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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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遅かった反撃…マンチェスター・ユナイテッドは「マルシアルの2ゴール」でドロー!

零下1度のナイトゲーム。ファン・ハール監督は、先週末のプレミアリーグ9節、エヴァートン戦からメンバーを変えてきました。ダルミアン、マタがベンチスタート、右サイドに起用されたのはSBバレンシア、チャンピオンズリーグデビューとなるリンガードです。やはりベンチにいるデパイも含め、マンチェスター・ユナイテッドの交代策が注目の一戦。既に第1節のPSV戦を落としているチームにとって、CSKAモスクワとのアウェイ戦は、勝ち点1が最低限のノルマです。

静かな立ち上がりのゲーム。マンチェスター・ユナイテッドのトップにルーニー、左にマルシアルという配置は、直前のプレミアリーグと同じです。うまく最前線につながらないアウェイチームに対して、CSKAは12分、右サイドから持ち込んだトシッチがミドルシュート。この選手のドリブルは要注意です。直後、やはり右サイドからマリオ・フェルナンデスの突破を許したマンチェスター・ユナイテッドは、シュートはデ・ヘアが弾いたものの、その手前で意図的に手で触ったマルシアルがハンドを取られてPK。エレメンコのシュートは右と読んだデ・ヘアが反応してポストに当てますが、こぼれ球を本来のPKキッカーであるドゥンビアが詰めてゴール。アウェイチームは、凍てつくモスクワで1点を追う苦しい展開となりました。

シュヴァインシュタイガー、シュナイデルラン、エレーラの中盤は、ペースが一定で変化をもたらすことができず、CSKAは余裕を持って対応しています。サイド攻撃を徹底するホームチームは、マリオ・フェルナンデスのオーバーラップが効いており、デ・ヘアがポジションを上げているのを見たムサのロングシュートには、追加点かと焦らされました。チャンスらしいチャンスは、37分にマルシアルがSBと入れ替わり、ルーニーにクロスを入れたシーンぐらい。前半のポゼッションが61%という「持たされたゲーム」で、シュートはわずか3本です。外気だけでなく中身も寒い試合に、ファン・ハール監督が動きます。ハーフタイムの交代策は、シュヴァインシュタイガーをフェライニ。中に置くのか、前に置くのか、その戦術に注目です。

後半が始まって5分は、マンチェスター・ユナイテッドが持ちっぱなしです。主戦場は敵陣、しかしペナルティエリアには入れない攻撃には、マタのようなアクセントを創れる存在が必要でしょう。悪いときにありがちな退屈な試合展開。ただ時間だけが過ぎていきます。60分、右サイドを上がったエレーラのクロスをルーニーがヘッドで合わせるも、GKの正面。マン・ユナイテッドにとっては久しぶりのチャンスでした。この時間帯から、フェライニがルーニーの下で楔として機能するようになり、サイドに展開して優位を築けるようになりました。63分、ファン・ハール監督の2枚めは、ロホをダレイ・ブリントです。

右サイド攻略が実を結んだのは64分。最終ラインからのボールを受けたリンガードがエレーラと2対2の態勢を作ると、第3の男・バレンシアがサイドを疾走し、スルーパスが通りました。浮かしたクロスは完璧、左のポストに当たるヘディングを叩き込んだのは、汚名返上のアントニー・マルシアル!1-1となっても、ホームチームの攻撃はロングフィード頼みで迫力がありません。セットプレーとカウンターに気をつければ、失点を喫することはなさそうです。

79分、マンチェスター・ユナイテッド最後のカードはリンガードをデパイ。指揮官は勝ちにいっています。84分、デパイから右に移ったマルシアルにクロスが通り、ダイレクトの折り返しにフェライニが飛び込むもGKアキンフェエフがセーブ。エンジンがかかり、よくなったと思えば残り時間はほとんどありません。結局、ドロー決着。マンチェスター・ユナイテッドは、2008年にチェルシーとファイナルを戦ってビッグイヤーを獲得した思い出の地で、あの試合と同じフルタイム1-1という「悪くない結果」を持ち帰ることとなりました。

リンガードではなくマタ、トップ下にルーニー、マルシアルのワントップのほうがより戦えたのではないでしょうか。重装備でモスクワに乗り込んだアウェイサポーターからすれば、チケットを半額にしてくれといいたくなる前半のひどい出来。ファン・ハール監督のスタメンには大いに疑問ありでした。高い位置で動くフェライニを入れたことで、前に楔のパスが入るようになったあたりはさすがの采配でしたが、勝ちにいくのならばデパイ投入は遅かったように思います。

あの交代のポイントは、デパイ自身の活躍よりも「マルシアルを右で機能させること」だったと思われますが、サイドを完全に制圧してリスクがほとんどなかったことを考えれば、同点に追いついた直後でもよかったのではないでしょうか。とはいえ、ファン・ハール監督が失点を嫌がったのなら、勝ち点1という結果に満足しなければなりません。プレミアリーグとチャンピオンズリーグ、キャピタルワンカップとタイトなスケジュールが続くなか、「勝たなければならない試合」を増やしたくはなかったのですが…。余計なハンドをしてゲームプランを壊したマルシアルには、ゴールをほめるよりも二度とやるなといわなければなりません。先にゴールを許すことの重さは、互いに攻め合う試合が多いプレミアリーグよりも欧州は格段に上です。

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