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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

圧巻ニャブリ&デイヴィス!ミスが目立ったチェルシーは、バイエルンにホームで0-3惨敗!

フランク・ランパード監督にとって、プレミアリーグ27節のトッテナムとのロンドンダービーは、CLラウンド16のバイエルン戦の予行演習でもあったようです。フォーメーションは3-4-2-1。モウリーニョ監督のチームと対峙したときと同じ顔ぶれが並んでいます。GKカバジェロ、DFアスピリクエタ、クリステンセン、リュディガー、WBにリース・ジェームズとマルコス・アロンソ。中盤の真ん中はジョルジーニョとコヴァチッチ、ロス・バークリーとメイソン・マウントの前にオリヴィエ・ジルー。プレミアリーグは2-1完勝でしたが、ドイツの強豪相手にホームで先勝することができるでしょうか。開始早々にトマス・ミュラーにきわどいシュートを打たれたチェルシーは、5分を過ぎたあたりから自分たちのペースに持ち込んでいます。

7分の最初のシュートは、メイソン・マウント。ボックスの手前から狙った左足のミドルは、うまくミートしませんでした。9分には、カバジェロのロングキックをジルーがヘッドでスライドさせ、メイソン・マウントがボックスに侵入。左足でニアに打ったシュートは枠にいかず、ノイアーは悠々と見送ります。11分、トマス・ミュラーとのワンツーで裏に抜けたコマンは、カバジェロがニアを空けているのを見て早いタイミングで狙ってきました。ポストすれすれを抜けたボールを追ったスタンフォード・ブリッジのサポーターに、安堵のため息が広がります。

15分、チアゴ・アルカンタラのロングフィードでレヴァンドフスキが左から抜け出し、カバジェロと1対1になりますが、コースを切ったGKが右手でセーブ。20分のCKで競り勝ったジルーのヘッドは、ノイアーの前に落ちてしまいました。ポゼッションは3対7。百戦錬磨のドイツ王者と、指揮官も選手もCL経験が浅いプレミアリーグ4位というギャップは、パスの精度と判断スピードに現れています。

25分に自陣で奪われたショートカウンターは、ニャブリの縦パスを追ったレヴァンドフスキにカバジェロが先着。27分にも右サイドに張るパヴァールとコマンに奪われ、トマス・ミュラーのラストパスでレヴァンドフスキがGKの前に躍り出ますが、シュートコースを読んだカバジェロが足に当てるビッグセーブで先制を許しませんでした。直後、トマス・ミュラーが左から放った強烈なミドルは、ファーポストの外。防戦一方のチェルシーは、自陣での不用意なパスを減らさなければなりません。

33分、ノイアーのミスキックを奪ったチェルシーに決定機が到来。ボックス右のジルーが打てず、左に流れたクロスをマルコス・アロンソがコヴァチッチに戻すと、柔らかい縦パスで左から抜けたメイソン・マウントのシュートはゴール前を横切ります。1分後、ニャブリのクロスが中央に上がると、トマス・ミュラーのバックヘッドがクロスバーを直撃。44分、コヴァチッチが左のマルコス・アロンソを走らせたカウンターは、ボックスに入ったWBがパヴァールをキックフェイントでかわし、左足で強烈なシュートを放ちます。ノイアーが左に弾くと、拾ったリース・ジェームズは打ち切れず、クロスをクリアされました。

前半は0-0。押しているバイエルンが、アウェイゴールゼロで終わるとは考えられません。48分に縦パスでラインの裏に抜けたメイソン・マウントは、どうやらオフサイド。51分、縦パスがニャブリに出た瞬間、アスピリクエタがスリップしたのが命取りとなりました。若いウインガーが左のレヴァンドフスキに預け、速いリターンに右足で合わせると、カバジェロの脇を抜けたボールがゴールのど真ん中に突き刺さりました。さらに54分、ノイアーのキックをレヴァンドフスキがニャブリに落とし、2人でワンツーをかますと、あっという間にニャブリがボックス左でフリー。左足の完璧なシュートがサイドネットに吸い込まれ、両者のギャップは2点に広がりました。

59分、スローインをゴールライン際で受けたトマス・ミュラーが中央に浮かすと、ノーマークだったニャブリのボレーはバーの上。ランパード監督は、プレミアリーグのスパーズ戦とは逆のスコアでの戦いを強いられています。61分、ジルーとロス・バークリーが下がり、タミー・アブラハムとウィリアンが登場。プレミアリーグ13ゴールのストライカーは、欧州の強豪相手に爪痕を残せるでしょうか。ニャブリは相変わらずチェルシーの守備陣を翻弄しています。65分、コマンがハムストリングを痛め、コウチーニョにチェンジ。67分に右に流れたレヴァンドフスキが左足でファーにクロスを入れると、コウチーニョのボレーは明らかなミスキックです。

69分、キミッヒの不用意なパスをインターセプトしたメイソン・マウントは、左足のシュートを力んでしまいました。73分、アスピリクエタに代わってペドロ・ロドリゲス。76分、2人を一気にちぎったアルフォンソ・デイヴィスが、クリステンセンも置き去りにして左サイドをスプリントし、完璧なグラウンダーをもらったレヴァンドフスキが無人のゴールにプッシュしました。82分、レヴァンドフスキを腕ではたいたマルコス・アロンソが1発レッド。チェルシーのラスト10分のミッションは、1-3ではなく4点め回避でした。

スタンフォード・ブリッジで0-3惨敗。プレミアリーグの3位以下と欧州のトップクラスには、これだけのレベル差があると受け止めたほうがいいのでしょう。相手の速い寄せに余裕を失ったチェルシーの選手たちは、攻撃時のボールタッチと判断にミスが多く、チャンスを活かせずに終わりました。最もショックを受けたのは、メイソン・マウントではないでしょうか。右サイドで対峙したアルフォンソ・デイヴィスの裏を取ってもすぐに追いつかれて奪われ、スピードもフィジカルも相手が上であることを思い知らされました。

ニャブリがブレーメンで頭角を現したのは21歳のときで、バイエルンで本格化したのは23歳です。タミー・アブラハム、メイソン・マウント、リース・ジェームズ、フィカヨ・トモリ、クリスティアン・プリシッチ、カラム・ハドソン=オドイといった22歳以下の選手たちは、ワールドクラスといわれるレベルに成長を遂げるでしょうか。彼我の差を突き付けられたランパード監督も、伸びしろが感じられるタレントです。19歳のアルフォンソ・デイヴィス、23歳のコマン、24歳になったニャブリの躍動感あふれるプレイに触れて、数年後のチェルシーが、「あれがきっかけだった」と振り返るゲームになればと思いました。

チェルシーの現実的な目標は、プレミアリーグのTOP4フィニッシュとFAカップ制覇です。週末のゲームは、敵地でボーンマス。その先のミッドウィークには、リヴァプールとぶつかるFAカップ5回戦が待っています。それぞれ、大事な一戦。来季につながる収穫を実感できたシーズンとすべく、気持ちを切り替えて臨んでいただければと思います。


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