不安定な急造CBコンビで2失点…モナコに敗れたトッテナムは無念のチャンピオンズリーグ敗退!
リーグ・アンとチャンピオンズリーグで3戦連続クリーンシート勝利のモナコは、ラダメル・ファルカオがトップにいます。プレミアリーグにはフィットしなかったものの、今季はリーグ・アン7戦5ゴールと好調。9番を自由にさせないことが、エリック・ダイアーとヴィマーのミッションのひとつです。6分、スパーズが決定機をつかみます。デル・アリのスルーパスで中央を破ったソン・フンミンの前にはGKスバシッチしかいません。余裕があった韓国代表FWはGKを抜きにかかりますが、手で弾かれてゴールはならず。すると10分、今度はモナコに先制のチャンス。左からのクロスをジェルマンがヘッドで落とすと、ボックスの外にいたファビーニョがドリブルで中央を突破。クリアしようとしたエリック・ダイアーが足を蹴ってしまい、ジャッジはPKです。ファルカオのキックが左隅を襲いますが、ロリスは読んでいました。完璧なタイミングで飛んだ守護神が右に弾き飛ばし、スコアは動きませんでした。
13分、左からドリブルで抜け出したメンディの一撃はロリスがセーブし、フォローしたジェルマンのボレーは体勢を立て直したGKがキャッチ。15分にもメンディが左からオーバーラップし、ファーに高いクロスを合わせますが、フリーのジェルマンのヘッドはエリック・ダイアーに当たってしまいました。完全なるモナコのペース。トッテナムの中盤は、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、デル・アリの3トップにいいボールが出せません。
スパーズは楔のボールが入らず。モナコはファルカオに当てて2列めが上がる形が機能しています。27分、ファビーニョの縦パスでジェルマンが裏に抜けたシーンは、スパーズのラインコントロールが曖昧でした。クロスをヴィマーが体に当てて事なきをえますが、アルデルヴァイレルトもフェルトンゲンもいない最終ラインは不安定です。ルマルのミドルはロリスがキャッチ。右から上がったファビーニョの落としを直接叩いたシディベのシュートは左にアウト。攻めあぐむスパーズは、29分にようやくトリッピアーがクロスを上げますが、転倒したデル・アリがアピールするも笛を鳴らしてもらえません。
34分、デル・アリが左のソン・フンミンにスルーパスを通すも、フリーの折り返しはデル・アリに合わず。直後にカウンターで右から上がったジェルマンは、左のポストのすぐそばを抜けるきわどいシュートを放ちます。38分にダニー・ローズのクロスがファーのハリー・ケインに届きますが、昨季プレミアリーグ得点王が蹴ったボールは後ろに飛んでしまいました。ジェルマンをつかまえきれず、シュートを1本も打てなかったスパーズにとっては、前半を0-0で終えられたのは幸運でした。
後半立ち上がりのトッテナムは、完全に呑まれていました。48分、左から上がったメンディにハリー・ウィンクスがあっさりかわされ、柔らかいクロスをゴールの真ん前で決めたのはシディベです。右SBにあそこまで入られて、フリーでヘディングされるとは…。しかし50分、アウェイチームは初めてのシュートで同点に追いつきます。トリッピアーが縦に浮かしたボールがデル・アリに渡ると、トラップでかわしにかかった20番をグリクが引っかけてしまい、PK。ハリー・ケインのシュートは、スバシッチの手を弾いて右隅に吸い込まれました。負けたらグループステージ敗退が決まるスパーズは、直後に痛恨の勝ち越しゴールを奪われてしまいます。キックオフからの攻撃で右のシディベにクロスを上げられ、逆サイドに流れたボールをルマルが強烈な左足シュート。クロスに飛んだ一撃にロリスは一歩も動けませんでした。
