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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ミキ、エジル、ラムジー!アーセナルがアウェイ0-2勝利でベスト8進出に大きく前進!

初戦大勝のリヴァプールとマンチェスター・シティがクルージングを決め込み、トッテナムがユーヴェに逆転負けを喫したため、チャンピオンズリーグのプレミアリーグ勢はセカンドレグで勝利なし。ヨーロッパリーグを戦うアーセナルには快勝を期待したいのですが、ラウンド16の相手はガットゥーゾ監督率いる難敵ミランです。サン・シーロでの一戦は、初優勝に向けての正念場。プレミアリーグで3連敗を喫し、4位以内が絶望的になったヴェンゲル監督は、この大会で簡単に負けるわけにはいきません。スタメンは、現在のベストといっていいでしょう。オスピナ、チャンバース、ムスタフィ、コシールニー、コラシナツ、ジャカ、ラムジー、ウィルシャー、エジル、ムヒタリアン、ウェルベック。開始早々からミランが猛攻を仕掛け、守備が不安なアウェイチームは完全に引かされています。

3分にスソが上げた右からのクロスは、ファーから飛び込んだボナヴェントゥーラが触れば1点でしたが、タイミングが合わず。直後の左からのCKも逆サイドのマークがずれており、ダイレクトで合わせられたら決まっていました。アーセナルの最初の決定機は8分。ボックス手前でエジルが左のウィルシャーに短いパスを通し、10番が巧みにヒールで落とすと、後ろにいたムヒタリアンのニアを狙ったシュートはポストぎりぎりに外れます。10分にチャンバースのクリアをカットしたのは左サイドのチャルハノール。クトローネをラインの裏に送り込んだスルーパスは見事でした。力んだ63番のシュートはニアポストの外に逸れますが、ガナーズの守備の瓦解を待たされているような序盤戦です。

12分にもリカルド・ロドリゲスの縦へのロングフィード1本で、チャルハノールがオスピナと1対1。GKをかわそうとしたドリブルが大きく、ボールはゴールラインを割りましたが、チャンバースの持ち場である右サイドは明らかに弱点です。しかし15分、先制はアーセナルでした。敵陣でラムジーがインターセプトに成功し、ウィルシャーが預けたボールをダイレクトで左のミキに上げたエジルが秀逸でした。切り返しから迷わず右足を振り抜いた77番の鋭いシュートは、ボヌッチに当たって跳ね上がり、ドンナルンマのゴールに突き刺さりました。昨季プレミアリーグでは4ゴールながら、ELでは6ゴール決めていたアタッカーが、得意の欧州で彼らしいプレイを披露してくれました。

次の1点を巡る攻防は、サイドアタックの応酬です。23分に敵陣で奪ったボールを入れたコラシナツのグラウンダーは中に通らず。30分、スソが右から入れたきわどいクロスは、ストローネの手前に飛び出したオスピナがパンチでクリアします。ダイレクトで叩いたボナヴェントゥーラの左足はニアポストの外。ミランが再三入れるクロスは中に誰も入ってこられず、なかなかシュートにつながりません。40分、エジル、ウィルシャー、右のチャンバースとつながった流れるような攻撃は、クロスがウェルベックに合わず。1分後の左からのアタックは、エジルのパスを受けたウェルベックが後ろに落としたボールをチャンバースが迷わず左足シュート。強さは申し分なかったものの、ドンナルンマが左に飛んで確実にセーブし、スコアは動きません。

ミランの激しい攻撃に落ち着いて対応したアーセナルは、追加タイム4分という最高の時間帯に2点めをゲットします。ウェルベックのトラップをハンドと思ったのでしょうか。ミラン守備陣が一瞬止まりかけたのをエジルは見逃しませんでした。極上のスルーパスがラムジーに通り、ドンナルンマを抜き去ったMFが無人のゴールに流し込みます。前半は0-2。オンターゲットゼロのミランにとっては、重すぎるギャップです。

