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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

残り2分で痛恨の失点…試行錯誤のエヴァートンは2戦未勝利で既に敗退危機!

チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのプレミアリーグ勢は、10勝3分1敗と絶好調。しかし、それぞれの戦績は明暗くっきりで、マンチェスターとロンドンがすんなり連勝したのに対して、マージーサイドは3分1敗と苦戦しています。とはいえ、リヴァプールは難敵セヴィージャにホームでドロー、モスクワ遠征もドローは想定の範囲内。マリボルに連勝して、スパルタク・モスクワをアンフィールドで下せば、決勝トーナメントに届くでしょう。心配なのは、エヴァートンです。プレミアリーグでは5節までに上位4クラブと戦う厳しいスケジュールだったため、2勝1分3敗の14位はやむなしですが、ヨーロッパリーグで1分1敗はいただけません。昨夜対戦したアポロン・リマソルは、キプロス・ファーストディヴィジョンで4季連続3位のチーム。ヨーロッパリーグの本大会出場は2013-14シーズン、2014-15シーズンに続いて3回めですが、過去2回はいずれも1勝しかできずにグループステージで姿を消しています。

大量補強の副作用で連携に問題を抱えているエヴァートンとはいえ、EL予選でルジョムベロクとハイデュク・スプリトに完勝しています。本拠地グディソン・パークで、キプロスのクラブに勝ち点1で終わるとは思いませんでした。ましてや相手は、88分の同点ゴールの直前に退場者を出していました。最後に痛すぎる失点を喫してしまったゲームを振り返ってみましょう。マイケル・キーンとジャギエルカを負傷で欠いた最終ラインは、クコ・マルティナとレイトン・ベインズに、若いホルゲートと不振のアシュリー・ウィリアムズ。シュナイデルラン、グィエ、トム・デイヴィスの3センターに、シグルズソンとルーニーが2列め、トップにサンドロ・ラミレスの4-3-2-1でしょうか。前の3人は、流動的なポジショニングで仕掛けていくものと思われます。

12分、ピックフォードのキックが相手のボックスまで伸び、ウェイン・ルーニーが追いかけましたが一歩及ばず。この直後、エヴァートンは先制を許してしまいます。プレミアリーグでも自陣でのミスが目立つアシュリー・ウィリアムズが、中途半端なクリアをマグリカに拾われてしまいました。ホルゲートは直前まで近くにいたサルディネロを見ておらず、アーリークロスのコースも切らず。サルディネロのボレーはピックフォードに当たりますが、こぼれ球をキープして無人のゴールにプッシュしました。セーフティに蹴り出すか、サイドのレイトン・ベインズのほうに出していれば何でもないシーンだっただけに、ウェールズ代表CBの判断ミスが悔やまれます。ところが21分、アポロンもゴールをプレゼントしてしまいます。サンドロ・ラミレスのプレスを嫌ったエクトル・ユステがGKにバックパス。このキックのコースが逸れ、狙っていたウェイン・ルーニーがダイレクトでプッシュすると、グディソン・パークに大歓声が響き渡りました。

逆転を狙うエヴァートンは、ここから攻勢を強めます。25分にクコ・マルティナのクロスをファーにいたトム・デイヴィスがヘッドで折り返すと、ルーニーはバイシクルを空振りしたものの、後ろにいたシグルズソンが左足でボレー。これはGKの正面にいってしまいましたが、形は悪くありません。29分にはアシュリー・ウィリアムズが左からオーバーラップし、ニアでパスを受けたルーニーが右隅を狙うと、ボールはポストすれすれを抜けていきます。ルカクの後釜と呼べる選手を獲れず、プレミアリーグで4ゴールしか挙げていないエヴァートンが次の1点を獲れるかどうかが勝負の分かれめです。41分のトム・デイヴィスのミドルはGKバレが横っ飛びでセーブ。1-1でハーフタイムを迎えたクーマン監督は、中盤の要だったグイェを下げてこの夏獲得したヴラシッチ投入というギャンブルに出ます。

両者とも遠目からのシュートに頼り、膠着気味の時間が続いた後半。65分、FKに飛び込んだアシュリー・ウィリアムズは、左足を伸ばしたもののボールに触ることができませんでした。その2分後、ついにエヴァートンが勝ち越しゴールをゲットします。トム・デイヴィスからのボールを中央で受けたルーニーは、左サイドに展開すると見せかけて右のシグルズソンにパス。昨季プレミアリーグで13アシストを決めた新戦力は、ヴラシッチをフリーにする絶妙なラストパスを通しました。19歳のストライカーは、GKと1対1になっても冷静でした。ニアに空いたコースにインサイドのシュートを突き刺し、2-1。感極まったサポーターがピッチに飛び出してきたぐらいの待望のゴールで、エヴァートンは今季EL初勝利に近づきました。

76分、ルーニーがロングフィードを左のカルヴァート・ルーウィンに通すと、サンドロ・ラミレスと代わったばかりのサイドアタッカーは、右足で巻いたコントロールショットを枠におさめられません。ポストのすぐ外を抜けたこの一撃が決まっていれば、勝負はそこで終わっていたでしょう。86分、カルヴァート・ルーウィンの腰に蹴りを入れたロベルシュが退場となり、エヴァートンは5分ほどの時間をうまく遣えば勝ち点3でした。

しかし88分、ペドロが左から蹴ったFKをエクトル・ユステがバックヘッド気味に右隅に流すと、ボールはピックフォードが届かない弾道を描いてサイドネットに吸い込まれました。バックパスミスを帳消しにする執念の一撃。2-2とされたエヴァートンは、90分にヴラシッチが左サイドの競り合いを制すると、フリーのカルヴァート・ルーウィンに完璧なクロス。20歳のMFのヘッドは、地面に叩きつけたのはよかったもののコースが甘く、GKバレに弾かれてしまいました。

エヴァートンは2戦未勝利でグループ最下位。ホームでドローは痛恨ですが、リヨンとアポロンが2戦2分で勝ち点1しか離されていないのが救いではあります。「時間が必要」と語っていたクーマン監督は、どこで巻き返しモードにギアチェンジできるでしょうか。グディソンパークにリヨンを迎える次節のゲームを落とせば、エヴァートンは年内で欧州のステージを去ることになると思われます。クーマン監督が試行錯誤できる時間は、さほど多くはありません。

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