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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ハリー・ケイン&デル・アリ!守備力で上回ったスパースがドルトムントを逆転し、首位通過決定!

昨季世界王者のレアル・マドリードを1-1、3-1と圧倒し、早々にグループステージ勝ち抜けを決めたトッテナム。ジグナル・イドゥナ・パルクのドルトムント戦に勝てば首位通過が決まりますが、最終節にウェンブリーで戦うアポエル・ニコシア戦勝利でも1位確定となるため、若手とサブの選手中心のスタメンで臨む可能性もあると想像していました。しかし、ノースロンドンダービーで敗れたポチェッティーノ監督は、この試合を勝ち切っていいムードで週末のWBA戦に臨みたいようです。GKロリス、最終ラインはエリック・ダイアー、ダヴィンソン・サンチェス、フェルトンゲン。WBにダニー・ローズとセルジュ・オーリエ、アンカーにハリー・ウィンクスが入り、その両脇にはデル・アリとエリクセン。最前線はソン・フンミンとプレミアリーグ8ゴールのハリー・ケインの2トップです。両者とも慎重に立ち上がった前半、5分のCKに右足を出したデル・アリは触れず。直近のブンデスリーガ5試合で1分4敗と不振のチームは足元へのパスが多く、スパーズ守備陣は余裕をもって対応しています。

12分、縦に出たボールをもらったオーバメヤンからヤルモレンコ、ゲッツェと右につながりますが、リターンをもらったヤルモレンコのシュートはロリスの正面。18分、ラインが揃わなかったスパーズの裏を突き、ヤルモレンコの浮き球でオーバメヤンがロリスと1対1になりますが、欧州屈指のストライカーの珍しいミスキックがポストの右に流れていきます。勝負のパスやドリブルが少ないホームチームと、単発のクロスしかないアウェイチーム。周囲を走らせるパスが多い香川真司が、シュートレンジに入る姿は見られません。

30分、フェルトンゲンのアーリークロスにニアで合わせたソン・フンミンのボレーはGKビュルキがキャッチ。1分後、左の香川真司がゲレイロにつなぎ、中央のヤルモレンコにボールが渡ると、素晴らしいヒールキックがラインを切り裂き、フェルトンゲンの裏に入ったオーバメヤンが右足のシュートを左隅に叩き込みます。スパーズは、守ってばかりではいられなくなりましたが、デル・アリにいいときの積極的な仕掛けがありません。37分のエリクセンの左足ミドルはうまく当たらず、40分にダニー・ローズのグラウンダーに走り込んだエリクセンのボレーもビュルキにセーブされます。直後のCKも、エリック・ダイアーの決定的なヘディングを守護神がビッグセーブ。プレミアリーグ4位のクラブは、1点のビハインドを背負ったままハーフタイムを迎えました。

リヴァプールが後半に押されて前半の貯金を吐き出したのとは逆に、トッテナムは開始4分で追いつきます。ダニー・ローズが敵陣深くでインターセプトし、デル・アリが拾うと、左からボックスに入ってワントラップで素晴らしいシュートを叩き込んだのは、やはりハリー・ケイン!淀みないない動きでザナドゥの股間を通した一撃は、これぞストライカーのゴールです。チャンピオンズリーグで5戦6発となったエースの仕事で、スパーズは落ち着いて戦えるようになりました。62分、バルドラのミスキックをデル・アリがカットしてGKの目の前に縦パスを出しますが、ソン・フンミンが触れずスパーズの逆転はなりません。オーバメヤンのパスを右でもらったトルヤンのミドルはバーの上。ドルトムントのビルドアップはアバウトなパスが多く、スパーズのプレスが一発引っ掛ければ一気にチャンス到来です。

66分、香川真司が下がってカストロがピッチへ。ここまでアグレッシブなプレイが少なかったデル・アリが、71分にやってくれました。左サイドで2人に囲まれていた20番は、バルトラのチェックを強引に振り切ってボックスに侵入。落としたボールを右隅に収めたソン・フンミンのコントロールショットは完璧でした。ボス監督のザガドゥをトプラクというカードは、3点めを防いでドローに持ち込もうという意図でしょうか。2点を狙うなら、ダフードやシャヒンが先でしょう。81分にダニー・ローズのクロスをヘッドで叩いたエリクセンは、わずかに右に外してしまいます。ソン・フンミンのゴールを見てデンべレ投入をステイしたポチェッティーノ監督は、ここでデル・アリを下げました。21歳のMFを諦めるタイミングが早ければ、勝ち越しゴールはなかったかもしれません。勝負の綾は、スパーズの指揮官にプラスに作用しました。

エリクセンをシソコ、ハリー・ケインをジョレンテ。89分にソン・フンミンの縦パスでジョレンテがGKと1対1になりますが、ラストタッチが大きくビュルキがキャッチ。トッテナムは危なげなく試合を畳み、レアル・マドリードと同グループでの首位通過を達成しました。エースの競演の後、アウェイチームが上回ったのは、不安定だったザナドゥやバルトラと、冷静なカバーリングで相手のチャンスをつぶしていたエリック・ダイアーの差だったように思います。素晴らしい、スパーズ!サポーターと関係者のみなさん、おめでとうございます。ここまでの5試合は文句なしの出来でした。ラウンド16でバイエルンという最悪のカードを回避すれば、ベスト8は充分狙えるでしょう。2月からの決勝トーナメントでは、一瞬の隙を見逃さないワールドクラスのストライカーを擁するクラブの大暴れを期待したいと思います。

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“ハリー・ケイン&デル・アリ!守備力で上回ったスパースがドルトムントを逆転し、首位通過決定!” への4件のフィードバック

  1. yuto より:

    アウェイであってもスパーズが主導権を握れていることが素晴らしいと感じていました。
    ハリー・ケインの同点弾は素早いショートカウンターからあっさりと決めましたがなかなか難度の高い一発だったと思います。彼は本当にシュートが上手いなぁと感心してしまいます。
    このグループで首位通過は立派ですし、冬から過密日程が始まりますが決勝トーナメントでもプレミア勢の活躍を期待したいところです。
    特にスパーズは12-13シーズンのドルトムントを思わせる勢いを感じるのでかなり勝ち進めるのではと密かに期待しています。

  2. スパーズ推し より:

    勝てて本当に良かったです
    最後のアポエル戦が消化試合になったので、サブを試したり主力を温存したり出来るのも大きいですね

    バイエルンも苦しいですが、調子は良くないとは言えユーベを引くのもヤバい気がします、経験の差がモロに出そうで……
    あとは、他のプレミア勢が2位レアルとか言うカードを引かないことを祈ります(笑)

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ノースロンドンダービーのときに感じていた532のリンクプレーのぎこちなさはアンカーウィンクスで解消して、ローズのフィジカルレベルの復調もできた試合でした。
    ドルトムントはプレスもかからない、一つ一つの繋ぎが雑というどうしてしまったんだという状態でしたね。

  4. makoto より:

    yutoさん>
    ハリー・ケイン、凄かったですね!バイエルンだけは引かないよう祈ってます。

    スパーズ推しさん>
    ユーヴェならいけそうと思っていたのですが、テンションが上がりすぎていたのかもしれません。レアル・マドリードはマンチェスター・シティにお願いしたいです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ドルトムント、アバウトでしたね。おっかなびっくりプレイしている印象でした。

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