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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

公式戦7連勝のマンチェスター・シティ。CLでの戦い方から彼らが強い理由を分析!

プレミアリーグから参加している5クラブのうち、4つが2戦2勝。ここ数年のチャンピオンズリーグでは、グループステージ敗退チームが出るのは当たり前で、ベスト8進出は1チームのみと低迷傾向にあったプレミアリーグ勢ですが、今季は期待していいのではないでしょうか。ギリシャ、ロシア、クロアチア、スコットランドなどの欧州中堅国のクラブに足をすくわれるのが日常茶飯事となっていた昨季までが嘘のように、相手を圧倒して勝ち切る試合が目立っています。各クラブともまだ2試合ではありますが、8勝2分という数字を見せつけられると、否が応でもテンションが上がってしまいます。

その国の頂点に立つクラブが、全体のレベルを決める。チャンピオンズリーグを観ながら、私がいつも感じていることです。3バックを流行らせたアントニオ・コンテ、変幻自在に複数のフォーメーションを操るペップ・グアルディオラによって、判で押したようにどのチームも4-2-3-1で戦っていたプレミアリーグは全体的に戦術レベルが上がったように思います。とりわけ今季に入って凄みを増しているのは、ペップのチームです。エティハドで引き分けてしまったプレミアリーグ2節のエヴァートン戦と、終了直前までイーブンだった3節のボーンマス戦を観たときは、DFを中心とした若返り策を断行したチームだけに強化に時間がかかるのではないかと思っていました。

ところが、4節のリヴァプール戦を5-0で圧勝すると、彼らの勢いは止まらなくなりました。シャフタール・ドネツクとのチャンピオンズリーグに勝って公式戦7連勝としたチームは、その間26ゴール2失点という文句なしの数字を残しています。ボーンマス戦の97分にスターリングが決勝ゴールを叩き込んでいなければ、ペップはここまで順調に来られたでしょうか。チームが自信を失うのを回避させたあの1発は、とてつもなく大きかったのではないかと思います。フットボールの世界には、ときどきそんなゴールがあるものです。

さて、快進撃を続けるマンチェスター・シティの最新のゲームから、彼らの強さを象徴するシーンをいくつかピックアップしてみましょう。チャンピオンズリーググループステージ2節、VSシャフタール・ドネツク。コンパニに続いて、この夏加わったばかりのバンジャマン・メンディも負傷で失ったペップは、ジョン・ストーンズとデルフで穴を埋めつつ、中盤から前はいつもの顔ぶれです。アグエロ、ガブリエウ・ジェズス、デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、フェルナンジーニョは不動のレギュラー。サイドのポジションを争うスターリング、サネ、ベルナルド・シウヴァから、この試合はサネが選ばれました。プレミアリーグで5戦5発のスターリングが、ベンチに座らされているのが今季のマンチェスター・シティです。

ガブリエウ・ジェズスが右から突破に成功してダヴィド・シルヴァにグラウンダーを通したシーンや、デブライネがラインの裏に抜けたアグエロに打たせたチャンスは、いかにもマン・シティらしくスピーディーなサイドアタックでした。決定的だったのは30分。ガブリエウ・ジェズスがインターセプトから仕掛けたショートカウンターでした。ドリブルで中央を進んだ33番が、左を走るデブライネにラストパスを出したタイミングは完璧。パスならあれほど正確に出せるデブライネが、何の工夫もなく左に外してしまったのはなぜでしょうか。カイル・ウォーカーとエデルソンの連携が取れず、GKの目の前でオルデツにヘディングを許したシーンは危険でしたが、前半は0-0で終わりました。41分にボックス左を崩してきわどいシュートを放ったサネは、相変わらず好調です。

48分の先制ゴールは、デブライネのインターセプトで始まったショートカウンターからでした。相手が全力で引くのを見たデブライネは、わざとゆっくり上がって目の前に広大なスペースを空けてパスを待っていました。ダヴィド・シルヴァから横パスを受ける前から、打つと決めていたのでしょう。ワントラップ、右足一閃、ゴール!GKピアトスが反応できない超速ミドルに、エティハドのスタンドが爆発しました。このチームが他と違うのは、ワールドクラスのプレーメイカーがもうひとりいることです。56分に絶妙な浮き球をアグエロの足元に落としたのは、ダヴィド・シルヴァ。エースのボレーはGKにストップされてしまいましたが、これもまた決定的なシーンでした。

ガブリエウ・ジェズスに代わって登場したスターリングは、69分のデブライネの速いグラウンダーを左に外してしまいました。スルーパスでサイドを崩すのは、このチームのお家芸です。70分には、ペップがなぜブラジル人GKを獲得したかがよくわかりました。エデルソンの素早いロングスロー1本でサネはハーフラインを越えて左サイドを疾走。オルデツがプッシングを取られてPKとなり、アグエロはピアトスに左に蹴ると読まれて止められてしまいましたが、マン・シティには1点では終わらない雰囲気が漂っています。

アグエロとチェンジしたベルナルド・シウヴァが演出した90分のゴールは、左右から斜めに全力疾走してボックス内でクロスしたサネとスターリングが印象的でした。サネが空けたスペースに入ったスターリングのフィニッシュは完璧。マンチェスター・シティがウクライナ・プレミアリーグ王者を圧倒したゲームは、ショートカウンターと縦に速いサイドアタックを堪能した一戦でした。

「まっすぐいけば、ペップがプレミアリーグを制するのではないか」と思わされますが、このチームが真価を問われるのは主力に負傷者が出たときではないでしょうか。デブライネとダヴィド・シルヴァを欠いた際に、ギュンドアンやヤヤ・トゥレに同じことをやれというのは酷でしょう。SBとストライカーが少数精鋭なのも気になります。メンディが長期離脱と報じられましたが、さらにアグエロがオランダで事故に遭って肋骨を折ったというニュースが入ってきました。そんなタイミングで本日当たるのはアザールが絶好調のチェルシー、しかも会場はスタンフォード・ブリッジです。ペップがどんな采配で難局を切り抜けるのか、深夜1時30分のキックオフが待ちきれません。

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“公式戦7連勝のマンチェスター・シティ。CLでの戦い方から彼らが強い理由を分析!” への1件のコメント

  1. やすし より:

    当初は少なくない疑問を抱いていたSBの総刷新ですが

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