イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

チャンピオンズリーグでは未だ無敗!今季のプレミアリーグ勢が欧州で強い理由を探る

マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドが3連勝、厳しいグル―プに入ったチェルシーとトッテナムは2勝1分。出遅れていたリヴァプールも1勝2分で、チャンピオンズリーグに出場しているプレミアリーグ勢は3節を終わっても未だ無敗です。ヨーロッパリーグでは、エヴァートンが1分2敗と苦しんでいるものの、アーセナルが3連勝。プレミアリーグのTOP7の勝敗をまとめると、CLで11勝4分、ELが3勝1分2敗でトータル14勝5分2敗という素晴らしい数字を残しています。昨季はトッテナムがグループリーグ敗退を喫し、マンチェスター・シティも苦戦。2015-16シーズンはマンチェスター・ユナイテッドがヴォルフスブルグとPSV相手に敗れ去り、アーセナルはオリンピアコスとザグレブに叩かれながらのぎりぎり通過でした。ここ数年、厳しい状況が続いていたプレミアリーグ勢は、今季はなぜ好調なのでしょうか。対戦相手やメンバー、戦い方から、その要因を探ってみたいと思います。

2017-18シーズンの欧州で最初に目につくのは、ドイツの凋落とスペインの停滞です。CL・ELに出場しているブンデスリーガのクラブで、2勝しているのはバイエルン・ミュンヘンのみ。ポルト、モナコ、ベシクタシュという比較的戦いやすいグループに入ったCLのライプツィヒは2位にいるものの、国内では首位のドルトムントは未勝利で、ホッフェンハイム、ヘルタ・ベルリン、ケルンも大苦戦。2節には6チームが全敗という過去に例がない戦績を残しており、UEFAのカントリーランキングは4位に後退しています。プレミアリーグとの絡みを見ると、CLプレーオフでホッフェンハイムがリヴァプールに完敗。ドルトムントは初戦でトッテナムに3-1で敗れ、ブンデスリーガ最下位のケルンはアーセナルに3-1で一蹴されました。モデストの後釜を作れなかったケルン、シュールレとマルコ・ロイスが使えずゲッツェも不振のドルトムント、ノルトヴェイト以外の新戦力が空回りしているホッフェンハイムなど、戦力を強化できなかったしわ寄せが欧州での不振につながっているのではないかと思われます。

さらに今季は、欧州No.1のスペインも微妙です。アトレティコ・マドリードはチェルシーにホームで敗れて未だ勝利なし。リヴァプールに引き分けたセヴィージャはCSKAモスクワに敗れて3位に後退し、レアル・マドリードはサンチャゴ・ベルナベウでトッテナムに勝ち点1を献上してしまいました。ELではビジャレアルとレアル・ソシエダードはまずまずですが、アスレティック・ビルバオは2分1敗。ビルバオのグループJには1分2敗のヘルタ・ベルリンがおり、1位がスウェーデンのエステルスンド、2位がウクライナのゾリャで3位以下にスペインとドイツという今季の異変を象徴する並びとなっています。補強禁止のアトレティコ・マドリード、ハメス・ロドリゲスとモラタ、ダニーロを放出したレアル・マドリード、ネイマールを持っていかれたバルセロナなど、この国の強豪クラブも戦力がUPしたとはいえません。

一方のプレミアリーグ勢は、ルカクを抜かれたエヴァートンを除くすべてのクラブが、有力選手の放出ゼロ。ところてん状態で新天地を求めたルーニー、マティッチと止められなかったチェンバレン、カイル・ウォーカーは、いずれもTOP7のなかでのやりとりに留まっています。モウリーニョ、ペップ、コンテといった名将たちが2年めを迎え、ユルゲン・クロップ監督も先の夏が2度めのオフシーズン。彼らは大量補強に走らず、弱点強化を中心とした堅実なチームづくりを選択しました。ポグバ、フェライニ、コンパニ、アグエロ、メンディ、カンテ、ララナ、マネなど主力のリタイアが相次いでいるものの、今のところは層の厚さでカバーできています。

スカッドの強さに加えて、昨季のプレミアリーグでコンテ監督の3バックがトレンドとなるなど、戦術的にも進化したことも大きいのではないかと思います。自在性ではペップとポチェッティーノ、得意な戦い方のクオリティが上がったのがモウリーニョ監督のチームです。マティッチを迎えて守備の堅さに磨きがかかったマンチェスター・ユナイテッドは、欧州でも1失点。ポチェッティーノ監督は、ワニャマとデンベレの不在をフィット感が高まったシソコとハリー・ウィンクスで埋め、クリスティアーノ・ロナウドの脅威をダヴィンソン・サンチェスが最小限に抑えました。CLでは、ハリー・ケインとジョレンテ、モラタとアザールなど2トップで戦うシーンも目立ちます。

主力がトップフォームを取り戻せていないアーセナルは、昨季の終盤戦から導入した3バックを熟成させている最中ですが、ELで同居したのがボリゾフ、ケルン、レッドスター・ベオグラードなら若手主体でも何の問題もありません。「主力の流出なし」「堅実な補強」「戦術的な進化」といったポイントに、唯一まったくあてはまらないのがエヴァートンです。ルカクを抜かれたチームはターゲットマンを補強できず、中盤の新戦力をうまく組み込めずに欧州未勝利と苦戦しています。クーマン監督が、どれだけ早くチームをまとめることができるかが勝負ですが、残り試合をひとつも落とせなくなった欧州での巻き返しは難しいかもしれません。

ネイマールの超高額移籍から続いた移籍金の高騰が、資金力があるプレミアリーグ勢に利する流れとなった面もあるのでしょうか。いずれにしても、マンチェスター勢とトッテナム、チェルシー、リヴァプールにとって楽しみなシーズンであることは間違いありません。優勝候補筆頭のパリ・サンジェルマンや、相変わらず強いスペインの2強を撃破できるかどうかはわかりませんが、ベスト8に3つぐらい残ってくれたら盛り上がります。CLの5チームとアーセナルには堂々のトップ通過を、エヴァートンには2015-16シーズンのCLで見せたアーセナルのような大逆転を期待したいと思います。特に注目しているのは、ズラタン復帰後のモウリーニョ采配と、完成形に近づいたポチェッティーノ監督のチームのチャレンジです。

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