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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

泥沼の公式戦5連敗…エヴァートンのヨーロッパリーグ敗退を見届けた木曜日。

最初の公式戦6試合を4勝2分。ヨーロッパリーグ予選3回戦のルジョムベロクには1-0を手堅く重ねて順当勝ちし、プレーオフのハイデュク・スピリット戦は2-0、1-1と完勝しました。プレミアリーグ開幕戦でストークに1-0と勝利し、エティハドに乗り込んだ2節のマンチェスター・シティ戦は1-1ドロー。ピックフォード、マイケル・キーン、クラーセン、ルーニー、シグルズソンなど大型補強を次々と決めたクーマン監督のエヴァートンは、ここまでは間違いなく脅威でした。ルカクを失い、新加入の選手が多い攻撃陣は、戦術が浸透するまで苦労するかもしれないと思ったものの、6試合で2失点の守備は計算できると踏んでいました。プレミアリーグ3節のチェルシー戦で2-0と今季初めて敗れましたが、相手は前年のチャンピオン。スタンフォード・ブリッジで勝てなかったからといって大騒ぎすることはありません。当然、ヨーロッパリーグは期待していました。アタランタとオリンピック・リヨンなら、グループリーグ突破も充分可能と見ていました。

それからたった2ヵ月。エヴァートンに対する評価は激変しました。9月以降、先週末のレスター戦までの公式戦12試合を2勝2分8敗。勝った相手は、プレミアリーグで自分たちより下の19位に低迷するボーンマスと、カラバオカップ3回戦で当たったチャンピオンシップのサンダーランドだけです。ヨーロッパリーグ初戦でアタランタに3-0で完敗すると、格下のアポロン・リマソールにグディソンパークで追いつかれて2-2ドロー。オリンピック・リヨンとの一戦はホームにもかかわらず1-2で敗れ、後がなくなってしまいました。

10月22日に行われたプレミアリーグ9節のアーセナル戦で5失点を喫して大敗すると、翌日にロナルド・クーマン監督が解任。もはやエヴァートンは、守備がいいチームではなくなっていました。公式戦4連敗で迎えたヨーロッパリーググループステージ4節、アウェイのリヨン戦。新監督は未だ決まっていません。普段なら「フットボールは何があるかわからない」「絶対に勝つ、あるいは負けるなどとはいえない」と思いながらどんな試合も期待を抱いて観戦するのですが、この試合ばかりは「敗退の瞬間を見届けなくては…」という厳かな気分でした。

オリンピック・リヨンの先発には、プレミアリーグ出身の選手が3人いました。チェルシーから完全移籍したベルトラン・トラオレ、マンチェスター・ユナイテッドに在籍していたメンフィス・デパイとラファエウ・ダ・シルヴァ。グディソンパークでのゲームで決勝ゴールを叩き込んだトラオレは、この日も好調でした。23分に左からのクロスをバックヘッドで狙うと、ピックフォードがかろうじてセーブ。ラファエウは得意のオーバーラップで危険なクロスを中に放り込んできます。髪を茶色に染めたデパイは、35分に鋭い直接FKを枠に収め、ピックフォードを慌てさせます。前半終了間際に、デパイの突破からトラオレが左足ボレー。ピックフォードが左に飛んで、これも阻止しました。プレミアリーグでは不遇だった3人は、それぞれの持ち味でエヴァートン守備陣を混乱させています。前半のエヴァートンはノーチャンス。彼らが次の45分で巻き返せるとは思えませんでした。

後半開始早々、アーロン・レノンの仕掛けからゴール前に転がったボールをグイェがダイレクトで叩くも、リヨンGKロペスがセーブ。68分、ついにエヴァートンは先制を許します。中盤での競り合いのこぼれ球がラインの裏に出ると、いち早く反応したのはベルトラン・トラオレ。不調のアシュリー・ウィリアムズは一瞬で置いていかれ、ピックフォードの飛び出しは中途半端でした。左足のシュートが無人のゴールに転がり1-0。今のエヴァートンに、20分で2点というミッションは酷です。75分、後方からのロングフィード1発でマリアーノにラインの裏に入られると、シュートはピックフォードが止めたものの、拾ったデパイもラストパスを右隅に流し込んだオーアルもノーマークでした。途中出場の2人が絡んだ追加点。ジェネシオ監督の采配はズバリ的中です。

エヴァートンのELは、既に終わっています。80分、シュナイデルランが2枚めのイエローをもらい、同僚たちよりひと足先にピッチを離れます。88分、リヨン最後のゴールは、メンフィス・デパイでした。ゴール前に浮かせたのは3枚めのカードで入ったフェリ。ホルゲートの対応が遅れ、強烈なヘッドはピックフォードが左手に当てるのが精一杯でした。1分3敗&得失点差マイナス7は、4連敗で大会を終えたマケドニアのヴァルダウに次ぐ48チーム中47番めの厳しい戦績です。昨季のELで1ゴール足りず、グループステージを突破できなかったサウサンプトンより上にいけるチームと期待していたのですが、エヴァートンはポテンシャルを発揮することなく、たった4試合で大会を去ることが決まりました。

ついに公式戦5連敗。8試合連続で勝利がなく、攻守ともに機能していないチームは、ヨーロッパリーグ敗退を嘆いている場合ではない状態です。彼らの次戦はマンデーナイト、ドゥクレが好調の難敵ワトフォード。インターナショナルマッチウィーク明けのゲームは、クリスタル・パレスとの「直接対決」です。喫緊の課題は新監督の招聘。人選を間違えなければ、この戦力でプレミアリーグから落ちることはないはずですが…。ロメウ・ルカクの存在は、かくも大きかったのか。早期に巻き返してほしいマージ―サイドの古豪を、月曜日も追いかけようと思います。

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“泥沼の公式戦5連敗…エヴァートンのヨーロッパリーグ敗退を見届けた木曜日。” への2件のフィードバック

  1. sini より:

    トフィーズはここ10年で最低の戦績ですね。。。
    時間はかかると思ったものの、まさかここまで崩れるとは。
    人選を誤らなければ落ちるチームではないですが、一方で、もはや人選を誤ることができないところまで来てしまったとも言えます。

    監督解任がカンフル剤になり、次期指揮官が誰であれ選手が奮起するケースはこれまでイングランドで何度もありましたが、今回のエヴァートンではそれすらなかったということも、問題の深刻さを物語っているように思います。
    イングランドではスパーズ、ブラックバーンに次いで好きなクラブなので、是非乗り越えてほしいですが、、、ブラックバーンのようにならないことを願っています。

  2. makoto より:

    siniさん>
    私も、守備はいけると思ってました。監督が代わって、却って混乱している雰囲気が感じられますね。

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