2020.03.11 チャンピオンズリーグ2019-20チャンピオンズリーグ
ひとつの時代の終焉…2戦連続ゼロで完敗のトッテナム、CL敗退で無冠決定!
ほしいのは、2発のアウェイゴール。本拠地トッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催されたファーストレグを0-1で落としたモウリーニョ監督は、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、ベルフワインを欠いたスカッドで勝利を手繰り寄せることができるでしょうか。プレミアリーグで8位と苦しんでいる名将がチョイスした布陣は3-4-2-1。ベテランが揃っている最終ラインがしっかり守り、先制して速攻狙いといった展開をイメージしていたのだと思われますが、スパーズの指揮官の思惑は10分で崩れ去りました。
GKロリス、3バックはタンガンガ、エリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト。WBにセルジュ・オーリエとセセニョン、中盤センターはハリー・ウィンクスとロ・チェルソ。ラメラとデル・アリの前にルーカス・モウラという並びです。キックオフから果敢に攻めてくるライプツィヒに対して、スパーズ守備陣は冷静に対応し、うまくペースをつかめたようです。5分を過ぎても、両者ともにシュートはありません。
ホームチームは、9分を過ぎたところで最初のチャンスを活かしました。右から上がったライマーがニアのヴェルナーに預けると、最初のシュートはエリック・ダイアーがブロック。こぼれ球を拾ったザビッツァーの2発めは、ロリスが触りながらも外に出せず、左のサイドネットに転がっていきました。早々に失点を喫したスパーズですが、アウェイで2発というミッションは変わりません。紺のシャツが反撃に出たのは17分。ロ・チェルソが右に展開したボールをセルジュ・オーリエがキープし、ゴール前に出したグラウンダーはルーカス・モウラの前でウパメカノがクリアしました。
18分、アンヘリーノのクロスをプッシュしたヴェルナーはオフサイド。22分にサイドチェンジに対応したセルジュ・オーリエがヘディングを後ろに逸らしてしまい、先に反応したアンヘリーノの速いクロスがニアを襲います。タンガンガの前で叩いたザビッツァーのヘッドをロリスが触ったのは、ゴールラインを越えてからでした。スパーズに必要なのは3点となりましたが、プレミアリーグではさほど怖くなかったアンヘリーノが止まりません。
28分にシックが仕掛けたカウンターは、ボックスの右コーナーでラストパスを受けたヴェルナーのシュートをロリスがセーブ。ひたすら耐えていたスパーズは、41分に2度めのチャンスを創ります。セセニョンのクロスのクリアが逆サイドのセルジュ・オーリエに渡り、ボックスの脇でパスをもらったロ・チェルソがライマーをかわして左足を振り抜くと、ファーに飛んだボールはGKグラーチがセーブしました。
45分にムキエレがドリブルで上がり、右にさばいたボールが中央に戻ってくると、バイシクルはうまく当たらず。エリック・ダイアーのクリアがシックにヒットしてゴールに向かいますが、ロリスが左手で掻き出して3点めを免れます。前半は2-0、シュート数は6対2。昨季のCLファイナリストは、2019-20シーズンも無冠で終わろうとしています。後半開始から押しているのはスパーズ。ハリー・ウィンクスがフリーでパスを出すシーンが目立つようになり、ラメラの運動量も格段に増えています。
53分、足を痛めたムキエレが担架で運ばれ、ナーゲルスマン監督はアダムスを投入。57分にヴェルナーのパスを受けて左から仕掛けたシックの左足シュートは、高く浮いてしまいます。59分にはエンクックが下がり、ハイダラがピッチへ。60分にドリブルで中に斬り込んだヴェルナーのミドルは、押さえが効かず右に逸れていきました。デル・アリが再三つぶされ、攻め手を失っていたスパーズの久々のチャンスは73分。アルデルヴァイレルトのパスを受けたデル・アリが左にいたルーカス・モウラを走らせ、そのままボックスに走り込むと、的確なグラウンダーに合わせたボレーはグラーチの正面でした。
80分、ロ・チェルソが下がってジェドソン・フェルナンデス。87分、アンヘリーノのクロスをシックが打てず、こぼれ球に反応したアダムスのシュートがDFに当たると、入ったばかりのフォルスベリがフォローし、ファーストタッチの一撃をゴール右に叩き込みました。3-0、完敗。ホームサポーターのチャントが鳴り続けるピッチを眺めながら、ひとつの時代が終わったのだなとあらためて思いました。ハリー・ケイン、デル・アリ、エリクセン…ポチェッティーノ監督の「走るスパーズ」は、多くの若手と無名の選手のポテンシャルを引き出し、あと1勝で欧州制覇という高みに到達。いくつかの苦い敗戦を経験として、5年がかりでピークを迎えたチームは、悔しさと誇らしさが同居したマドリードのあの夜から、たった数ヵ月で崩れ去ってしまいました。
2018年の夏は補強ゼロ。ダニエル・レヴィ会長は、ポチェッティーノ監督に負担を背負わせ過ぎたのだと思います。今季のスパーズは、ピッチを縦横無尽に走り回るあの頃のフットボールを既に忘れていました。後を継いだ名将は、ハリー・ケイン、エリクセン、シソコ、ソン・フンミン、ベルフワインを次々と失い、TOP4争いから脱落寸前。ライプツィヒとの2試合でノーゴールという結果に驚きはありませんでした。
