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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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やっぱりソン・フンミン!ポチェッティーノ采配が冴えたトッテナムが貴重なアウェイ勝利!

初戦はウェンブリーでのホームゲームで、モナコに1-2の敗戦。プレミアリーグでは無敗のトッテナムは、久々のチャンピオンズリーグで黒星スタートとなりました。敵地に乗り込むCSKAモスクワ戦は、負けられないゲーム。昨季プレミアリーグ得点王のハリー・ケインを負傷で失ったポチェッティーノ監督は、最前線にフィンセント・ヤンセンを起用。2列めにはソン・フンミン、エリクセン、ラメラ、デル・アリと現在のベストメンバーを揃えました。中盤の底にワニャマ、最終ラインは昨シーズンの「ELセット」だったトリッピアーとベン・デイヴィスに、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンのコンビです。

立ち上がりから攻勢なのは、ホームのCSKAモスクワ。6分、左サイドのスローインからゴロヴィンがフリーとなり、ファーへのクロスをマリオ・フェルナンデスがヘディングシュート。クリアされたボールをヴァンブロームが左足で狙いますが、これもトッテナム守備陣がブロックします。劣勢を意識しているのか、11分にアルデルヴァイレルトが普段は打たない位置からロングシュート。直後のトリッピアーのクロスは、左足を出したフィンセント・ヤンセンがオフサイドです。

プレミアリーグで3戦4ゴールと絶好調のソン・フンミンは周囲とタイミングが合わず、センターサークルでデル・アリがボールを奪われて2対2のカウンターに持ち込まれるなど、スパーズはボールの獲られ方が危険です。23分、26分と立て続けにミドルシュートを放ったエリクセンは、いずれも大きく打ち上げてしまいました。28分に右サイドからトシッチが入れたFKは、守護神ロリスが触れずゴールがガラ空きになりますが、ラメラの必死のクリアで難を逃れました。さらにその2分後、CSKAモスクワが決定機を迎えます。左サイドからミラノフが縦に突破し、トラオレにクロス。フェルトンゲンのクリアを拾ったトシッチが左足を振り抜きますが、わずかに左に外れてスパーズは助かりました。

34分、今度はトッテナムのチャンス。最前線でエリクセンが粘った後、苦し紛れのヴァンブロームのクリアを捉えたデル・アリの強烈な一撃はクロスバー!43分に右サイドのエリクセンが入れた柔らかいクロスは、デル・アリのヘッドが浮いてしまいます。前半は0-0。70%近いポゼッションを記録したスパーズは、クロスの際に中が薄いのが気になります。フィンセント・ヤンセンはフィニッシュできるポジションにおらず、ソン・フンミンはプレミアリーグでの思い切りのよさを欠き、縦に勝負するシーンがありません。

ラメラが中央に入れた速いボールを、ダイレクトで狙ったエリクセンの左足シュートで始まった後半。50分にラメラのスルーパスでラインの裏に抜け出したソン・フンミンは、右からのシュートを戻ったシェンニコフに止められ、リバウンドを中のラメラに通すもDFの網にかかって打ちきれません。直後、左サイドをドリブルで突破し、上がりを待って入れたトラオレのクロスはトシッチの左足がきわどくバーの上を越えていきます。54分、ラメラのミドルが相手に当たり、流れてきたボールを左足でコントロールしたソン・フンミンの一撃はポストの左。スパーズが攻めてはいるものの、ゴール前の危険なエリアはCSKAモスクワの守備陣が埋めています。

67分、ポチェッティーノ監督はフィンセント・ヤンセンを下げ、マルセイユから来たエンクドゥ。ソン・フンミンが最前線に入るとラメラとの連携が格段によくなり、期待感が高まります。CSKAモスクワは、ホームゲームにも関わらず、プレミアリーグの下位クラブのような徹底した引きっぷりで虎視眈々とカウンターのチャンスを窺っています。しかし71分、ようやくスパーズが堅守をこじ開けました。立役者は、やはりラメラとソン・フンミンです。中に入り込んで縦パスを受けた11番が完璧なスルーパスをシェンニコフの裏に通すと、ソン・フンミンのシュートはアキンフェイフが触るものの、ゆっくり転がってゴールラインを越えていきました。勢いに乗ったアウェイチームは、73分にもラメラのラストパスでソン・フンミンが中央に抜けますが、今度はシェンニコフが足を出し、フォローしたデル・アリのシュートもイグナシェヴィッチに阻まれます。

80分、エレメンコの強烈なミドルはロリスがキャッチ。CSKAモスクワはラインを上げて攻めにいかなければなりません。ロシア・プレミアリーグの王者は、これまでとは別なチームになりました。ポチェッティーノ監督の2枚めは、デル・アリをハリー・ウィンクスという20歳同士の交代です。85分、右サイドを攻略したマリオ・フェルナンデスがゴール前に通したクロスには誰も触れません。スパーズは、最後まで冷静にゲームをコントロールしました。アウェイでの貴重な勝利は、6シーズンぶりにCLを戦うトッテナムにとって、久しぶりの勝ち点3でもあります。

勝利を呼び込んだのは、ポチェッティーノ采配でした。前半は左サイドでつかまっていた韓国代表のアタッカーを、後半は右にスイッチ。シェンニコフの裏を取れると見るや、エンクドゥ投入で7番を最前線にコンバートし、ラメラの近くに置いてCBとSBの間のスペースを狙わせたことから決勝ゴールが生まれました。カイル・ウォーカーがいない右サイドの守備は不安だったものの、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンが要所を抑え、ボックスの中では決定的なシーンを創らせなかったのがクリーンシートで勝てた最大の要因でしょう。采配の妙を味わえたおもしろいゲームでした。3節からはレヴァークーゼンとの連戦となりますが、ここを1勝1分で乗り越えればグループステージ突破にぐっと近づきます。スパーズサポーターのみなさん、おめでとうございます!

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“やっぱりソン・フンミン!ポチェッティーノ采配が冴えたトッテナムが貴重なアウェイ勝利!” への4件のフィードバック

  1. ホタ より:

    ソニーは絶好調期に入っていて手が付けられない状態ですね。昨季の彼とは全くの別人の様です。シティ戦ではCF起用も面白いのではないでしょうか。
    ホームのモスクワがここまで守勢で来たのには驚きましたが、デレを3列目に置いた実質4-1-4-1の形は引いて守る相手に厚みのある攻撃ができて面白いと思いました。中盤でボールロストすると危険な形に一気に持ち込まれますが…

  2. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    ソンはノリに乗ってますね!
    キーパーに当てても入るところが今の調子の良さを表していると思います。
    またアリのポストに当てたシュートはあのタイミングであの威力に驚嘆しました。ポテンシャルの高さが伺える一発だったと思います。

  3. おハム より:

    ソンすごいっすね! このまま活躍してもらって、パクチソンみたいにアジア人、プレミアの顔になってもらいたいですね。

  4. makoto より:

    ホタさん>
    前でボールを奪う前提で、4-1-4-1はありですね。引いてくるけれどさほどカウンターが怖くないチームには特にいいと思います。

    にわかスパーズファンさん>
    ソン・フンミンはもちろん、デル・アリのシュートも凄かったですね。足の振りが速いです。

    おハムさん>
    自信をもってプレイしているのが伝わってきます。10発以上いけるのではないでしょうか。

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