49分、ケシェのキックミスを追ったウェルベックがドンナルンマと1対1になるも、GKが先に触ってストライカーに当たったボールは枠の外。52分にカラブリアが丁寧に入れたグラウンダーは、ボナヴェントゥーラがボレーを打ち上げてしまいます。ミランのミドルシュートはことごとく枠にいかず、アーセナル守備陣にとっては楽な展開。62分にチャルハノールがカリニッチに代わると、ヴェンゲル監督はコラシナツをメートランド=ナイルズにスイッチします。ファイナルサードにおけるパスやフィニッシュに精度を欠くミラン。プレミアリーグで11試合連続失点中のチームは、今日は崩れる気配はありません。68分にクトローネが下がり、アンドレ・シウヴァ。78分にリカルド・ロドリゲスが上げたクロスがファーのスソに通りますが、トラップからの左足シュートはアウトにかかって大きく外れます。

ホームチームはカラブリアをボリーニに代えて前がかり、アウェイチームはエジルをホールディングで逃げ切り体制。83分にアンドレ・シウヴァのスルーパスが前線のカリニッチに通りますが、オスピナが的確な飛び出しでクリアしました。85分にチャンバースをエルネニーに代えたヴェンゲル監督は、0-2という文句のないスコアでタイムアップを迎えました。アーセナル、快勝!ミランは14試合ぶりの敗戦です。イグアインもディバラもいないチームは、オンターゲット1本では勝利は望むべくもありません。アーセナルも点取り屋がいなかったものの、中盤に決定的な仕事ができるワールドクラスを抱えていました。メスト・エジルのエクセレントなラストパス2発、ミキらしい振りの速い一撃、ラムジーの完璧なフィニッシュ。速い出足で相手のチャンスの芽を摘み続けたオスピナも、リスペクトしたいと思います。手負いのプレミアリーグ6位が、ベスト8に大きく近づきました。素晴らしい!

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“ミキ、エジル、ラムジー!アーセナルがアウェイ0-2勝利でベスト8進出に大きく前進!” への2件のフィードバック

  1. じるおもんれ より:

    最初の5分を幸運にも無失点でしのげたこと。相手が対アーセナルのフォーマットを使わなかった、あるいは知らなかったこと。フルバックがそれなりの守備をしてくれたこと。勝因はこの3点ですかね。

    特に20分程度でしたがナイルズの貢献には感謝です。コラシナツの怪我という自体にも落ち着いて仕事をしてくれました。欧州の舞台で積ませた経験がここにきて生きてきた、といったとこでしょうか。

    EL職人のシメオネにコスタ・グリーズマンという超絶分かりやすいアタッキングデュオ。正直アトレティコを押しのけてアーセナルが優勝する道理はないと思ってますし、何よりまだミランを退けたわけではないのですが、とりあえず久しぶりの勝利を楽しみました。

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    ガットゥーゾは最近のアーセナルの試合を分析したの?って強く思いました。年明け以降のアーセナルを見れば、明らかに守備が弱点で最終ラインやGKにハイプレスをかければボールが回らなくなって自滅するって分かるはずなのに全くやらなかったですね。
    年明け以降プレミアで最も敗北してるアーセナルと、年明け以降無敗のミランの対戦と思えないくらいアーセナルとミランに大きな差が合ったと思います。ヴェンゲルがいくら時代遅れでも、選手の個の能力は高いので組織化されてないチーム相手であればまだまだ戦えますね。

    —–
    ミランはかなり前評判がよく、アーセナルは負けるのでは?と思われていましたが、青いユニフォームでしっかり勝ちましたね。 それにしても、ラムジーがいるとウキウキしてきています。 ここ半年は。 以前はボールロストするし、こねるし、、と目立って悪いことが多かったですが最近は頼みの綱のような感じです。
    だって、他が危ないからですね。   正直僕はアーセナルのバックたちはあまり信頼していません。 その前にジャカがいると怖いです。。
    今日は勝てましたが、ベスト8で勝てるかどうか、、、 決勝までちゃんと行って、優勝してほしいものです

  2. おはむ より:

    プレミアリーグ内のレベルは高いことを確認した試合でした。
    ユベントスとトッテナムが互角に戦い
    不調アーセナルは好調ミランを完封。
    セリアのサッカーも、レベル高いですが、プレミアリーグは強いですね。
    来季からCL,ELは安心してプレミアリーグのチームにベットできます

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