偏愛的プレミアリーグ見聞録

大丈夫か、エリック・テン・ハフ。ヨーロッパリーググループステージ4節、キプロスのオモニア・ニコシアとのホームゲームは、レギュラー7人を揃えた本気モードです。週末のプレミアリーグは、難敵ニューカッスル。エリクセンこそベンチですが、ブルーノ・フェルナンデスをはじめ6人は休みなしで、トップフォームをキープできるのか心配になります。

プレミアリーグに未だフィットしていないカゼミーロは、今日もスターターです。GKデ・ヘア、DFダロト、リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、タイレル・マラシア。中盤センターはフレッジとカゼミーロ、2列めはアントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード。トップにはクリスティアーノ・ロナウドが君臨しています。

立ち上がりのフレッジのシュートがブロックされ、左からのCK。ショートコーナーから放ったラシュフォードのコントロールショットは、GKウゾホに阻まれました。当然のように押しているマンチェスター・ユナイテッド。ビルドアップのミスからラシュフォード、ロナウドと縦につながった9分のチャンスは、左足のシュートがニアに外れました。

10分で早くもシュート5本のチームは、一方的に攻め続けています。18分のオモニアのカウンターは、右からのクロスをリサンドロ・マルティネスがカット。ビルドアップを仕切るCBは、テン・ハフの戦術に必要不可欠なパーツです。

ロナウド、ブルーノ、ラシュフォードと左につながった22分の決定機は、GKと1対1になった10番のフィニッシュをGKが足でブロック。25分には、ダロトのパスを受けたブルーノのミドルが右に外れます。なかなか決められないラシュフォードは、左から中に斬り込んで放った28分の一撃もウゾホにセーブされました。

31分にカゼミーロがダロトに預け、ボックス手前のロナウドにボールが渡りますが、振り向きざまの左足シュートは枠にいかず。直後にカゼミーロが思い切りよくミドルシュートを打つと、GKの指先を抜けたボールがクロスバーにヒットしました。39分のアントニーのクロスは、ニアに入ったフレッジにぴったりでしたが、力みが感じられたヘディングは浮いてしまいました。

42分に左から突破を図ったのは、オモニアのブルーノ。チーム初のシュートは、デ・ヘアの頭上を越えていきました。前半終了間際、左から蹴ったブルーノのFKがカゼミーロの頭に届くも、ボールは左にアウト。シュート数15対1のハーフコートマッチは、まさかの0-0でセカンドハーフに突入しています。

後半が始まり、いきなり決定機が到来。カットインしたラシュフォードがロナウドに預け、右からボックスに入ったアントニーの前にラストパスが転がると、左足のシュートはウゾホがセーブし、フォローした10番のボレーも外に弾き出されました。

47分にも、左から放ったフレッジのシュートをウゾホが体に当て、こぼれ球に先着したロナウドもGKにストップされます。50分過ぎで、シュートは20本。59分にブルーノのロングフィードでラインの裏を取ったラシュフォードは、この日3回めとなるGKとの1対1を右に外してしまいました。

60分にアントニーとマラシアが下がり、サンチョとルーク・ショー。63分、ルーク・ショーのパス交換でサンチョがボックス左を突破しますが、ニアで折り返しに反応したブルーノは窮屈なボレーを外しました。66分のダロトのクロスは、決めてほしかった絶好のボール。ひとりで9本めとなるラシュフォードのボレーは、右に切れていきました。

70分、フレッジに代わってエリクセン。73分のブルーノのCKをトラップしたラシュフォードは、10本めのシュートも右足のアウトにかかってしまいました。時折ブーイングが聞こえるオールド・トラフォード。こんな展開でも優しいサポーターはいるもので、ブルーノ・フェルナンデスが果敢に詰めてボールを奪取した瞬間、拍手が聞こえています。

テン・ハフ監督の4枚めは、81分にカゼミーロをマクトミネイ。直後、ブルーノの落としを受けたマクトミネイのダイレクトショットは、ウゾホが左に弾き出しました。追加タイムは5分。93分にサンチョが左から仕掛け、中央に速いボールを入れると、足元に収めたマクトミネイが右足のシュートをネットに突き刺しました。

ポゼッション70%、シュート34本、オンターゲット12本でCKは13本。ヴァラン以外の主力を全員注ぎ込んで、スコアレスで終わらなくてよかったと胸をなでおろす一戦でした。ビッグチャンスを3つ外したラシュフォードには、「ニューカッスル戦はよろしくお願いします」とだけ、いっておきましょう。テン・ハフのチームは発展途上。もうしばらく、やきもきさせられる季節が続きそうです。こういう試合は疲れますね…。