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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

これぞあのプレミアリーグ王者のサッカー!スリマニのゴールを守り切ったレスターがCL2連勝!

プレミアリーグ4節のリヴァプールと、6節のマンチェスター・ユナイテッド戦をいずれも4-1で大敗。昨季はあれだけ堅守だったレスターが、守備の綻びを改善できずに苦しんでいます。チャンピオンズリーググループステージの第2節は、難敵ポルトとのホームゲーム。今日もスタメンに岡崎慎司の名前はなく、ジェイミー・ヴァーディとスリマニの2トップです。オルブライトン、アマーティ、ドリンクウォーター、マフレズはいつもの中盤。不振の右SBシンプソンをルイス・エルナンデスに代えたのが、ラニエリ監督の工夫です。ウェズ・モーガン、フート、フクス、GKシュマイケルとプレミアリーグ優勝メンバーを揃えたレスターは、ポルトの攻撃を抑えられるでしょうか。3分、オターヴィオがラインの裏にロングフィードを入れると、ウェズ・モーガンがアンドレ・シルヴァに裏を取られました。シュマイケルが飛び出した無人のゴールへのシュートが左に逸れたのは、幸運以外の何物でもありません。CLの常連クラブが攻勢を強める前に、レスターは落ち着きたいところです。

10分、フクスのロングスローにフェリペとカシージャスの連携が悪く、CBのヘッドはあわやオウンゴールです。レスターらしいカウンターが出たのは15分。中央から上がったスリマニが、左のヴァーディに打たせるべく優しいパスを出しますが、エースは打てずに最初のチャンスは潰えました。24分のマフレズの直接FKは壁に当たってカシージャスがキャッチ。短いパスをつないで攻めるポルトと、サイドチェンジや縦へのロングフィードを使ってシンプルに攻めるレスター。25分のホームチームの先制点は、オルブライトンがマフレズに通した見事なサイドチェンジがトリガーとなりました。切り返しを入れたマフレズがゴールに向かうボールを入れると、ヴァーディの裏から頭を突き出して押し込んだのはスリマニ!プレミアリーグデビューから2試合で既に2ゴールを決めている期待のストライカーが、大舞台でも点取り屋らしいプレイを披露しました。

32分、縦に長いボールがヴァーディへ。中央に走り込んだスリマニとタイミングが合わず、追加点はならなかったものの、レスターのカウンターは昨季と変わらずエキサイティングです。35分、ポルトのFKは、ラユンがカーブをかけて狙うも左のポストの外。44分、ヴァーディが右に流れて追いついた3度めのカウンターは、落としをもらったマフレズがヴァーディに戻すも意志の疎通がありません。ポルトにこれといったチャンスがないまま、最初の45分が終わってしまいました。後半に入っても、レスターの前線からのプレスにポルトはゲームを創れず、前の選手にボールが通りません。55分、右からのFKを今度はアレックス・テレスが狙いますが、明らかなミスキックがバーのはるか上を抜けていきます。59分、オルブライトン、アマーティとつながったボールがマフレズに渡ると、右隅を狙ったミドルはカシージャスがセーブ。残り時間が30分を切っても、ポルトはチャンスを創れません。

63分、ヌーノ・エスピリート・サント監督は2枚代えを敢行。アンドレ・アンドレとアドリアン・ロペスを下げ、エクトル・エレーラとディオゴが入ります。71分には左サイドの角度のないところからディオゴ、3分後にはCKのクリアからエクトル・エレーラがミドルを放ちますが、シュマイケルが確実にセーブしてリードを守ります。オリベル・トーレスをヘスス・コロナが最後のカード。ここまで動かなかったラニエリ監督は、アンディ・キングを準備させています。

残り時間は10分となりました。アンディ・キングに後を譲ったのはスリマニです。83分、ポルト最大のチャンスは、左からのクロスで始まりました。シュマイケルのパンチが小さくなったところをボレーで叩いたのはヘスス・コロナ。オルブライトンに当たったボールが右のポストを直撃し、レスターは失点を逃れます。88分、マフレズをデマライ・グレイ。90分にエクトル・エレーラがゴール前に上げたロングクロスは、オターヴィオのヘッドがシュマイケルの正面です。ポルトの執拗なサイド攻撃とCKに対して、レスターはよく耐えました。最後はヴァーディをムサ。4分の追加タイムは過ぎ、2つの放り込みをさばくと、いかにもレスターらしい勝利を決めるホイッスルが鳴り響きました。キングパワーのサポーターは、どうしたポルト!といわんばかりに、「Who are ya?」の大合唱です。

今日は、プレミアリーグを制したクラブの堅守速攻を堪能させていただきました。前線から相手を追いかけてパスコースを制限し、縦パスを狙って奪うあの守備です。横からのクロスにポジショニングを間違えないあの守備です。ポルトに決定的という表現が使えるのは、立ち上がりのアンドレ・シルヴァと、シュマイケルのミスからポストにぶつけられたヘスス・コロナの2回だけでした。ドリンクウォーターとアマーティががんばりました。ラニエリ監督の選手交代も的確でした。昨シーズン、ゴールを許さないレスターのサッカーを見ながら、「このチームが、欧州にいったらどこまでやれるだろう」と期待に胸を膨らませていたひとりのプレミアリーグファンとしては、カンテこそいないものの主力がほぼ残ったチームがポルトガルの強豪を倒した瞬間を観ることができて、感無量です。最高でした。岡崎慎司が、ピッチに現れなかったことを除けば。

レスターは2連勝。次のコペンハーゲン戦に勝てば、グループステージ突破はほぼ決まりでしょう。勝ってくれるものと信じています。決勝ゴールが日本代表のストライカーだったら、完璧です。(リヤド・マフレズ 写真著作者/Ben Sutherland)

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“これぞあのプレミアリーグ王者のサッカー!スリマニのゴールを守り切ったレスターがCL2連勝!” への2件のフィードバック

  1. ひろと より:

    岡崎は試練のときですね。
    まあ、もともと「岡崎がプレミア?大丈夫なのそれ?」という声は加入時からあったと思いますが、フタをあけてみれば奇跡の優勝の欠かせないスタメンでした(岡崎の望んでいた使われ方かどうかはともかく)。
    今期は開幕からフラストレーションをためているかと思います。
    出てる試合を見ると、きっちり結果は出してるように素人目にはうつるのですが、プロの世界は厳しい。
    CLで真の意味で日本人が活躍したら嬉しいですね。
    中村選手のような華麗なFKの記録とかでは残らないかもしれませんが、記憶に残るプレーならきっとやってくれると思うのですが。
    レスターにも岡崎にも頑張ってほしいです。

  2. makoto より:

    ひろとさん>
    スリマニが相当いいので、後半登場の際に結果を出さないと苦しいですね。CL、出てほしいです。

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