62分のベルナルド・シウヴァの左足はロリスがキャッチしましたが、ボールを奪われた後の対応が速いプレミアリーグのトッテナムなら打たせないシュートでした。65分、ポチェッティーノ監督はソン・フンミンとデンベレに見切りをつけ、フィンセント・ヤンセンとエリクセン。68分にFKを至近距離から叩いたグリクの決定的なボレーは、ロリスの超絶セーブで阻まれます。フィンセント・ヤンセンのサイドチェンジを受けたエリクセンのシュートはグリクがブロック。CKを中央で叩いたエリック・ダイアーのシュートもゴールライン手前でカットされます。74分、ラインの裏に出たファルカオがフリーで放ったシュートは、またもロリスが弾き出し、勝負を決めさせません。ハリー・ウィンクスが下がり、シソコが入ったのは75分。残り時間でゴールを奪えなければ、スパーズの最終戦はEL出場権争いです。
ハリー・ケインの左足はスバシッチの正面。エリクセンのCKに飛び込んだデル・アリはボレーを右に外しました。追加タイムのエリクセンのFKとCKは簡単にはね返され、やがてタイムアップ。思えば、今季のチャンピオンズリーグでは、スパーズらしいサッカーはついぞ見られませんでした。プレミアリーグ最少失点の堅守も、激しいプレスも、奪ってから一気にゴール前へ殺到する鋭い速攻も。カイル・ウォーカーやフェルトンゲンは出られなかったのでしょうか。ポチェッティーノ監督は、チェルシーとのロンドンダービーが大事だったのでしょうか。ソン・フンミンが最初のチャンスを活かしていれば…という悔いは残るものの、今日のメンバーでは難しかったでしょう。気迫でも戦術でもモナコに負けていたチームは、攻守ともに落ち着かず、5点獲られてもおかしくない散々な出来でした。ロリス以外は持てる力を発揮することなく、1試合残してトッテナムの敗退が決まりました。慣れないウェンブリーで戦う最終節のCSKAモスクワ戦に勝つか引き分ければ、スパーズは2月からヨーロッパリーグに参戦します。
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スパーズは残念ですね
今季もプレミアで無敗でグループリーグは突破すると思ってました
ほとんどのCLでの試合でスパーズらしさがなかった原因はなんですかね?
リーグ戦とCLでこうも別のチームになってしまうものでしょうか…。
CLでのスパーズからは気迫が感じられなく、自信なさげにピッチで右往左往していたように見えました。
たらればですが、初戦の勝てた試合を落とさなければまた違った結果だったと思います
更新ご苦労様です
ゲームを観られませんでしたが、リーグ戦とは違った顔のスパーズのようですね。
レギュラーCBが不在ということも響いているかもしれませんが、期待していたチームだけに
グループリーグ敗退は残念な結果ですね。
久々のCLだっただけに残念でありません
ここまでいい時との試合と違いが出てしまうのはローテーションによるクオリティ低下なのかCLという環境の違いからなのか本当に別のチームになってましたね…
昨シーズンもモナコとはELで対戦していますが一年で大きく成長したと思います。本当に完敗でした
グランドの大きさが本拠地はかなり小さいから視野や走る距離や距離感も大分変わるからじゃないですかね。
プレミアリーグだとグランドが小さいクラブも多いので視野的に影響ないが陸上グランドだと全く視野が変わりますよ。
シティふぁんさん>
ウェンブリーをホームにできなかったこと、ここ2年のELで敷いたターンオーバーで勝つにはCLは相手が厳しかったこと、経験不足からか試合のなかでチェンジオブペースがうまくできなかったことが、主たる理由ではないでしょうか。
ホタさん>
そうですね。初戦のビハインドをメンタル面でも引きずってしまった感はありますね。気迫が感じられなかったのがいちばん残念です。
Mackiさん>
プレスがかからず、全体が間延びするのが気になりました。最終ラインが急増だったのが、全体に影響したという印象です。
すぱさぽぽさん>
ローテーションしながらCLを勝つためには、もう一段底上げが必要なのでしょうね。発展途上のチームなのだとあらためて思いました。
鬼さん>
プレーヤー目線でどう変わるのかは実感はありませんが、違和感はあるかもしれません。一方で、レスターを含む他クラブは勝ち抜けに漕ぎ付けており、スパーズにも気持ちの強さがあれば、チャンスはあったのではないかと思います。最終ラインにフェルトンゲンがいれば、それだけでも違ったのではないでしょうか。