勢に入り、ホームチームが受け身にまわる時間が長くなります。こういう展開のときに、中盤からのパスをジルーに当てられると楽なのですが、アレクシス・サンチェスにうまくボールが入らず、プレミアリーグのエヴァートン戦同様、嫌な展開。ペナルティエリア内でウィルシャーがスライディングを仕掛け、モッタが倒れたシーンは、グーナーのみなさんは肝を冷やしたことでしょう。前半は0-0で終わるかと思われた追加タイム1分、チリ代表のストライカーが動きます。

ドビュッシーがオーバーラップからクロスを上げた後のルーズボールをウィルシャーがキープし、中央のエジルへ。この時間までは消え気味だったエジルは、右から裏へ抜けようとするアレクシス・サンチェスに最高のスルーパスを通します。目の前にGKしかいなくなったアレクシスは、右足のシュートを落ち着いてクロスに決め、1-0。このシーンの直前に、やはりアレクシスが右から飛び出し、先にシュートコースに入ったGKツェンギンが体に当てるという「予告編」があったにも関わらず、ベジクタシュは最も危険なストライカーとパサーを防ぐことができませんでした。最高の時間帯に先制点を得たアーセナルは、後半に入っても決定的なチャンスを再三、創ります。

52分、CKのこぼれ球がウィルシャーの足元に入ると、右からゴール前に走り込むアレクシスに絶妙なラストパス。シュートはDFに当たってゴール左に外れますが、追加点の予感たっぷりです。57分、ベジクタシュの反撃。オジャクプのカーブをかけたFKは、うまく落ち切らずにゴールの上。アーセナルも、カソルラのFKから右ポスト際に飛び込んだドビュッシーがヘッドを放つなど、互角の展開が続きます。ベジクタシュはサイドでは優位に立ち、クロスを入れるところまではいくものの、アーセナルの中央の守備が冷静で、シュートを打つまでに至りません。

63分、左サイドからのボールを受けたデンバ・バが左足で強烈なシュートを放ちますが、角度が足りず、ボールはサイドネット。このシュートの前後から、次第にベジクタシュの時間が増えていき、アーセナルの攻撃は、アレクシス・サンチェスやエジル、ウィルシャーのシンプルなカウンターとなります。74分、カウンターから3対2。アレクシス・サンチェスの仕掛けは不発に終わり、ボールを左に展開すると、モンレアルのグラウンダーが中央でDFより先にパスコースに入ったチェンバレンの足元へ。後半、最大のチャンスでしたが、チェンバレンのダイレクトシュートはGKの守備範囲に飛んでしまい、ツェンギンが落ち着いてブロック。この直後でした。中盤で相手をチェックしたドビュッシーに、厳しいジャッジ。2枚めとなるイエローカードで、ガナーズは10人になります。

ここから、追加タイムを入れた20分間、アーセナルは集中を切らしませんでした。エジルに代わって入ったチャンバースが右サイドを締め、フラミニやウィルシャーが中央のミドルシュートレンジをカバー。サイドでは持たせるものの、中でシュートは打たせません。唯一危なかったのは、88分、右からのクロスにデンバ・バが飛び込んだシーンでしたが、ボールは背番号9の頭をかすめて左に流れ、ベジクタシュのチャンピオンズリーグ挑戦が遠ざかっていきます。

コシールニーとメルテザッカーの落ち着いたポジショニングもさることながら、今日は守りでも、最大の功労者はアレクシス・サンチェスでしょう。彼が豊富な運動量を活かして、前線で相手を追いかけ回したことで、ベジクタシュのチャンスは4~5本は減ったのではないでしょうか。ヴェンゲル監督は、17番は代えられなかったでしょうね。ただし一方で、明らかに疲れていたカソルラか、時間を遣えばいい場面で無理なパスを通そうとする危険なウィルシャーのどちらかを、ロシツキにスイッチしたほうがいいとも思いました。拮抗したゲームで、交代がチームのバランスを崩すことを嫌うヴェンゲル監督は、結局カードを2枚余らせ、タイムアップの笛が響きます。苦しみながらもアーセナル、チャンピオンズリーグ本大会出場決定です!

試合が終わった後、ピッチに倒れ込むアレクシス・サンチェスに、少し感動してしまいました。これは、サポーターの心をつかんだでしょう。90分を通じて輝いてほしいエジルはまだまだですが、彼とアレクシスとの連携がよくなれば、引いた相手からゴールを奪うシーンも増えるでしょう。ジルーを失ったアーセナルにとって、今後の戦い方がみえてきた大きな大きな一戦。週末のプレミアリーグ、レスターとのアウェイ戦では、アレクシス・サンチェス、ラムジー、エジルが躍動するゴールラッシュを期待しましょう。

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“アーセナル、ジルーなき消耗戦勝利でCL出場決定!ヒーローは新CF、アレクシス・サンチェス!” への2件のフィードバック

  1. ガナ より:

    何かいろんな意味で楽しい試合でした笑 あの審判は一体…
    全体の連携としては良くなかったかもしれませんが、それぞれの個人の上手さが再確認出来た気がします。
    サンチェスはもちろん、モンレアル良くなかったですか?
    あと、何でロシツキ出さないんでしょう?心配です。

    —–
    心臓に悪いですね。ほっとしました。
    サンチェスの運動量、体の強さはすごいですね。ゴールも決めたしこれからのってくると思います。
    ウィルシャーのPK疑惑のシーンはスローでみると足引っ込めてたようにみえました。審判も近くでみてましたしなかったんじゃないですかね。
    とりあえずCL権とりましたし明らかにFW,DFは枚数足りないんでレンタルでもなんでも補強を願ってます。

  2. makoto より:

    グナさん>
    モンレアルよかったです。今季は、プレシーズンからいいですよね。以前の守備の軽さが解消したように思います。ロシツキは、スケジュールがタイトになれば、必ず出てくるでしょう。今はとにかく、4-1-4-1にしっかり取り組みたい、ということではないでしょうか。この仕組みでは、外側に置くのはカソルラやエジル、アレクシス優先となるのはわかります。

    ガナさん>
    アレクシスのDFからボール取り返しちゃうプレイが素晴らしいです。CLいけることが決まったので、最後の補強スイッチがいよいよ入りますね。

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