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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

変われなかったレスター…!クレイグ・シェイクスピア解任について思う。

衝撃でした。フライデーナイトに開催されたプレミアリーグ9節、ウェストハムVSブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン。チチャリート、マイケル・アントニオ、ランシーニ、アルナウトヴィッチ、クヤテと主力が揃ったハマーズが、昇格チームに0-3と手もなくひねられるとは思いませんでした。FKをグレン・マレーにヘッドで押し込まれた最初のゴールと、左に来るボールに弱いジョー・ハートがイスキエルドのミドルを弾き切れなかった2点めもさることながら、73分の3点めの守備はいただけません。右サイドで3対2にされているいもかかわらず、前からも横からもフォローする選手がおらず、縦を切るべきオビヤングが中途半端にボールに寄ってブルーノを完全にフリーにしてしまいました。ファーに上がったクロスがグレン・マレーに届くと、サバレタが足を引っかけてPK。プレミアリーグで3番めに多い17失点のチームは降格ゾーンぎりぎりの17位に逆戻りし、9節終了時では2010-11シーズン以来最悪のポジションとなりました。

「スカイスポーツ」は、かねてから解任の噂が絶えなかったスラヴェン・ビリッチ監督にプレッシャーがかかったと報道。エヴァートンのロナルド・クーマン監督とともに、しばらくは現地メディアに去就が取り沙汰されることになるでしょう。解任といえば、レスターのクレイグ・シェイクスピア監督が、クリスタル・パレスを4試合で去ったフランク・デブール監督に続いて今季プレミアリーグの解任第2号となってしまいました。一昨年のプレミアリーグ王者は、ウェストハムのすぐ下の18位に低迷していたものの、負けた相手はアーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプールです。キングパワーのブライトン戦は2-0で完勝、ハダースフィールドとボーンマスにアウェイで引き分けたものの、1勝3分4敗は残留を目標とするクラブなら特段悪い数字ではありません。解任の理由は、短期的な戦績ではないでしょう。トリガーとなったWBA戦に、クラブが功労者を見限った理由があったのだと思われます。

不振に陥ったチームをいじりすぎて混乱させたクラウディオ・ラニエリ監督が解任されたのは、2月23日。後を受けたシェイクスピア監督の巻き返しプランは「原点回帰」でした。カンテを除く10人の優勝メンバーに、強かった頃のスタイルを思い出させた新監督は、公式戦6連勝。チャンピオンズリーグではクラブの歴史に残るベスト8進出を果たし、プレミアリーグでは就任以降の13試合を7勝2分4敗で走り抜けて17位から12位にジャンプアップさせました。こう書くと、シェイクスピア監督の確かな手腕をリスペクトする体になりますが、こんな事実も付け加えなければなりません。高揚感に包まれた6連勝の後、レスターは最後の8試合を2勝2分4敗で終えています。負けた相手は、エヴァートン、アーセナル、マンチェスター・シティ、トッテナム。クリスタル・パレスとボーンマスに引き分け、WBAとワトフォードには完勝。カンフル剤が切れた後のシェイクスピア監督は、今季も含めた16試合で同じような戦績を残しているのです。

デッドラインデーに14秒遅れで移籍が認められなかったアドリエン・シルヴァ獲得の不手際はあったものの、ドラゴヴィッチ、イヘアナチョ、イボーラ、マグワイアらに6000万ポンド(約90億円)をかけた経営陣は、ラニエリ戦術をトレースする以外に引き出しがない指揮官に不満を募らせていたのではないでしょうか。1年前にアーメド・ムサとイスラム・スリマニを獲り、この夏もイヘアナチョを連れてきながら、レスターの前線は今季プレミアリーグ5ゴールのヴァーディと3ゴールの岡崎慎司以外では機能せず。WBA戦では、ファーに大きく上げるアバウトなクロスが多く、イヘアナチョはボックスのなかでボールを触ることができませんでした。

イボーラ、アーメド・ムサ、デマライ・グレイといったタレントを活かせず、明確に強化されたのはフートと代わったマグワイアのみ。ドリンクウォーターの穴をマッティ・ジェームズに埋めさせ、今までどおりの戦い方で今までのような数字を積み上げ続けるシェイクスピア監督に、限界を感じるほうの言い分もわからなくはありません。冷静にレスターの戦力を見れば、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンと戦ったバーンリーの半分に満たない勝ち点はいただけないのですが、前指揮官の采配からは改善への道筋は見出せませんでした。

戦績が悪化するとすぐに監督を切る最近のプレミアリーグの風潮には、「ちょっと待った」といいたくなるものの、今回のシェイクスピア解任の理由が勝ち点数ばかりではないとすれば、やむなしという言葉しか浮かびません。ガリー・リネカーがクラブを糾弾した今回の判断が正しかったかどうかは、新監督の人選と今後の戦い方次第です。後任は、誰になるのでしょうか。現地メディアが名前を挙げているアンチェロッティ、マンチーニ、トゥヘルはさすがに難しいとしても、ウェールズ代表がワールドカップに行けなかった責任を取る可能性があるクリス・コールマンならあるかもしれません。本日の相手はスウォンジー、10節はエヴァートン。「直接対決」が続くレスターが、窮地をどう乗り切るかに注目したいと思います。(クレイグ・シェイクスピア 写真著作者/joncandy)

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“変われなかったレスター…!クレイグ・シェイクスピア解任について思う。” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    レスターは上位陣には勝ち点を得られませんでしたが試合自体はそこまで悪い印象はなく、WBA戦は交代策で勝ち点をなんとか拾っていました。
    エバートンを応援しているせいか上位陣にぼろ負けするより、ユナイテッド以外は一点差のゲームだったレスターはよくやってると思っていました笑
    けれどシェイクスピアは確かにこれ以上引き出しはなさそうですし、守備はそこまでひどくないので良い監督が来れば変われそうな気がします。

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    監督の補佐役ならいざしらず、監督としては信頼されていなかったのでしょうね。厳しいジャッジではありました。

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