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デル・アリ、デル・アリ、エリクセン!欧州王者を撃破したスパーズが決勝トーナメント進出!

サンチャゴ・ベルナベウのレアル・マドリード戦をドローに持ち込んだトッテナムが、折り返しのホームゲームで再び欧州王者と戦います。チャンピオンズリーググループステージ第4節。昨季プレミアリーグ得点王のハリー・ケインなきゲームを連敗していたチームは、エースが復帰する大事なゲームで以前の強さを取り戻すことができるでしょうか。ポチェッティーノ監督は、ロリスの前にダヴィンソン・サンチェス、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲンの3人を置いています。WBにトリッピアーとベン・デイヴィス、セントラルにはエリック・ダイアーとハリー・ウィンクス。前線はエリクセン、デル・アリ、ハリー・ケインの3枚です。

プレミアリーグとリーガ・エスパニョーラの3位同士の対戦。CLでは開幕3試合連続ゴールながら、ラ・リーガではシュート40本で1ゴールしか決めていないクリスティアーノ・ロナウドには眠っていていただかなくてはいけません。静かな立ち上がりの前半。ベンゼマ、イスコ、クリスティアーノ・ロナウドが仕掛けた7分のカウンターは、右からのラストパスをボックスのエリック・ダイアーが落ち着いてカットします。11分、インターセプトに成功したデル・アリが前線のハリー・ケインに速いパスを通したショートカウンターは、いかにもスパーズ。チップキックはGKカシージャの頭上を越すことができません。14分、左に流れたハリー・ケインが逆サイドのトリッピアーにサイドチェンジすると、右WBはダイレクトで中に折り返しますが、デル・アリは詰められずにボールはゴール前を横切ります。ここまではまったくの互角。パスコースを切る中盤の守備と美しいラインの上げ下げで、スパーズはよく守っています。

19分、マルセロの苦し紛れのクリアがゴール前に出ると、ボレーを空振りしたハリー・ウィンクスが右に流れながら2人をかわし、ループシュートを打つもカシージャがキャッチ。21歳の生え抜きMFは、プレミアリーグと同じように堂々とプレイしています。23分、トッテナムに激痛アクシデント。攻め上がったアルデルヴァイレルトがハムストリングを痛め、ピッチの外でうずくまっています。マルセロからクリスティアーノ・ロナウドへのロングフィードをフェルトンゲンがクリアした後、ポチェッティーノ監督は、シソコを入れてエリック・ダイアーをCBに下げました。27分、トッテナム、先制!デル・アリの一撃は、ハリー・ウィンクスの正確なロングフィードをダイレクトで中央に入れたクロス職人トリッピアーのスーパープレーが9割です。3試合出場停止処分が明けた20番のスライディングシュートは、このタイミングでしか決まらなかったピンポイントのゴールでした。

反撃するレアル・マドリード。29分にボックスのコーナー付近から放ったカゼミーロのシュートはロリスがセーブ。31分に左から上がったクリスティアーノ・ロナウドが左足シュートをロリスに弾かれると、直後の右からのグラウンダーもCR7がボレーで合わせますが、これもプレミアリーグ屈指の守護神が冷静にキャッチします。40分にトニ・クロースが右から上げたFKは、セルヒオ・ラモスのボレーが枠にいきません。1分後、右のトリッピアーが2人をかわしてグラウンダーを入れると、シソコはボレーをミートできず、こぼれ球をフリーで叩いたハリー・ケインのシュートは足元に飛び出したカシージャがブロック。右からゴールラインまでえぐったベンゼマは、クリスティアーノ・ロナウドに何とか打たせようとするも、強すぎる折り返しはさすがのCR7もコントロールできません。前半は1-0。スパーズの守備陣は終始落ち着いていました。

セカンドハーフに入り、レアル・マドリードはラインの裏への抜け出しを狙う動きを増やしています。50分、左のマルセロが縦に突破すると、クリスティアーノ・ロナウドに届く手前でロリスがタッチ。この後、守護神はクロスをパンチした際に足を痛めたようです。フォルムが準備し始めた57分、突如2度めの歓喜がウェンブリーを包みました。フェルトンゲンの縦パスを受けたデル・アリがカゼミーロを抜き去り、右に流れながらボックス手前でシュートを放つと、セルヒオ・ラモスに当たってコースが変わり、ゴールイン。カシージャが動けなかったのは仕方がありません。