むしろショックだったのは、3失点のほうです。不振の守護神、下り坂のベテラン、伸び悩みの中堅、経験不足の若手が立てこもったゴール前は、シュートやクロスのコースを切る動きが鈍く、ザビッツァー、ヴェルナー、フォルスベリ、アンヘリーノを止められずに終わりました。守備ラインの構築に定評があるモウリーニョ監督は、前線だけでなく、後ろも抜本的な改革を求められています。マンチェスター・ユナイテッド戦で敗れれば、CL出場権獲得が難しくなるチームは、ひと足早く苦しいオフシーズンを迎えることになりそうな雲行きです。
GKロリス、3バックはタンガンガ、エリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト。WBにセルジュ・オーリエとセセニョン、中盤センターはハリー・ウィンクスとロ・チェルソ。ラメラとデル・アリの前にルーカス・モウラという並びです。キックオフから果敢に攻めてくるライプツィヒに対して、スパーズ守備陣は冷静に対応し、うまくペースをつかめたようです。5分を過ぎても、両者ともにシュートはありません。
ホームチームは、9分を過ぎたところで最初のチャンスを活かしました。右から上がったライマーがニアのヴェルナーに預けると、最初のシュートはエリック・ダイアーがブロック。こぼれ球を拾ったザビッツァーの2発めは、ロリスが触りながらも外に出せず、左のサイドネットに転がっていきました。早々に失点を喫したスパーズですが、アウェイで2発というミッションは変わりません。紺のシャツが反撃に出たのは17分。ロ・チェルソが右に展開したボールをセルジュ・オーリエがキープし、ゴール前に出したグラウンダーはルーカス・モウラの前でウパメカノがクリアしました。
18分、アンヘリーノのクロスをプッシュしたヴェルナーはオフサイド。22分にサイドチェンジに対応したセルジュ・オーリエがヘディングを後ろに逸らしてしまい、先に反応したアンヘリーノの速いクロスがニアを襲います。タンガンガの前で叩いたザビッツァーのヘッドをロリスが触ったのは、ゴールラインを越えてからでした。スパーズに必要なのは3点となりましたが、プレミアリーグではさほど怖くなかったアンヘリーノが止まりません。
28分にシックが仕掛けたカウンターは、ボックスの右コーナーでラストパスを受けたヴェルナーのシュートをロリスがセーブ。ひたすら耐えていたスパーズは、41分に2度めのチャンスを創ります。セセニョンのクロスのクリアが逆サイドのセルジュ・オーリエに渡り、ボックスの脇でパスをもらったロ・チェルソがライマーをかわして左足を振り抜くと、ファーに飛んだボールはGKグラーチがセーブしました。
45分にムキエレがドリブルで上がり、右にさばいたボールが中央に戻ってくると、バイシクルはうまく当たらず。エリック・ダイアーのクリアがシックにヒットしてゴールに向かいますが、ロリスが左手で掻き出して3点めを免れます。前半は2-0、シュート数は6対2。昨季のCLファイナリストは、2019-20シーズンも無冠で終わろうとしています。後半開始から押しているのはスパーズ。ハリー・ウィンクスがフリーでパスを出すシーンが目立つようになり、ラメラの運動量も格段に増えています。
53分、足を痛めたムキエレが担架で運ばれ、ナーゲルスマン監督はアダムスを投入。57分にヴェルナーのパスを受けて左から仕掛けたシックの左足シュートは、高く浮いてしまいます。59分にはエンクックが下がり、ハイダラがピッチへ。60分にドリブルで中に斬り込んだヴェルナーのミドルは、押さえが効かず右に逸れていきました。デル・アリが再三つぶされ、攻め手を失っていたスパーズの久々のチャンスは73分。アルデルヴァイレルトのパスを受けたデル・アリが左にいたルーカス・モウラを走らせ、そのままボックスに走り込むと、的確なグラウンダーに合わせたボレーはグラーチの正面でした。
80分、ロ・チェルソが下がってジェドソン・フェルナンデス。87分、アンヘリーノのクロスをシックが打てず、こぼれ球に反応したアダムスのシュートがDFに当たると、入ったばかりのフォルスベリがフォローし、ファーストタッチの一撃をゴール右に叩き込みました。3-0、完敗。ホームサポーターのチャントが鳴り続けるピッチを眺めながら、ひとつの時代が終わったのだなとあらためて思いました。ハリー・ケイン、デル・アリ、エリクセン…ポチェッティーノ監督の「走るスパーズ」は、多くの若手と無名の選手のポテンシャルを引き出し、あと1勝で欧州制覇という高みに到達。いくつかの苦い敗戦を経験として、5年がかりでピークを迎えたチームは、悔しさと誇らしさが同居したマドリードのあの夜から、たった数ヵ月で崩れ去ってしまいました。
2018年の夏は補強ゼロ。ダニエル・レヴィ会長は、ポチェッティーノ監督に負担を背負わせ過ぎたのだと思います。今季のスパーズは、ピッチを縦横無尽に走り回るあの頃のフットボールを既に忘れていました。後を継いだ名将は、ハリー・ケイン、エリクセン、シソコ、ソン・フンミン、ベルフワインを次々と失い、TOP4争いから脱落寸前。ライプツィヒとの2試合でノーゴールという結果に驚きはありませんでした。
むしろショックだったのは、3失点のほうです。不振の守護神、下り坂のベテラン、伸び悩みの中堅、経験不足の若手が立てこもったゴール前は、シュートやクロスのコースを切る動きが鈍く、ザビッツァー、ヴェルナー、フォルスベリ、アンヘリーノを止められずに終わりました。守備ラインの構築に定評があるモウリーニョ監督は、前線だけでなく、後ろも抜本的な改革を求められています。マンチェスター・ユナイテッド戦で敗れれば、CL出場権獲得が難しくなるチームは、ひと足早く苦しいオフシーズンを迎えることになりそうな雲行きです。
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奇跡は二度起こらないから奇跡なんだなと思いました。ドルトムントを葬ったときと全く同じスコアですが逆の立場になるとやはり辛いです。