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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アグエロがチャンスをつぶすたびにピンチを救ったジョー・ハート!マン・シティも逆転で初勝利!

圧勝など、できなくてもいいのです。プレミアリーグのクラブにとっては、自分たちのサッカーさえすれば勝てる時代は終わったのです。欧州の中堅国との差がなくなった今は、相手を研究し、よく見て、気持ちで負けずにしぶとく勝ち点3を積み上げていかなければいけません。ブンデスリーガで2勝5敗と絶不調のボルシアMGといえども、プレミアリーグ優勝候補最右翼のマンチェスター・シティが簡単に勝てる相手ではありません。それにしても…。チャンピオンズリーグ第2節のペジェグリーニ監督のチームは、最近の失速を咎めるのが憚られるほどの、ひどいベンチメンバーです。マフェオ、ブランドン・バーカー、エヴァンス。普段試合に出ているヘスス・ナバス、フェルナンド、サバレタしか使えない指揮官に、戦術的な交代のクオリティを求めるのは酷です。できれば早くリードを奪って逃げ切りたかったのですが、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョ、デブライネ、スターリング、アグエロとスタメンは何とか揃ったアウェイチームは、前半にゴールを決めることができませんでした。

落ち着け、マン・シティ。3分にミスから中央を割られ、オタメンディがケアの仕方を誤りラファエウにシュートを許します。5分、コラロフとスターリングの絡みから彼ららしい攻撃が出ました。相手を抜き切らずに通したスターリングのグラウンダー。中に走り込んだアグエロはフリーでしたが、シュートをGKゾマーの右足に当ててしまい、緒戦のユーヴェ戦に続いて序盤の絶好機を逃します。12分には、中央からのパスを受けたスターリングが思い切りのいいシュート。直後のCKでもフェルナンジーニョがボレーを放ち、いずれもDFのブロックに阻まれるもののコースは枠を捉えています。

18分、マンチェスター・シティが危険だったコラロフの裏を突かれてしまいました。ラファエウのドリブルにオタメンディが足を引っかけ、PK。プレミアリーグへの適応に苦労しているのか、新戦力のCBにスペインでの輝きがありません。メンヘングラードバッハに先制のチャンス、蹴るのはラファエウ、ジョーハートが右に飛んでセーブ!ピンチを切り抜けたアウェイチームは、ジョー・ハートのゴールキックをアグエロが一気に持ち込みますが、右足のキックは左に逸れてしまいます。プレミアリーグ得点王は、29分にも左に流れてクロスへのシュートを外しており、再三の逸機が気になります。30分、デブライネから始まったカウンターは、ダヴィド・シルヴァのパスでスターリングが左を抜けたものの、ラストパスがファーのデブライネと合わず。34分にはボルシアMGが逆襲。コルプのスルーパスにラファエウが抜け出してジョー・ハートと1対1になるも、イングランド代表GKが気迫のこもった守備で先制を許しません。

35分にもホームチームがカウンターを仕掛け、ドリブルで中央を切り崩したラファエウからのパスでMFヘアマンがジョー・ハートと向き合いますが、またもハートがビッグセーブを見せて決定機を阻みます。前半は0-0でしたが、3-3でもおかしくない攻め合いでした。ニュートラルなファンなら、攻撃的でスリリングな45分というかもしれませんが、マン・シティサポーターにとっては心臓に悪い展開です。

足にトラブルを抱えているのか、ペジェグリーニ監督はハーフタイムにヤヤ・トゥレを下げてフェルナンド。51分のCKでシャカがフェルナンジーニョにシュートをぶつけるなど、後半に入り鋭い攻撃を見せていたボルシアMGは、54分に均衡を破ります。ヘアマンから右のコルプに展開すると、下がり過ぎてマークを離したデミチェリスの前に入ったシュティンドルが、グラウンダーをダイレクト!2節のプレミアリーグ勢は、すべてのクラブが1点を追いかけるゲームとなりました。しかし65分、ダヴィド・シルヴァをヘスス・ナバスに代えた直後に、マン・シティに待望の同点ゴールが決まります。デブライネのCKをひざでプッシュしたデミチェリスの一撃は、完全にラインを越えていたもののゴールは認められず。ならばとばかりにリバウンドを思い切り蹴り込んだオタメンディの右足は、今度はDFに当たってネットに突き刺さります。ゴール脇にいた審判は、ここが仕事のしどころだったのですが、眠っていたのでしょうか。オタメンディが助けてくれなかったら事件になるところでした。

これで元気になったマンチェスター・シティに、プレミアリーグさながらの攻撃的なスタイルが戻ってきました。緒戦をホームで落としているチームがこれで終わるわけにはいきません。ほしいのは勝ち点3。個々の力では明らかにこちらが上です。73分、デブライネ、アグエロとつないだボールを左のスターリングに展開し、折り返しに飛び込んだアグエロはわずかに届かず。1分後にも角度のないところからアグエロ、フォローしたデブライネとシュートの雨を降らせますが、ホームチームの必死のブロックにゴールを割ることはできません。

77分のフェルナンジーニョのミドルはわずかにバーを超え、83分にヘスス・ナバスのクロスに合わせたスターリングのヘッドもアウト。アウェイチームが攻め疲れてこのまま終わるかと思われたゲームは、90分に劇的な幕切れを見せます。CKをトラップしたアグエロが、ファビアン・ジョンソンに蹴られてPK!ここまで耐えていたMFが出した足は、あまりにも軽率でした。90分間チャンスを外し続けていたエースは、冷静に右に蹴り込んで決着をつけましたが、追加タイムのデブライネの完璧なラストパスをGKゾマーの足に当ててしまうというオチをつけて、ようやくタイムアップの笛を迎えました。

動きはいいのにフィニッシュが決まらないアグエロがひとつチャンスをつぶすたびに、ジョー・ハートがひとつストップして助けてくれる。前半はそんな試合展開でした。コンパニ不在の最終ラインに連携がないのは相変わらずの課題ですが、デブライネとスターリングが次につながるいい攻撃を見せてくれており、今日のところは「勝ち点3という結果がすべて」でいいのではないでしょうか。ジョー・ハート、ブラボー!エースGKは、ここ数年で見違えるように安定感が増しています。ともに1点差の接戦だったマンチェスター・シティとアーセナルの明暗を分けたのは、いつもプレミアリーグで活躍しているGKと、いきなり負けられない試合に使われたGKの出来の差でした。

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“アグエロがチャンスをつぶすたびにピンチを救ったジョー・ハート!マン・シティも逆転で初勝利!” への2件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です!
    ハートは代表キーパーにふさわしい素晴らしい選手になってきましたね。あれだけゴチャゴチャ言われていた数年前が嘘のようによくなりました。
    デヘアもそうでしたが、根気強く使う事がキーパーを育てる一番の方法なのかもしれませんね。ミニョレなんかも化けるのではと思っています。

    スパーズとしてはコンパニとハートがいない時にホームでやれたのは大きかったと改めて思いました。

  2. シティズン より:

    本当に運良く勝った程度の勝ちでしたね
    もう新城相手にも苦戦するんじゃないかとか、セビージャにダブルやられるんじゃないかとか不安が尽きないです

    もう個人的にはペジェグリーニはお腹いっぱいなんですけどね…

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