2-0となったのが合図だったかのように、レアル・マドリードの猛攻がスタート。クリアミスを捉えたトニ・クロースのボレーがDFにヒットしてCKとなると、混戦からのクリスティアーノ・ロナウドのシュートはトリッピアーがゴールライン上で掻き出し、セルヒオ・ラモスのボレーはCR7がブロックしてしまいます。すると64分、3度めのゴールシーンもスパーズでした。デル・アリが起点のカウンター。右に流れたハリー・ケインにパスが通ると、10番がラインの裏に通したパスに走り込んだのはエリクセン。GKのポジションを見て丁寧に打った左足シュートは、やはりカシージャはノーチャンスです。

ハリー・ウィンクスをデンベレに代えたポチェッティーノ監督は、79分にハリー・ケインをジョレンテ。ジダン監督が投入したマジョラルとアセンシオはいずれも20代前半の選手で、勝つための策ではありません。80分、マルセロのクロスのこぼれ球をクリスティアーノ・ロナウドが叩き込みますが、レアル・マドリードの反撃はここまで。欧州王者に完勝したトッテナムが、プレミアリーグ勢一番乗りで決勝トーナメント進出を決めました。

デル・アリ抜きで1-1、デル・アリが2ゴールで3-1。わかりやすい数式で欧州王者をねじ伏せたスパーズ。前の3人が揃うとやはり強い!というのが最初の感想ですが、今日の試合でリスペクトしたいのはハリー・ウィンクスとキーラン・トリッピアーです。エリック・ダイアーが後ろに下がってからもスパーズがむやみに引かなかったのは、連動性の高い守備で効果的な縦パスを許さなかったから。2番があれだけ精度の高いクロスを入れてくれれば、カイル・ウォーカーの自在な仕掛けを懐かしむことはなくなります。いやー、素晴らしい!決定機の数、守備陣の集中力、ラストパスの創造性、すべてにおいてプレミアリーグのほうの白いチームが上回っていました。アルデルヴァイレルトの負傷は気がかりですが、2月の決勝トーナメントには元気な姿を見せてくれでしょう。このチームが欧州でどこまで上に行けるか、今から楽しみです。

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“デル・アリ、デル・アリ、エリクセン!欧州王者を撃破したスパーズが決勝トーナメント進出!” への4件のフィードバック

  1. すぱさぽぽ より:

    前回のベルナベウと違い圧倒できて大満足です
    (オフサイド疑惑はありましたが)
    ウィンクス、トリッピアは毎試合成長が見えていてリーグ屈指と言われるのも
    そう遠い未来ではないのかもしれません
    そしてオーリエ、ワニアマなど、この試合に出れるクオリティのあった選手との競争で
    彼らがより成長出来ると考えると期待が高まりますね

  2. yuto より:

    昨季の欧州王者に対して本当に見事な戦いっぷりを見せてくれました。
    近年、プレミア勢はCLでは圧倒されることが多かったですがスパーズを始め、今季は一味違うなと感じさせてくれます。
    皆さん挙げられていますがウィンクスとトリッピアーが素晴らしいパフォーマンスでしたね。
    彼らを抜擢しているポチェッティーノ監督を最も称賛したいところです。まだ、早いですがワールドカップも楽しみに感じる一戦でした。

  3. sini より:

    ウインクスはこのまま怪我さえなければ、代表でもスタメンでいいのではという気がします。
    夏にバークリー取らなくて正解でした。

  4. makoto より:

    すぱさぽぽさん>
    選手層には不安がありながら、伸びしろはまだまだ期待できるチームですよね。強かったです。

    yutoさん>
    私も、ワールドカップでも見たいなと思いました。間に合うかどうか。

    siniさん>
    ポチェッティーノさんは、補強できなくても若手の引き上げで層を厚くできるところが素晴らしいです。昨季は、補強は失敗したといってもいいシーズンでしたが、そんなことを感じさせない戦績でした。

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